夕食
物の名前を考えるのって案外難しいですね
特に技やスキルの名前なんかは苦労します
ギルドマスターとの長話を終え、部屋にワープすると、リサとルナが掃除をしている最中だった。
「えっと、あのご主人様いつからそこに?」
驚き過ぎて無反応のルナがはたきを片手に硬直している。
「ルナ、ちゃんと掃除やってよ、あ、ご主人様お帰りなさい」
リサは何事もなかったかのように掃除を続行中だ。
最近リサの口調が砕けてきたような気がするが、気のせいではないだろう。
ルナは奴隷になる以前から引っ込み思案な性格だったのだろう。
まぁ、別に問題ないから気にはしないが...
二人が掃除をしている間に、今日の夕食の仕込みをすることにした。
先日の買い物でこの世界にも油があることを知った俺は、フライを作ろうと思っていたのだ。
とりあえず、白身魚と肉を買いに店へとワープした。
「いらっしゃい」
「白身魚と肉はあるかな」
「白身っていうとマーフォークだね。肉はミノタウロスの肉だ」
マーフォークって白身なんだというを気にしたら負けだろう
「白身と肉両方とも3人分売ってくれ」
「あいよ、兄ちゃん若いから特別に銀貨21枚でいいよ」
商人の心得のおかげで安く買うことができた。
家に戻り、肉に塩と胡椒で下味をつけ、白身はキーアというレモンっぽい果物で臭みを抜いておく
その間に、ザーヴォという昆布のような海藻と鰹節で出汁を取り塩を少し加える、ラカという豆腐のような物体をさいの目に切っておく。
名前こそ違うが、元居た世界と比較的同じような食料が多く助かっている。特に鰹節が存在することに驚いた。この世界では鰹節はブシと呼ぶらしい。
出汁を取り終えたころルナとリサが厨房へやってくる
手伝うと言ってくれたのだが、あとは揚げるだけなので、今日は座って待機だ。
夕食の準備ができたときにはここぞとばかりにリサとルナがせっせと働いていた。
二人とも、見慣れぬ料理に箸が進んでいなかったが、一口食べだすと、おいしいおいしいとと言いながらすべて完食してくれた。
個人的には澄まし汁に少しだけ醤油が欲しかったが、海沿いの町にしか醤油はないらしい。
海沿いということは魚醤なのだろうか
二人とも俺の料理を気に入ってくれたらいしいので定期的に元居た世界の料理をふるまってあげようと思った。
食事を終えたとき、二人を俺の部屋に呼び、今朝、ギルドマスターと話した内容を全て二人にも話し、迷宮の深層に行くことも伝えた。
リサはやる気に満ちているが、ルナは若干不安そうだ。まぁ、つい最近迷宮入りしたばかりで固有魔法はこの世界最弱とされる聖属性。そりゃ不安にもなるだろう。
ちょっと待てよ....そういえば、俺も聖属性魔法取得してたよな
「ルナ。聖属性魔法の威力が低いやつって俺に向かって打てる?」
「えぇ、ご主人様に向かって魔法を使うんですが、そんな恐れ多いこと絶対できませんよ」
「良いからやる。これは命令」
「あぅぅ。分かりました、でも威力は一番低くに抑えますからね」
フォトン
俺の右肩に光の塊が出現し、炸裂する
うぉ!
一瞬肩を突き飛ばされたような衝撃が走り、背中から倒れてしまう。
「申し訳ありません、ご主人様、威力を抑えたつもりだったのですが...お怪我は?」
「いや、大丈夫だ問題ない」
メニューを開きスキルを確認するとやはり、聖属性魔法がONになっていた
「なぁ、ルナ、聖属性魔法ってどんな魔法なんだ」
「ご主人様の固有魔法は火属性ですよね、火属性は攻撃と破壊に長けた魔法です。対して聖属性は防衛や回復といった補助に長けた魔法なんです」
「回復特化ならなぜ外れ扱いされるんだ。むしろ必要だろう」
「いえ、この世界で魔法職に求められるのは殲滅力、火力の高さです。回復や防衛なら他の属性魔法にも使えます。聖属性はほかの属性と比べ、その効果が大きいだけです。」
つまり、他属性魔法でも回復は使えるが、聖属性魔法には他属性のような火力魔法はないということか
「でも、どうして急に聖属性魔法に付いて質問されるのですか?」
「あぁ、たった今、俺も聖属性魔法が使えるようになったからだ」
「え....」
二人の声がシンクロする。シンクロ率は90%以上だ
「ということは聖属性と火属性両方使えるのですか」
「ああそうなるね。たった今両方使えるようになった」
「すごいですご主人様千人に一人と言われる2属性魔法使用者だったのですね」
「ダブルスペルって何だよ」
「ダブルスペルっていうのは、生まれながら、もしくは何かしらの要因で固有魔法を2種類使える人のことだよ」
千人に一人とはかなりの確率だな。
実を言えばあと2属性使えるのだが、黙っておいたほうがいいだろうな....
そんな事を考えているうちに夜が更けていった
次回投稿は7月13日18時頃を予定しています




