復活と終戦と…
…二日前まで、世界的に見ても大都市であった大阪・京都が、消えて無くなってしまった。
圧倒的な物量と破壊力をもって、四戦艦が一斉砲撃を行ない、その衝撃で地球全体が揺れ、活火山の一部が噴火を始め、北極や南極の氷も大きく崩れた。
そんな地球規模の破壊だっただけに、反乱分子は跡形もなく消し去ったものと四戦艦の兵士たちは高を括っていた。甘く見ていたのだ。
しかし、大地の焼け跡に一筋の光。
御幸たちは何と耐え凌いだのであった。
ミーシャやスピアは万一、御幸の『力』が爆発を引き起こさないように、バリアを張るつもりだったのだが、逆に御幸が無意識に作った『光』によって守られていた。
機転を利かせたのはレイナだった。
レイナ「うまくいったね。」
スー「レイナ様?」
レイナ「賭けだったの。御幸の光は攻撃を防げるから、風で光を私たちの上に送ったの。おかげで攻撃を全く受けなかったわ。」
ユンピ「レイナ様、すごい。」
ギャレット「…しかし、この光だけであの総攻撃を受け切ったのか。」
スピア「はは、すごいね。どうやら能力は本物みたいだ。」
ユンピ「でも、あの光、おいしそう。」
スー「ダメだよ。爆発するかもしれないし!…まだ私は信用できない。」
ミーシャ「とりあえずは助かったってことだな。おい、制御できるようになったのか?」
そう言って、ミーシャは御幸に触れようとしたが、弾き飛ばされた。
ミーシャ「おいおい、ガードが堅いな。かわいい顔してるのに。」
レイナ「…バカな事を言わないの。ねぇ、御幸?」
御幸は相変わらず下を向いたまま反応しなかった。
当然、戦艦の司令は大いに焦っていた。
敵司令「バカナ…コンナコトガアッテタマルカ!!フタタビホウゲキ…」
?「そんなこと、させないよ!」
幼い子どもの声がした瞬間、地球の裏側で大爆発が起こり、再び大地が震えた。
ギャレット「ふん、ようやく来たか。」
スピア「何とか間に合ったみたいだね。」
レイナ「何?…それにあの爆発は?」
ミーシャ「間違いない、ヤツらの戦艦だ。」
ユンピ「ん?何か…いる?」
見上げると四戦艦の真正面に二つの光が現れ、即座に御幸たちの前に降りてきた。そして、流れるように登場の台詞を述べ…られなかった。
?「青い羽に乗って、『司令官』登場!」
?「赤い羽に乗って、…えっと何だっけ?」
?「…『お姫様』じゃ。」
?「あ、ありがとう。…『お姫様』登場!」
?「あーちゃんしっかり!」
レイナ「え…まさか!?」
そこには青と赤の巨大な鳥が翼を広げ、背中には凛々しい制服を着た男の子と、おとぎ話に出てきそうな可憐なドレスを着た女の子が乗っていた。そして、ゆっくりと地面に降り立ったのだ。
レイナはほっとして、御幸に大きく声をかけた。
レイナ「御幸、ゆうき君とあやなちゃんが帰ってきたよ!」
御幸「…。…え!?」
少し時間はかかったが御幸は我に返った。しかし…。
御幸「…え、この光は何?」
レイナ「あんたが作り出した光よ。私たちはこれで助かったの。」
御幸「…私が!?…そ、そう、なんですか。」
レイナ「まぁ事情は飲み込めないだろうけど、詳しく後で話すから。今はあんたの力を貸してほしい。」
御幸「はい。でも、どう使えばいいのか…。」
レイナ「大丈夫、私も協力するから。」
レイナは優しく御幸に接し、御幸もそれに応えた。そして…。
御幸「祐樹君、彩菜ちゃん、傷は?」
祐樹「うん、大丈夫だよ。『ルネ』が治してくれたんだよ。」
彩菜「うん、あやなも『サンス』とたたかう!」
青ルネ「いやはや…登場に着せ替えまで。」
赤サンス「…おまけに名前までつけられるとは。」
そう言うと二体の鳥は瞬時に融合し、再び赤と青のオッドボディになった。
ルネサンス「二人の傷は我が治しておる。」
スピア「何、あの演技。ルネちゃん、引き立て役だね〜。(笑)」
ルネサンス「バカな事を申すな。…子どもが嫌いでないだけだ。死なせたくなかった。」
ギャレット「…しかし、ルネ。あの二人はそれで『覚醒』したのか?」
ルネサンス「うむ。『天界』である…いや、話は後じゃ。『司令官』『お姫様』、そろそろやるぞ。」
祐樹「了解!」
彩菜「お姉ちゃん、頑張ってくるね!」
御幸「え?何をするの?」
祐樹「あれをね。」
彩菜「やっつけるの!」
御幸「え〜っ!?」
ルネサンスは体を瞬時に大きくし、幼い二人をその背中に乗せ、空高く舞い上がった。
御幸は二人の思わぬ行動に困惑した。
御幸「二人とも!!」
レイナ「大丈夫、あの子たちは、きっとうまくやるわ。『力』を感じるしね。」
御幸「でも…。まだあの子たちは…。」
レイナ「心配なのよね。でも、心配しなきゃいけないのは、相手かもよ。…あの『ルネサンス』、かなり怒ってるみたい。」
ミーシャ「…あぁ、一瞬で勝負がついたな。」
ドカァァン!!
