意外と高度…?
ようやく材木を切り出せた。
ハードウッドの幹には直方体の隙間がぽっかり空いている。
「あの石のおかげでめちゃくちゃ速く取れたわい。ボンは天才じゃのう!」
最後の方は強引に引き抜いたがな…じっちゃんよ
「材木は取れたけどこっからどうすんの?」
「まあ付いて来い…」
そうして水場まで連れてこられた。
この密林の水場はアローモンキーにとっての集会所のような所だ。ちらほらとアローモンキーがみえる。
「まあ坊や、大きくなったわねえ」
おばさんモンキーが話しかけてきた
「ボンは成長が早い上に天才なんじゃ!」
じっちゃんは誇らしげだ。
そして二度生まれ変わって、魔物達の中では名前を付ける、呼ぶ。という習慣が無いのではないかと考えるようになった。俺にも昔は名前があった。少し懐かしいきがする。
「ボン、何してる、手伝え!」
いかん、ぼーっとしてた。駆け寄ってみるとじっちゃんが木をベリベリと割いている。
「何してんの?」
「木を細くしてるんじゃ。これを水に2〜3日浸したのをよって形を整えて乾かしたら弓本体の出来上がりじゃ。」
なるほど、ハードウッドは頑丈だが加工しにくい。しかし細くし、見ずに浸せば加工しやすく、そしてしなりも生まれるというわけか。
アローモンキーはバカかも知れないと思ったことを少し反省。いや、かなり反省。
そして2〜3日後、俺の弓ができたのであった。
早く使いたいものだ。