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妖と霊と異変

 お待たせしました。予告通りのコンビの登場です。

 花の異変とは花映塚の一件を指すのですが、ゲームのほうをプレイしていなくても読むうえでなんら問題ありませんのでご安心を。


※初めて東方に触れる方のために初登場となる人物には紹介をつけています。



 白玉楼といえば古代中国において偉大な文人が死後に行く場所として知られている。それはとても名誉なことなのだろう。


 もちろんそれはあくまでも言い伝えの域を出ない非科学的なものであるが、ここ幻想郷にはその白玉楼が実在する。とはいっても文人ではなく霊そのものを対象としているのだ。


 こちらのそれは人妖が暮らす場所から離れた冥界にあるため一部を除いて人目につくことはない。漂う幽霊の管理者とその配下の者たちが暮らしている基本的には静かな場所だ。



 と思ったら、早朝から騒々しい。

「ちょっと、みんな落ち着いてよー!」

 慌ただしく駆け回る少女。外の世界では銃刀法に余裕で引っ掛かるであろう二つの太刀を携えている。


 彼女は魂魄妖夢(こんぱくようむ)。白玉楼の主に支える剣術指南役兼庭師である。見た目は白髪の人間なのだが、半人半霊という人間と霊のハーフな種族だ。


 彼女が追いかけているのは白玉楼の幽霊。いつもはおとなしいのだが、今日に限って揃いも揃って激しく飛び回っている。普通ならこんなことは考えられない。


 何が幽霊をそこまで興奮させているのかはよく分からないがそもそも白玉楼は幽霊を管理する場所。なんとかなだめねばならない。


「よっと!」

 助走をつけて手頃な一体に飛びかかったがあっさりかわされる。自由自在に浮遊する幽霊を捕まえるのは相当難しい。


「妖夢妖夢、ちょっと待ちなさい」


 自らの半霊を伴い鬼ごっこを続けようとする妖夢を見かねた、主の西行寺(さいぎょうじ)幽々(ゆゆこ)が声をかける。

 幽霊らしい被り物をしているが彼女は厳密には亡霊にカテゴライズされる。訳あって白玉楼での霊の管理を任されているのだ。


 先ほどまで奥にいた主の登場に救いを感じる妖夢。


「あっ幽々子様。見てくださいよ、幽霊たちがなんだか興奮しちゃってて……」


 妖夢の相方の半霊はなんともないのだが、白玉楼中の幽霊たちが落ち着かない様子で飛び回っているのだ。


 慌てている妖夢に対して相変わらずのんびりと構える幽々子。

「妖夢。前にこんな異変があったのを覚えてない?」


 この幻想郷において度々発生するこのような事象を一般に異変と呼ぶ。妖夢もそうなのだが霊夢や魔理沙、咲夜等がその解決にあたることが多い。


 思考を巡らせる妖夢。

「えっと……? あっ!」


 咲き誇る四季折々の花。増えた幽霊。あまりに印象的な花の異変だ。しかし、今回の件とは決定的に違う点がある。


「でもあの時って幽霊が増えたせいで異変が起きたんじゃないですか? 逆ですよ?」


 原因と結果が反転しているという妖夢に対してやれやれと肩をすくめる幽々子。


「細かいことは気にしない、気にしない。ここは私に任せて早速解決に行ってちょうだい」


「解決といってもどこへ行ったらいいんですか?」


「そうね、とりあえず仲間を集めることね。これだけの異変だもの。人手は多いに越したことはないわ」


 たしかに幽々子の言う通りだ。毎回他のトラブルシューター達と連携を取り合うのが通例である。


「分かりました。幽々子様はここをよろしくお願いします」

「頼んだわよう」


 間延びした主に拍子抜けする。しかし腑に落ちないながらも行かねばならない。


「はあ……もしかしてもうみんな動いてるのかなぁ……」

 大変なことにならなければいいけどと呟き飛び立つ妖夢。あっという間に遠くなっていく。


 小さくなる妖夢の背中を見つめる幽々子。見えなくなるまで遠くに行ったのを確認してから腕を真上に振り上げる。

「お疲れさま。第一段階完了よ」


 するとどうだろう。あれほど落ち着きがなかった幽霊たちが幽々子のまわりに整列したではないか。


 以前に異変を起こしたことがある幽々子。今回も何か企んでいるようだ。


「じゃあみんな、持ち場におねがいね」

 幽々子の号令で白玉楼中の幽霊が動き始めた。

 いよいよ異変です。トラブルシューターってなかなかうまい言い回しですよね。多分これからもちょいちょい使います。

 また、キャラをどんどん出したい欲はあるのですがおそらく収拾がつかなくなるので小出しになるかと。

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