婚約
今回はちょっとほっこりするお話のつもりです
改良ベースができてから3週間ほどたち、ついに、サーシャの武器が完成した。
最終的にヒヒイロカネ5をベースに変更した合金を使用したほか、追加素材として、フェニックスのもえぎをごく少量入れている。
最終的に重量と加工難度以外を全て解決した鋼材になった。
槍の先端は菱形状の形をしており、穂先の左右にはハルバードのように、斧のような刃が付いている。
先端との重みを調整するため、逆のはしにカウンターウェイトとして、ミスリル100%の石突が付いている。
早速サーシャに確認してもらう
「これは、すごくいいです、ご主人様ありがとうございます」
サーシャはとても喜んでくれた、以前使っていた槍では少しリーチが短そうだったのだが、柄を延長して正解だったようだ。
サーシャに武器の特性を伝えていると、リサとルナがやってきた
「ご主人様、今夜、私の部屋に来てほしい」
「大事なお話があります」
とのことだ。
夜まで時間が少しあるため、地下の錬金術部屋の片づけをしてからリサの部屋に向かう。
リサの部屋に行くと、ルナがお茶を入れて待っていた。
リサは、武器の手入れ中みたいだ。
「まず、私から質問がいくつかあります」
「なんだい?」
「フィリアさんのことです」
まぁ、そんなことだと思った
「何が聞きたいのかな」
「ご主人様はフィリアさんのことがお好きなのですか?」
「嫌いと言えばうそになる、むしろ好きだな」
「likeではなくloveでしょうか」
「そうだね、単純に好きだし、守ってあげたい、一緒に居たいと思ったよ。いや、過去形ではなく現在進行形で思ってるかな」
「では、なぜ最初にフィリアさんの求婚を受諾しなかったのですか」
回答に困る。ルナたちの存在が理由と言えば、ルナが傷つく、だが、それが本当の理由であり、それ以外の理由はないのだ。
「その質問は卑怯だよ、ルナ。ご主人様は私たちのために、判断を送らせていたんだよ」
リサの助け舟で窮地を脱する
「それが理由なのではないかとずっと考えていました、私の存在のせいでご主人様は自分の行きたい道に行けないのではないかと。だからこそ聞きました。優しいご主人様なら、本心は口にしません」
どうやら、カマをかけられたらしい
「だったらどうするんだ?」
「最初は私たちはご主人様の元を去ろうと考えていました、捨てられるより、自ら去ったほうが傷は浅くて済みますから。でも、フィリアさんとお話をしていて教えていただきました。そんなことでご主人様は私を捨てたりしないんだと。もし捨てられても、フィリアさんが私たちの新しい主になってくれると」
どうやら俺が地下にこもりっぱなしだった間に相当な葛藤があったようだ
「フィリアさんとお話をしていて、気づいたんです。私はご主人様を知っているようで、何も知っていなかったんだと。私たちよりの何倍もフィリアさんはご主人様のことを理解していると。だから決めたんです、私たちはフィリアさんに幸せになってもらいたいです。だから、ご主人様お願いですフィリアさんのお話を受けてあげてください」
「何を言ってるのか分かんないけど、俺は最初から受けるつもりだったよ、腕輪を作るのに時間がかかっちゃって返答が遅れたけどね」
「それじゃぁ...」
「もちろん、俺はフィリアと婚約するよ。だからといって、君たちを捨てることは絶対にしない。いつか奴隷でなくなるその日まで、ずっと君たちの主でいると約束するよ」
「分かりました。ありがとうございます。フィリアさんは世界樹の一番上の部屋に居ます」
ルナにそう教えられ、世界樹の最上部へと向かう
いつもフィリアが座っている部屋だ。俺がフィリアと初めて出会った部屋でもある。
「フィリア」
「カ、カイウス様?どうなさったのですか」
「フィリアにこれを渡そうと思ってね」
俺はそう言ってフィリアに白色金の腕輪を手渡す。最初は金の腕輪にしようと思っていたのだが、フィリアの腕は白く、髪も薄い金色だ。全体的に白い印象のフィリアに金ぴかは似合わないと判断したので白色金の腕輪にしたのだ。
残念ながら、純度の高い白色金はこの世界にはなかったので、大量にあった白金貨を溶かし、純度を錬金術で高める方法を取り、腕輪を作った。
「これは、腕輪、ですか」
「そう、婚約の腕輪だったっけ?」
「腕輪を相手に渡してそれを付けてもらうことができれば、婚約なんだろ?まぁ、俺が嫌だっていうなら投げ捨ててもらっても構わないよ」
「そんなこと、できるわけ、ないじゃないですか」
フィリアははにかみながら顔を真っ赤にして腕輪を付ける
「不束者ですが、末永くよろしくお願いします」
フィリアはそういうと俺の胸に飛び込んできた
「やっと、やっと思いを成し遂げることができました、このフィリア、もう死んでも構いません」
「結婚してすぐに死なれちゃ困るかな」
「あ、いや、あの、違うんです、これはですね、えっと...」
「嘘だよ、ちょっとからかっただけ」
「カイウス様ひどいです...意地悪です」
「まぁ、とにかく俺より早く死のうなんて思わないこと」
「でしたら、カイウス様も私より早く死のうなんて思わないでください」
「それは無理かな」
「どうして、ですか」
「俺は人族でフィリアがエルフだからさ。エルフの寿命は人間の何千倍もあるんだ、俺はせいぜい100まで生きられれば長生き、100歳なんてフィリアにとってはたった一瞬だろうけどね」
その言葉を聞いてフィリアの顔がとても暗くなるのが分かった
世間一般は夏休みでしょうか
海や山に行きたいと思いながら毎年何もせず夏が終わってしまうので今年ころはBBQくらいはしたいと思っています。
次回、やっと迷宮要素が登場です




