ゲーム
どうも皆さまネルと申します。
異世界でローライフ第二部。今回も転生できません。ごめんなさい
「そうだね。じゃあ、僕に勝てたら異世界に転生させてあげるよ」
「異世界に転生、だと....」
その時俺は釣り針に引っかかる魚の気持ちがわかった気がした。
「異世界って魔法や地下迷宮のある異世界か?」
異世界という言葉に思わず飛びつく。
異世界という響きに興奮しない男子がいるだろうか。いや、居ない
「何を興奮してるのか分からないけど魔法もあるし地下には迷宮もあるよ。その世界に君を転生してあげる。どう?悪くない話でしょ」
ルカはニコニコしながらこちらの出方をうかがっている
「ああ、確かに悪くない。むしろ良い話だ。で、そのゲームってのは?」
「良かった、僕とゲームしてくれるんだね。ゲームはオセロでどうだい?」
「神様がオセロを知ってるとは驚いた。ルールは普通のオセロなんだよな」
「オセロに普通も何もないけど、君が知ってるオセロだよ。」
ルカがどこからともなくオセロを取り出す。懐かしい白黒の石と緑色のボードだ
「じゃあ、悠馬君先行でいいよ。僕は慣れてるからね」
どうやらルカはオセロに自信があるらしい。だが俺もオセロならだれにも負けない自信がある。それに何よりも、異世界転生のため負けるわけにはいかない。
オセロ開始から10分後
「ねぇ、悠馬君ちょっとは手加減してよ。僕石をおける場所がないんだけど」
「手加減したら負けちゃうだろ。負けたら転生できないじゃん。はい、盤面全部真っ黒。俺の勝ちだな」
一応俺はオセロの地域大会でぶっちぎり優勝するだけの力はある。どうやら神様もそこまではわからなかったらしい
「くやしぃよ。もう一回、もう一回勝負だ、今度は勝つからね。絶対だからね」
ルカが見た目にとても似合った悔しがり方をする。
「良いよ。今度はルカに先手を譲るよ。あと、ルカに好きな角一つあげる」
打ち方で大体の実力がわかったので少しハンデを与えることにした
「角一つ渡したから負けたなんて言い訳させないからね」
ルカはすでに勝った気いた
オセロ2回戦開始から10分後
「なんで角一つあるのに勝てないのよーーー!!悔しいよ」
まぁ、分かり切った当然の結果だったな
将棋のプロは歩兵と王だけでも素人を完封できるだけの実力差がある。オセロでもそれは同じたとえ角を一つ与えた程度で覆ることはない。
「リベンジする?今度は角を二つあげる」
「もちろんリベンジするに決まってるよ。勝ち逃げなんてさせない。次こそ僕が勝つ」
オセロ3回戦開始から10分
「な、な、な、なんでよなんで。角二つもあって何で勝てないの。悠馬イカサマしてるんじゃないの?」
対人ボードゲームでイカサマなんてできたら、元の世界ではチャンピオンだな...と思いつつ
「今度は角を3つあげるよ。リベンジする?」と軽く挑発してみる
「もちろんリベンジするに決まってるよ。勝ち逃げなんてさせない。次こそ僕が勝つ」
オセロ4戦目開始から10分
結果はすでに分かってたがルカは納得できないらしい。
4つの角全部を与えてルカの納得するまで相手してあげよう
と俺は考えていた。
そして数時間経過
オセロは現在21回戦目だ
ルカも少しずつ上手くなってるが、それでも俺に勝つにはまだ遠い実力だった。
ルカはとうとう俺に勝つことはできなかったが21回もオセロをやってルカは大満足の様子
「約束通り異世界に転生させてあげる。でもいくつかルールがあるから、教えておくね」
ルカの言うルールとは簡単にまとめ得ると
・現世で得た記憶は異世界に引き継げるが、一部引き継ぎ不可能なものもある
・異世界に転生すれば二度と現世に戻れない
・異世界にものを持ち込むことはできない
・異世界でも死ぬことはある
という4つらしい。
特に記憶に関してはルカの表現があいまいだが、おおよそこんな感じだろう。
「あと、私に勝った20回分、好きなスキルを持って転生させてあげる」
どうやら、ルカに勝った分だけ異世界にスキルを持った状態で転生して俺TUEEEEできるらしい
「はい、この箱から20回個好きなの引いてね」
そういってルカが持ってきたのは、お祭りでよくある、くじ引きの箱だった
「好きなスキルって自分で選べないのか?」
「好きなスキルを選ばせたら楽しくないじゃん」
どうやらスキルを選ぶまでがゲームのようだ。
「んじゃまぁ、適当に引いていきますか...」
獲得したスキル
聖属性魔法
火属性魔法
魔属性魔法
水属性魔法
剣術
体術
銃術
調理
メニュー
詠唱
商人の心得
マッピング
鷹の目
錬金の極意
危険予測
状況判断
鑑定眼
盗賊
拷問
???
とりあえず、自分が引いた20個は転生後自分のスキルになるらしい。便利そうなものから明らかにやばそうなもの、使い道の分からないものまである。特に???って何だよ
ルカに聞いてみたが
「スキルの内容は僕もわからない」
とのこと
「僕今日は疲れちゃったから飛ばすのは起きてからにして...」
と言いながらノロノロと部屋から出て行った。
「俺も疲れたし寝よう」
そう言って俺もベッドに飛び込むとすぐに眠気が襲ってきた
次回いよいよ異世界に飛びます
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