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始動…

セイヤに送ってもらったその日の夜。


あけみから一通のメールが届いた。



『明日相談したいことがあるから、朝待ち合わせて行かない?』



とくに気にすることもなく、了解の返信をしてあたしは眠りについた。



***


翌朝。

待ち合わせの駅に向かうとすでにあけみが待っていた。



「おはよう、あけみ!」


「おはよう、ゆみ。ごめんね呼び出したりなんかして」


「そんな気にしないでよ。でも珍しいね、あけみが相談事なんて」


「うん…」


―――よっぽどの悩みなのかな?


あけみは普段、相談をしてくることがなく、何でも自分で解決してしまうか、悩まず即行動!といった感じで、見た目に反して決断力、行動力がかなり高いのだ。


そのあけみが悩むとは、いったい何があったのだろう?


言いづらそうに口ごもるあけみを気にしながら、自分から話してくれるのを待つ。



「それがね…私、ケントくんのこと…好きになっちゃったみたい…」


「え?」


―――今ナント?


重い口が開いたかと思ったら、何か理解できない事をしゃべったような気がした…



「昨日ね、ゆみと別れてタカくんも途中で別れたんだけど、その後、遅いからってケントくんが家まで送ってくれたの…昨日のあのカッコいい姿見ちゃったあとだったから意識しちゃって…ときめいちゃって、友達なのに…気づいたら好きになってるみたいなの…というか、好きなんだと思う」


―――えーっと?


次から次へと出てくる言葉の数々に脳が追い付けなくて処理できなくなってきている…とういか処理=理解したくないんだと思う。―――それはなぜ?


「…そ、そうなんだ」


やっと出てきた声はそれだけしか紡げなかった…


ただ茫然とあけみを見つめていると、少し照れたように頬をそめていた。


―――もしかして、本気なの?


そう疑ってしまうのも無理はない。

あけみは恋愛に関して感情の起伏が激しく、熱しやすく冷めやすいというちょっとした欠点がある子なのだ。しかし今回はいつもと違うようで、悩み、行動に移すのを躊躇っているのである。


だからこれは本気でケントに恋しているんだとあたしには思えた…


―――応援すべきだよね?親友が悩んでるんだし


「そっか、うん…あたし応援するよ!」

ズキッ―――…っ!?な、なに??


「ほ、ほんと?で、でも、ケントくん、きっと私のこと友達としてしか思ってないよ…」


不安がるあけみにふと、思い出したことを口にした。


「そういえばケント、あけみが彼氏出来たって言ってた時ちょっと寂しそうにしてたことがあったよ。愚痴ってた気もする…」

ズン―――…なんか気持ち悪い…


「そ、そうなの?」


「うん。愚痴ってた内容は忘れちゃったけど」


思い出そうとすると益々気分が悪くなってきた…

すると、意を決したようにあけみがふっと息を吐くと、不安でいっぱいだった表情がいつもの元気な顔になっていた。


「…よし!気持ち伝えてみる!あーでも今はまだ無理ー!心の準備が!…とにかく、ちょっと時間が欲しいからゆみもあんまり意識しないでね!」


「うん、わかった。静かに見守ってるよ」


―――二人が付き合うのかぁ…お似合いだなぁ…うれしい事なんだよね?きっと…


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