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エピローグ

「ストーップ!!」

「へ?」


そのあけみの制止の声に横を向くとやれやれと言わんばかりの顔で見つめてきた。


「いいところお邪魔して悪いんだけどー」


「そう思うなら邪魔するな」


それに対して悪態をつくケントを見上げる…見上げ……

「ぎゃー!け、ケント…は、恥ずかしっ!」

「いでっ!!」


あまりの近さとあけみの前だということに、激しく羞恥心を煽られ思わずケントを突き飛ばしていた。グーで………。


「あたしのゆみを奪ったんだからこれぐらいで済んだだけマシだと思いなさい」


不適に笑うあけみ様ですが、さすがに突き飛ばしたのは悪かったと思ってケントに近寄る。


「ごめんね、ケント!」


「いや、今のは逆によかった……理性飛びかけてたからな…」

「なに?」


「べ、別に!」


後半の方が聞こえなくて聞き返すと、真っ赤な顔でそっぽを向かれてしまった。

なんで?


「でもまーこれで一安心ね!今回は二人に大変ご迷惑をおかけしました!でもこれからも仲良くしてね!」


反省してるのかそうじゃないのか…そう言ってあけみが大げさに頭を下げるのでその場の空気がふっと和やかないつもの感じに戻っていた。


「当たり前だよ!」

「ま、本当に結果オーライだったしな!」


「ふふふ。ありがとう。じゃああたしは帰るわね!あとは二人でごゆっくりー!ばいばい」

『………』

---やられた。


せっかく和んだ空気がまた緊張に包まれ始めた…が、先ほどとは違ってくすぐったいような気恥ずかしいような、そんな緊張感であった。


しばらくあけみの後ろ姿を見送った後、

「送るよ…」

そのケントの一言で動き出した。

「…ありがとう」


「手。繋いでもいいか?」


「うん!」


差し伸べられたケントの手に自分のそれを重ねると、なんだか気恥ずかしくなってしまった。


「……っ!」


「ケント?」


ケントの反応が気になってちらりと見てみると顔をそらしているがなんだか硬直してしまっているような気がする。大丈夫だろうか?


「な、何でもねぇから、あんまこっち見んな…」


「な、何よそれ!人が心配してんのに…」


少しムッとした私は、ぷいと横を向いてやった。

お望み通り見てやらないわよ!ふん!


「…ゆみ」


「!」

それはいつもの私の耳に心地いい優しい声だった。

お互いの気持ちをしってしまったため今まで以上にときめいてしまうのは惚れた弱みというやつか(そうなのか?)

ケントがこっちを向いているので横目で見ていると




「…好きだ」


すごく近くで囁かれたと思った時には、頬に柔らかな感触が当たっていた。


「!」


すぐに離れたそこに急激に熱が集まっていくのが分かる。

振り向くとそこには、してやったりと言いたげなしたり顔があった。


「い、い、今ほ、ほっぺに!?」


驚きすぎて言葉が出てこない。


「口が良かったか?」


ニヤニヤと意地の悪い笑みを湛えるケントにお見舞いしてやった。

必殺グーパンチ!



「…この変態!」



fin.

これにて終了です。

最後まで読んでいただいてありがとうございます。

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