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記憶喪失の星  作者: 神風
第2章 始まり
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宇宙と黒幕と…

5月14日、宇宙からやってきた光体によって、人類は次々と消されていった。何とか生き残ろうとする者たちにも容赦なく攻撃は続き、ついに人類は抹殺されたのであった。


しかし、遥か宇宙の彼方にいたこの計画の主導者は表情一つ変えず、いや、厳密に言えば不服と怒りの感情を覚えていた。


船員「ガーラ(※1)閣下、制圧致しましたが、『光生』反応無しです。」

ガーラ「フン、文明値最弱の星などに『力』が宿るはずもないか…。『回収班』を向かわせよ。半日で『反逆者』を殲滅し、吸収せよ。…我々は次の星を探し、処理をする。」

総員「はっ!」


『ガーラ閣下』と呼ばれた生物…。

いや、そもそも生物であるとは思えない姿をしているこの生命体こそ、今回の計画の首謀者なのだ。まるで地球上にて確認されているシャドーピープルのような黒いゆらゆらとした幻影なのだが、明らかに強い意思と邪悪な『力』を持っていた。


そして、その周りにいる者たちもすべて同様の形態と意思を持ち、その数は確認するだけでも約60万体いた。

そして彼らは宇宙空間を葉巻型巨大戦艦で移動していたのであった。





宇宙ではすでに知的生命体の存在する星がいくつも、いや、計り知れない数で発見されていたが、生命体の持つ文明値(※2)に同一はなく、むしろ歴然とした差があった。よって、まだ他の星に文明があることすら知らない星もあれば、私たちの常識を軽々と越えてしまう星もあるのだ。



正直なところ、地球人のごく一部にもこの事実をかねてより認識していた者もいたのだが、人類全体に伝える事は今日に至るまで控えていた。

万が一、地球以外の星に知的生命体がいることやエイリアンが地球の中で暮らしていることが露呈してしまえば、事件が発生するたびに宇宙での紛争の引き金になりかねないケースも出てくるからだ。そして、その解決のための最終手段であるはずの『武力行使』が、宇宙では全く意味を成さない=次元が違うことを認識していたからであった。


そう、人類にとっては核兵器が最悪の戦力だが、宇宙では星一つ消す技術などいくらでもあるのだ。

すべてにおいて次元が、『力』が、違うのだ。



今更だが、もし仮に全人類が地球以外の星に生命がいることをいち早く認識さえしていれば、人類絶滅などと言う事態になることも『数秒』は避けられていたのかもしれない。

もっとも、ガーラ率いる『銀河連合艦隊(※3)』を前に、圧倒的敗戦、宇宙の藻屑となる事実は決して免れはしないのだが…。







…数十年前から、宇宙はかつてない暗黒時代を迎えていた。

それまでは互いに協力し、助け合っていたかつての平和が崩壊し、様々な戦いが宇宙の至る所で起こっていた。そして、その中で勢力範囲を伸ばし続けたガーラ率いる銀河連合艦隊が広大な宇宙の約1/3を支配下に収めていた。



ガーラは自分の利益となる星には寛大な処置をしていたが、利益が枯渇すれば一瞬で星を消すこともあった。

かつて、高い文明値を持っていた『四連惑星(※4)』の生命体を全て惨殺した事もあったが、その理由もまた資源の枯渇とガーラ個人の『恨み』であった。


すべての資源、エネルギーを手中にし、必要性がなくなれば破滅させる。宇宙を制圧するガーラには『恐怖』と『力』のみが必要であった。




※1〜4…これらの単語や名称は地球の言語で言い換えたものであり、宇宙で表す言語としては不十分かつ不適切である。しかし、現時点では話を進めるために地球の言語で対応する。







太陽系から2光年離れたとある星。



?「ずいぶんハデにやられちゃったわね。『どこか』の星の王子様…?」

地球人によく似ているが、口や鼻、耳がない。やや細身の女性のような宇宙人が皮肉っぽく聞いた。

その先には、全身から黒い液体を出す青い肌の生命体が苦しんでいた。

背中から二本の角のようなものが生えているが、こちらもまた、地球人に見えなくもない。



?「…その名前で…呼ぶなと、言っているだろう。(フゥー)大体、…大きな…お世話だ。…お前こそ…せっかく…生き延びた…のに…死にに…来た…のか?」

?「今のあんたから心配されてもねぇ。…まぁ、あんたがくたばってる間にガーラは別の星に行ったよ。私たちもなめられちゃったものね。」

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