イレギュラーと共に
さて。最近知略的な主人公が多いので、前に出て、能力を身体に纏い、拳で語る主人公を書きます。
作者としては、そっちの方が好みです。
できるだけサクサク進む、読み安い作品にします。
ドドドドドドドドドドドドォォオ‼
もの凄い騒音と共に全身に衝撃が走る。
身体中が痛い。押し潰されるような、いや、押し潰されたような、痛み。痛い。痛い痛い痛い痛い。
視界から光が消え、動くことが出来ない。怖い。怖い怖い怖い怖い。
息も、出来ない。脳が、回らない。苦しい。苦、しい。
誰か、たす、け...
俺の最後の記憶に残ったのは、必死に呼吸をしようた結果残された、口の中に広がるこびりつくような土の味だった。
下に土砂崩れの跡が見える。俺は、これに巻き込まれたんだ。
...死、か。...。なんか、もうどうだっていいや。笑えてくる。身体が軽い。ゆっくりと、空に吸い込まれていく。
まあ、そこそこ楽しい人生だったんじゃないか?大学も卒業出来て、友達も沢山できて。...あいつ、元気かなぁ。
...あれ?誰だっけ?
俺は、誰だ?...ヤバい。嫌だ、嫌だ。思い出せ。思い出せ!
俺は、俺は草里百斗だ!!忘れて無い!25歳で、独身童貞サラリーマンだ!明るい性格で、顔は普通で、なろう小説が好きで。
気がつけば周りは真っ白い何も無い空間になっている。ただただ前に進む感覚だけを感じながら、俺は、叫んだ。死んでるから声になっていない。それでも叫んだ。忘れぬように。他人からしたらつまらないだろう一人の男の人生を。それでも、忘れてはいけない、自分の全てを。ただひたすらに叫び続けた。