上にいた四戦艦のうち三隻が大爆発を起こし、衝撃が走ったが、スピアの能力でほぼ吸収された。
そして、すぐに彩菜と祐樹がルネサンスに乗って戻ってきた。
祐樹「あれだけ?」
彩菜「もっとやりたかった〜。」
ルネサンス「良いのじゃ。…みんなで分けないとな。」
祐樹&彩菜「はぁ〜い。」
ふて腐れるような返事をした二人だったが、すぐに御幸に報告した。
祐樹「お姉ちゃん、見た?僕たちがやっつけたの。」
彩菜「ビーってね。」
レイナ「うん、すごかったね。ね、御幸?(トン)」
御幸「え…えぇ、二人ともすごかった。びっくりしたよ。」
レイナから合図のように肩を叩かれ、御幸はそう答えたが、会話をしていた以上、幼い二人がどのような攻撃をしたのかわからなかった。
ただ、子どもたちが期待して答えを聞いてきた以上、見ていないとは言えなかった。
何とかその場をやり過ごし、レイナは満足そうにうなづいていたが、すぐに尋ねた。
レイナ「御幸、この『光の盾』は形を変えられない?たとえば、『槍』とか。」
御幸「え?…うーん、どうやったらいいか分からないんですが…。」
そう言いつつも、頭で槍の事を考えた瞬間、光の盾は光の槍に変化した。
御幸「あ、変わった。」
レイナ「やっぱり、思った事を具現化できるのね。光の槍、借りてもいい?」
御幸「えぇ。」
レイナ「ありがと。力は連携すれば更に強くなる。光と風の連携!『光扇』!!」
レイナはまるで、大きな扇を広げたかのように光の槍を並べ、その槍に風を送った。すると落ちてくる戦艦の残骸を次々と撃ち抜いていった。
ルネサンス「なるほど、光を自分の能力に合わせて攻守に使い分けたのか。やるな、姫。」
スー「でも、ただ打ってるだけじゃない。」
スピア「…打ち上げれば重力で落ちてくる、か。」
ミーシャ「光の槍が隕石となって、また攻撃する、か。…レイナ、悪くないぜ。」
強者たちからここまで評価されて、レイナが気を悪くするはずがない。
レイナ「でしょ?やればできるのよ、私♪」
ギャレット「だが、半分は…。」
ユンピ「うん、『神の力』…。」
そんなツッコミは『気分がよろしい』レイナには聞こえていなかったのだが…。
さすがに残りの一隻もこの状態では撤退するしかなくなったが、光の槍の攻撃を受けて、逃げることもままならなかった。
敵司令「ソウイン、テッタ…ギャ…」
最後は光の槍が降り注ぎ、消滅砲を搭載した戦艦五隻は、文明最弱の地で返り討ちにあった。
そして、この情報が宇宙に知れ渡るのにそう時間はかからなかった…。
人類が消滅してから二日目の夕方。大阪を中心にした関西は文字通り消滅し、地球最大の戦闘は三時間ほどで終了した。
だが、この御幸たちの勝利は、後に『宇宙平和』に至る記憶の重要な鍵になるのであった。
?「取り越し苦労だったか。まぁ、様子を見るか。」
東京タワーの上に黒装束の生命体らしきものが佇んでいた。その手には御幸たちが破壊した四戦艦の動力源が握られていた…。




