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記憶喪失の星  作者: 神風
第1章 消滅
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襲来の過程で…

光が空から降りてくる様子は、実に神々しく幻想的だった。その様子を終末と捉える者もいたが、多くの人々は楽観的だった。

だが、この光が『何者』かにコントロールされていることは明らかだった。何故なら、この光は空中で静止したり、小刻みに動いていたからだ。



御幸たちも周囲の様子、その後、窓辺から空の様子を見た。そして、突然の天空における出来事に思わず息を呑んだ。

御幸「お父さん、これって夢なの?」

御幸父「分からない。…生まれて初めてのことだよ。」




そんな折にラジオの音声らしき放送が店内に響いた。

『…番組の途中ですが、ここで官房長官からの緊急発表の様子を生放送致します。』



一瞬の静寂の中、御幸も含め多くの人々がラジオの内容に耳を傾けた。


官房長官『…只今、世界各地の上空に正体不明の光が確認されております。

アメリカのNASAからなされた公式発表によりますと、この光は宇宙から飛来したものとのみ確認されていますが、現時点での情報が錯綜しており、詳細は不明です。

先程内閣にて緊急閣議され、この詳細が判明するまで、しばらくの間国民の皆様には外出することを控えるようにお願い申しあげる次第でございます。また、すでに屋外にいる方も速やかに屋内に…』



店内の利用客はパニックになり始めた。


“宇宙からってUFO?”

“屋内でっていつまでなんだ?”

“何が起こってるの?”


もちろん、店内だけではない。このニュースは世界各地に発信され、大きな衝撃を与えていた。






…とある戦艦内。


?「…閣下、準備完了いたしました。」

?『…これで全ての計画が完成する。こう考えるとまた感慨深いが、我が運命のために死に絶えるがいい。…始めよ!』







ニュースが流れた直後に、世界各地の上空にいた光体は再びゆっくりと降り始めた。


祐樹「ママ、見て!降りてきた!」

彩菜「こわいよ~。」

祐樹母「2人とも大丈夫。」

怖がる二人の子どもを抱えた母親の口調に、もはや力強さはなかった。


…だが、次の瞬間、光体は強烈な閃光を放ちながら分裂し、数千、数万…と爆発的に数を増やし、小さい光体になった。


そして、ついに、5月14日午後15時9分。


全ての光体が地球上にいる全人類に向かって『攻撃』を開始した。



光体は目にも止まらぬ早さで人体に触れた瞬間、一瞬にして跡形もなく消し去っていった。さらに光体は、建物の外から中へ意思を持つかのようにゆっくり移動し、壁をすり抜けたかと思えば、逃げ惑い、助けを求める人々に対しては容赦ない速度で殺戮し続けた。


外の様子を見ていた店内にいた人々は冷静さを失い、パニックに陥り、少しでも光体から離れようと必死だった。




彩菜「ママ~、ママ~!」


そんな状況で、一人だけ逃げ遅れたのは吉岡彩菜だった…。

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