図書館の出会い
魔族の街の図書館は俺が人間だった頃に住んでいた寂れた村の図書館の100倍は綺麗で本が揃っていた。俺が図書館に入ると受け付けのヴァンパイアのお姉さんが話しかけてきた。
「確か…ドラギルさんとこの息子さんよね?」
「はい、そうですが…」
「こんな小さい頃から図書館に来るとは感心だなぁ!何を読みたい⁇探してきたげるわよ。」
「スキルについての本…」
「スキル⁈少し早いかもしれないわよ?」
余計なお世話だ。こちとら中身はガキじゃねぇんだ。
「それでも身につけないとダメなんです!」
「………わかったわ。待ってて。」
お姉さんは奥の本棚の方へ行ってしまった。
しばらくして戻ってきたお姉さんの腕の中に抱えられていたのはとても分厚い赤い表紙の本だった。
「わからないところ、読めないところがあったらなんでも聞いてね!私こう見えても司書なんだから!」
ヴァンパイアは比較的珍しい種族だ。かなり博識であり、魔界なら大抵は軍の参謀などにつく。
ヴァンパイアの司書の美人お姉さんなど大変珍しいのだ。
「ありがとうございます!」
俺の笑顔にお姉さんはきゅんとしたようだ。竜人暮らしも悪くないかもしれない。ぐへへ
俺は毎日お姉さんのいる図書館に通うようになった。スキルが武技、魔技、援技の3つに分かれていることも知ったし、スキルの内容、魔力の流し方、体の使い方さえ理解すれば子供だろうが使えることも知った。
父に課された剣技[スラッシュ]は初級スキルで魔力消費は2。今の俺なら2発使える。(魔力、体力は体を休めれば回復する。)習得方法は剣に慣れたのち、型を覚える。そして魔力を通して型にそわせて剣を振るう、だ。
まずは剣の修行……と思ったが流石に剣は用意できなかったし、父に頼むのも何か恥ずかしかったので気を削って少し荒い木刀を作った。
子供の竜人の俺と同じくらいの長さになってしまったが。
そしてそれを振り続け、型の動きも欠かさず鍛錬し、魔力を体中に流しまくって魔力制御を練習すること1年。つまり期日の約半年ほど前にすでにスラッシュが使えるようになったのだ。
俺の体を鍛える名目でこの世を去られ、邪竜の元へといざなわれていった魔物達のおかげでステータスも上がった。
Level1→9
HP15→63 そこそこタフ
MP5→16
AT8→29 AT25でりんごを片手で握りつぶせる
DF6→22 DF20で4メートルから落ちても無事
IN30→51IQ130くらい
SP3→55 ボルトがSP40くらい。
うむ。中々上がった。同じ歳くらいの竜人達の倍はいっているだろう。ちなみに父は当然のごとく俺よりも遥かに強い。
試験の期日まではまだ半年ある。それまでにさらなるスキルを身につけて父の度肝を抜くのも楽しいかもしれない。




