リサの不調
予定よりも少し遅れてしまいましたが本日分の投稿になります
昨日に引き続き、今日も迷宮の10階層を探索する。探索は強制ではないのだが、
錬金術と武器の精錬に純度の高いモンスターのコアが必要なのと、迷宮内でごくまれに生成される魔力石と魔法鉄鋼という特殊な鉱石の確保のためだ。
魔力石と呼ばれる石は、文字通り魔力を含んだ石だ。
魔力石は周りの魔力を吸収し、魔力を備蓄する効果がある。
高い魔力を含んだ石は錬金術や武器の精錬はもちろん、高度魔術の触媒として必要だったりする。
魔力を放出しつくしても、再度魔力を蓄えれば使用可能という利点があり、魔力が放出された魔力石はギルドでも大量に取り扱っている。魔力石は最悪ギルドで購入すればいいとして、問題は魔法鉄鋼だ。
魔法鉄鋼は特殊な機材を使い魔力を流し込むことで自分が思い描いた通りの武器を作ることができ、魔力のとおりも他の武器と比較にならないほど高いのだ。
迷宮内でしか取れず、とれたとしても基本的には個人で消費するため滅多に売り物としては出てこない。
迷宮内のアイテムに関してはマッピングが有効なのだが、どのフロアにどのアイテムがあるのかということしかわからず、該当フロアを虱潰しに探すしかないというのが現状だ。
まぁ、他の冒険者はマッピングすらないのだから贅沢は言えないが...
「今日は、戦闘を避けてゆっくり探索しよう」
ルナとリサに声をかける。
コア集めも兼ねているので戦闘もしたいところだが、今日はリサの調子がおかしい。
いつもなら避けられるはずの攻撃もナイフで逸らしたり、掠り傷を作ったりしている。
リサはもともと身体能力に頼った戦闘スタイルなので、戦闘が続けばスタミナが持たなくなり戦闘能力が下がる。だからこそ、リサのスタミナを考えたうえで、被弾が増えると同時探索終了にしようと決めていたのだ。
だが、今日は戦闘を初めてまだ2戦目、ゼノマンティス3匹とカーススクイッド2匹しか戦っていないはずだ。
「ルナ、リサ、今日はこのくらいにして帰ろう、ちょっと体が重いんだ」
リサの性格上、リサが原因で探索終了となることに納得しないだろうから、その理由については伏せておいた。
何か起きてからでは遅い。万が一を考え家に戻ったら安静にしてもらおう。
と考えながらギルドへ帰還した。
「あれぇ?期待の新人冒険者のカイウスさんじゃないですか。どうしたのかなこんな早くに帰ってきちゃって。体調でも悪いのかな。それともその程度の実力しかない?その程度の実力でCランクなって勘弁してほしいよ。つーか、冒険者自体辞めちゃえば。お付きの奴隷と一緒に仲良く乳繰り合ってなよ」
どの世界にもこういう輩はいるもんだな。他人をバカにするやつは自分の力にうぬぼれて実力を把握できてない奴だ。そんな奴は大抵へまをやって誰にも助けてもらえず死んでいくんだ。
「今日は俺の体調が悪いみたいでね。そもそも俺は迷宮深層へもそこまで必死こいて駆けずり回らなくても、お金に苦労はしてないんだ。申し訳ないがこれで失礼するよ」
去り際に鷹の目で確認する
名前はラルフ 職業は冒険者 レベルは8
そこまで目立ったスキルもないようだ。おそらく所有してる武器のおかげか、高レベルの冒険者の腰巾着ってところだな。
帰宅後リサを部屋に呼ぶ。
今朝の戦闘について状況を詳しく聞くためだ。
「呼ばれた理由はわかるね」
「うん」
「理由を話してもらえるかな」
「今日起きたときから体がだるかったの。でも、今日も迷宮探索があるし、迷宮で必要なものをご主人様がメモしていたから、私のせいで迷宮に行けなくなったら駄目だと思って...」
リサの言葉が詰まる。リサの表情からは見捨てないでほしいという気持ちが伝わってくる。
奴隷が主に捨てられるというのはそれほどまでに問題なのだろうか...
「リサを捨てようとは思っていない、ただ、これからは体調に異常があるなら躊躇わず伝えてほしい。何かあったらそっちのほうが大きな被害になるからね。でも、二度目はないよ」
リサの顔が少し明るくなった気がした。
「リサは体調が万全になるまで、仕事は禁止。もちろん迷宮探索にも連れて行かない。悔しいと思うなら、早く元気になること、いいね」
「分かった」
リサはそう返事をすると自分の部屋に戻ていった
リサのケアはルナに任せるとして、俺は魔法を強化するのとコアを確保のため一人で迷宮へ潜ることにした
いつの間にかブックマークが30人となっててとてもびっくりしています
これからも異世界転生してスローライフをよろしくお願いします




