不意打ち
そんな入学式を終え、私達四人は同じ学部ということもあってそれからほぼ毎日一緒につるんでいた。
…いつもの面子に一人増えただけだけど、よく飽きもせず一緒にいられるもんだなぁ
―――まぁいいけど。それにしても慣れないわ~…
「そんなことないよ~だいぶ様になってるって!」
「え!声出てた?!」
「いや、なんとなくそうかなって」
「…あんたは超能力者かい」
そう、今あたしがやってるのはバスケ部のマネージャー。
ほんとは部員として入りたかったんだけど、なぜか女子部がないという始末…(そんな学校あんのか?)
…あぁ、私のスクールライフよ…
まぁ、マネでもバスケに関われるならいいかってことで、ちゃっかり満足している自分がいるんだけどね…ははは
「そろそろ二人も出てくるかなぁ?」
「あ、噂をすれば…っ!」
―――うおぅ!なんちゅうさわやかさ!
控え室から出て来たケントは、シャワーを浴びたのかいつもと違って見えた。
髪型や色が変わっただけだろうけど、何ていうか色気があって雰囲気が違うのだ。
(タカヒロ無視)
「うわぁ…カッコいい…」
「え?」
うっとり…
そんな声がしたかと思うと、あけみが頬を染めてうっとりとケント達を見つめているのだ。
―――ていうか、可愛い過ぎだろう!ぎゃー!抱きしめたいぃぃ‼
「私、そんな趣味ないからね」
「え!?バレてる?!」
あけみの可愛さに悶絶しているとグサリと釘を刺されてしまった。
―――あ、危ない…変な気おこすとこだった…てかあんなうっとりした顔見せられたら誰だってああなっちゃうって!
(そら、あんただけだろ)
「なぁ、今日もどっか寄って行くー?」
タカヒロの問いかけにあけみが応えるのを聞いていると、ケントに話しかけられた。
「どうした、真田?顔赤いぞ?」
「へ?あ、いや。あけみが可愛くてつい…」
「…お前、そんな趣味あったのか?」
「え?…ち、違うよ!」
つい思ったことをそのまま声に出してしまい、気付いた時にはすでに遅く、勘違いされてしまっていた。
「え?ゆみちゃんそーなの?」
しかも厄介なやつに…
「だから違うって!」
「いやいや、今や恋愛は性別をも超えるって言うしな!ゆみちゃん、俺は応援するぜ!!」
「人の話をきけぃ!!」
ボコッ!!
「ぐふっ…」
一人で盛り上がっているタカヒロに思わずグーで腹に一発いれてしまった。
自業自得だ。ふん!
「さっさと行こ!」
うずくまるタカヒロをおいて歩き出すとあけみとケントから
『ドンマイ』
と、冷たい慰めを受けるのであった。
「え、ちょ、ひどくねぇ?!ま、待ってよ~!」
かくして月日は流れるのであった。




