フィリアの憂鬱
今回はエルフの国視点です
「はぁ~。私はいつになればカイウス様のところへ行けるのでしょうか」
「恐らくまだ無理。です」
「そんな、カイウス様は人族短き命なんですよ。少しでも長くいたいと思うのが妻の常」
「フィリア様、なんでそこまでしてカイウス様のところへ行きたいのですか」
「私がカイウス様を愛しているからです。愛している人の近くに居たいというのはごく当たり前のことです」
「では、もしカイウス様がフィリア様のことを必要ないと言ったら、どうしますか」
「そ、それは....あり得ません。カイウス様はそんなこと絶対に言いません。サフィ、いくら貴女でも、カイウス様を悪く言うのは許しませんよ」
フィリアの体に魔力が流れる
「フィリア様、決してそう言う意味で言ったのではありません。です。」
「ではどういう意味なのですが」
「そこから先は私が話そう」
そう言って部屋に入ってきたのは、ややオレンジ色っぽい白のロングヘアーのエルフだった
「ルシ?なの。確か元老院に入ったはずじゃ」
「そう、私は元老院に入ったよ。今じゃ元老院のトップだ」
元老院とは、ハイエルフ議会の上位にあり、大まかな国の舵取りを行う機関である。
「どうしてルシがここに。それにさっきの話の意味って何」
「長老様が言っていた。もしフィリアが本当に好きな男性と出会い、その男を本当に信頼しているのなら、国から出してやってもいいと」
「本当なの?」
「だけど条件がある。3か月に1度国へ戻り1か月間国の仕事を行うことだ」
「もし、国の仕事が1か月以内に終わればその時からまたカイウス様の元へ行っても?」
「もちろんだ、だが、もし1か月以上かかる様ならば終わるまで残ってもらう」
「上等です、その程度カイウス様を思う私の気持ちも前では何の弊害でもありません」
「分かった、ならこれを持っていけ」
フィリアは蒼く輝く宝石の埋め込まれた指輪を受け取る
「それは、番の指輪と言って、転移の指輪と対をなす指輪だ。転移の指輪が存在する場所のそばに必ず転移することができる。もちろん、この部屋にも返ってくることもできるし、他の番の指輪のところへも移動できる」
「ありがとうルシ」
「行くまでに最後の仕事をしてもらわないとな」
ルシはそういうとフィリアをある部屋に連れて行く
「元老院が確認を終えた書類の最終確認を頼む、恐らく3か月もあればできるはずだ」
フィリアの体に魔力が流れる
「良いでしょう、このフィリア、カイウス様のためなら、こんな弊害一瞬で蹴散らして見せます」
フィリアが作業を開始したのを確認すると、サフィとルシが部屋をでる
フィリアが作業を完了したのは2週間後だった
流石にルシの顔が引きつっている
「フィリア、本当にすべて確認したのか」
「もちろんです。書類はすべて確認しておきました。それから書類に誤字や間違いがあった箇所は新しく書類を作成し、間違った書類の上に重ねてあります。元老院で再度確認後記録してください。
あと、国内で使用される鉄鋼についてですが、以前カイウス様が試作した鉄鋼材料の破片があるのでそれを使用すれば大丈夫です。許可は取ってあります。国外に持ち出す、伝えることをしなければ使用して構わないとのことです。それから...」
フィリアの指示は細部にわたるまで続き、言い終わることにはルシがグロッキー状態だ
「それでは、私はカイウス様のところへ行きますので」
フィリアはそういうと光に包まれ消えた
「なぁ、サフィ、カイウスって男は何者なんだ。男に一切の興味を示さなかったフィリアがあそこまでなる男。本当に人族なのか」
「確かに、人族です。以前ルシ様にお渡ししたポーション。あれもカイウス様が私のために作ってくださったものです」
「ああ、あのさわやかな味の飲み物か」
「あれの正体は肉体疲労回復のポーションです」
「あのポーションが?肉体疲労回復だと、あり得ない。肉体疲労回復のポーションの味は疲労回復の引き換えにしても味わいたくないものだぞ」
「その味をカイウス様が調合によって克服してくれたのです、それに、通常のポーションよりも効果が大きいので、普通の肉体疲労ならば半分程度で回復してしまいます」
「それほど効果が大きく手間のかかるものならさぞ高価であろう、いくらだ、もらった本数分費用を払おう」
「無料です。趣味で作ったものだから必要があれば飲んでいいとのことでいただきました」
ルシの顔が引きつっているのに、サフィは気づいていなかった
次回、フィリアがカイウスの合流します




