試作鋼材
今回は鋼材の若干難しいお話です
サーシャの武器の都合の良い材料が無い、暫く悩み導いた答えは簡単だった
無いのなら作ってしまえばいい。
もともと錬金術にレシピが存在したわけでない、先駆者が努力し知恵を絞ったためにある程度のレシピが完成し現代まで残っている。
それに、俺の作った味付きポーションも一種の自作レシピのようなものだし、作れないわけではないだろう。
一応俺は機械系の専門学校で材料についても学んでいる、鉄に炭素を混ぜるSS材やクロムなどの元素を含ませ作る合金鋼、ジュラルミンに銅とマグネシウムを加えた超ジュラルミンなど、俺の居た世界でも、与えられた目的を果たすために新たな材料が作られている。
焼き入れや鍛造、製鉄の工程がすべて錬金釜で行えるというは違うが、材料を混ぜ目的の鋼を作るという大部分は同じだ。
幸い、オリハルコン、ヒヒイロカネ、ミスリルの必要素材は、ハイエルフであるフィリアの力を借りレシピの復元に成功している。
魔法鉄鋼と特級魔力コアをベースに、賢者の石を加えればヒヒイロカネ。竜の水晶眼を加えればミスリル、エルフの涙を加えればオリハルコンになる。
賢者の石は世界樹の表面に生成される真っ赤な樹脂のことらしい。世界樹から放出される古い魔力などの栄養素を体外に排出する際にできる副産物らしい。エルフからしてみれば、使い道のないゴミらしく、快く譲ってくれた
エルフの涙は、文字通りエルフが流す涙。
なわけがなく、世界樹がつける実のことらしい。
世界樹は年がら年中大量の実を実らせるが、味はさほどいいこともなく、魔力を多く蓄えているという理由でエルフが食すものらしい。
賢者の石同様、欲しければ必要な分だけもぎ取っていいらしい。
まさか伝説の鉱石の材料の中で一番数がそろわないのが竜の水晶眼だとは思わなかった。
今度リサを連れて回収に行こう。
まずは手始めに、ミスリルを材料に、賢者の石を加え、インゴットを作ってみる。
ミスリル本来の薄い水色に少し赤みが混ざったようなインゴットが生成できた。これを試作1号とでも使用
出来上がったインゴットで小さなナイフを作り、純ミスリルと、純ヒヒイロカネのナイフと比較してみる。
耐久面では純ミスリル、試作1号、純ヒヒイロカネ
魔力伝達速度は、純ヒヒイロカネ、試作1号、純ミスリル
重量は、小さすぎたためさほど差が無いように感じる。
どうやらお俺の予想通り、それぞれ必要な材料が特殊な役割を与えるキーパーツのようだ。
それさえわかってしまえばあとは材料を集め、性能試験を繰り返し適切な鋼を生み出すだけだ。
まさか、大学で学んだことが活かされる時が来るとは思わなかった
名前は忘れたが、あの大学の先生にお礼を言わなきゃなと思いながら、俺は試作品の鋼作りに没頭した
次回も少し鋼材のお話が出てきます




