表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/8

決別

それから少年はずっと老人に話しかけていた。どの話も老人を無視した独りよがりなはなしだった。老人は変わらず外を見つめて黙って聞いていた。もしかしたら少年の行いは老婆や若い女性の話す噂話と何も産み出さないという点ではかわりないかもしれない、少年はそんなことを考えたこともあったが話し続けていた。

「触るな!小僧!」

少年が来てから4日目の朝のことだった。

少年は花瓶の中の花が枯れてきたので取り替えようとした時、老人は少年の目を見て怒鳴りつけたのである。少年はとっさのことにビックリして花瓶を落としてしまった。

床に落ちた花は花弁をバラまき、その間を水がはっていた。

「出ていけ!!」

老人は機械音ではなく彼自身の咽で怒号をあげるとうつむいたまま手を固く握って唇を震わせていた。初めて見る老人の感情的な姿は少年を威圧していた。

少年は何も言えずそのまま部屋を出ていった。

部屋にはまたピッピッとい音だけが残っていた。

それから少年は次の日もそのまた次の日もその部屋には現れなかった。

ただ老人だけが静かに外を見つめる。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