コミュ障の秘策
今回の話は世界観について話していきます
「ふぅー、意外に早く着いたな。」
地図を見ながらでも迷うかなと思ってたけど…この地図が見やすくて良かった。
そんなことを思いながら、宿のドアを開け
「まだ、泊まれる部屋ってありますか?」
「あるよ。二人で…って、その娘どうしたんだい?」
「ちょっと、諸事情ありまして。」
「そうかい、そりゃ大変だね。部屋は2階の部屋を使いな。」
「ありがとうございます。」
良かった。部屋が空いてて。空いてなかったら最悪、野宿だったからなー。
えーと、部屋はここか。
「あー、困ったぞ。ベッドがひとつしかない」
もしかしてとは思っていたが、予想が当たったらしい一つしかない。
一緒に寝ようにも、心頭滅却すらできない俺にそんなことは自殺行為だし…まぁ、床で寝てもいいっか。
とりあえず、けが人には優しくっと。
女の子をベッドに寝かせ、自分も寝ようと思ってた時
そういえば、まだまだルーミーナにいろいろ聞きたいことがあるんだった…それでは
『女神に会いたい』
「ようこそ、いらっしゃいました。アルエ様…予想よりも早かったのでびっくりしましたよ」
俺が目を開けると、ルーミーナがそう言いながらこっちを見ていた。
「よう、俺もこんなに早くここを利用するとは思ってなかったよ」
「利用?どういうことでしょう?」
変な言い回ししたせいで、誤解されてる。事情を話さないと
「いや、悪巧みにじゃねーぞ。俺、最初は周辺の情報を人から聞こうと思ったのね」
「まぁ、情報収集は大事ですかね」
「ただね、前の世界であまり人と喋ってこなかったらね…結構疲れるんよ」
「はぁ。」
俺の言葉を聞くと、ルーミーナから若干困惑したような声を出した。
やめて!そんな声を出さないで、自分で言ってて悲しくなるから!
「そしたらさ、天から『ルーミーナに来た方が早くない?』って声が聞こえて『俺は天才か!』って思いながら、ここに来たわけよ」
「なるほど。つまり、『情報収集するの疲れたから手っ取り早くここで教えて!ルーミーナ先生!』ってことですね」
相変わらず、ルーミーナはすぐわかってくれるから助かるな。
「うん、そういうこと」
「わかりました。別にいいですよ。ぼちぼちでもいいのでしっかり行ってほしいですからね」
ルーミーナは若干呆れたような顔をしながらも協力してくれるようだ
「ありがとうな。ではでは、ルーミーナはこのアルブ王国において、どんな存在なの?」
「はい、ではそこらへんも含めてアルブ王国について解説していきますよ。このアルブ王国は世界的に見ると、大体真ん中あたりに位置しています。また、資源が多く、水も多いので周辺の国から見ても発展している方に入ります。おまけに、国民満足度も90%オーバーとかいう…まるで、絵本に書いたような国です」
「はー、それはすごい。ぜひとも、俺が元居た国も見習って欲しいものだ」
「ただ…一つ問題がありまして」
「問題?」
ルーミーナは、それまでしていた自信満々の顔とはうってかわり険しい顔となって
「はい、アルブ王国は現在『黒の国』からの侵略を受けております」
「黒の国?」
なんだ、そのいかにもな名前の国は
「黒の国というのは、まぁだいたい名前から察しがついてるとは思いますが、亜人などのモンスターによって支配されてる国ですね」
うーん、黒の国か。ほんと、小説みたいだな。
「現に、今アルエ様がなろうとしている冒険者はこれに対抗するために作られた職業です」
「アルブ王国の兵士が手伝ってくれるとかそういうことはないの?」
「兵士は国の防衛しかしません。例えば、白に攻め込んできたりなどのことがあった場合に動きます。ですので『黒の国を滅ぼしてやる』的なことは冒険者が行います。まぁ、王国側もそこら辺に関しては冒険者側に一任してますからね」
「なるほどね、王国の内情についてはわかった。で、このアルブ王国においてルーミーナはどんな存在なの?」
すると、ルーミーナは気づいたように顔を赤くしながら
「あっ、すいません。私、ルーミーナはこのアルブ王国の国教であるルーナ教の唯一神です」
ふーん、国教か…国教!この女神様って意外とすごいんだなぁ。
「なんか、急に神々しく見えてきたわ」
「なんですか、急にって!そんな普段は見えてないみたいな言い方は。私でも怒るときは怒りますからね」
「すまんすまん、ルーミーナって話しやすいからさ」
「言い方には気を付けてくださいね、ったく…質問されたことにはお答えしましたが、他に質問などはありますか?」
「いや、これといってないかな。まぁ、自分なりにも頑張ってみるよ。ずっと、お世話になるわけにもいかねーしな」
「はい、自分のコミュニケーション能力を上げる一環として頑張ってください!」
「うぐっ、痛いところを。じゃ、また会うその時まで」
「いつでもいらしてください」
ああ、視界が段々真っ白に…
目を開けてみると、カーテンの間から光が漏れている。
少女は、まだ眠っているみたいだな。さぁてと、冒険者ギルドにいくとしますかね
更新遅くなり申し訳ございませんでした。
ちょっと、リアルの方が忙しくなっております。
偉そうではありますが、気長に待っていけると幸いです。