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ヒロインは早々にシナリオから離脱したい  作者: 朔島 涼
五章.滅びた街、進化

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43/65

43.地面陥没、元凶はシルヴィア

その後は、一体ずつ確実に仕留めていき、遂にダークホールの前まで辿り着く。


「【浄化】」


見慣れた光景が目の前に広がる。


「何だ、この感覚。」


オズワルドが眉を顰める。


「不思議な感情が流れ込んできますね。」


シルヴィアにも心当たりのない感情だ。


「ははっ、この感覚は私が最近よく感じる感情に似ているな。」


アーノルドはおかしそうに笑う。


「と、言う事は…。」

「妬み、か。」

「…。」


ノエルも無言で頷き同意する。そして自然と皆の視線はシルヴィアに集まった。全然笑えない。


「あー、私ちょっと見回りでもしてこようかなー。」


そう言いながら回れ右をして、地面に突き刺さったままのバトルアックスに手をかける。


「えっ?うわっ!」


しかし、それは持ち上がらなかった。何故ならば【重力増大】を解き忘れていたから。


ガラ…ガラガラ……。


「危ない!」


ガラガラ、ズズズズ…どしゃーん。


そしてバトルアックスが突き刺さっていた地面が崩れ落ちた。一番近くにいたエミリオが手を伸ばしてくれたが、引き上げられる事はなくふたり一緒に地下に引き摺り込まれる。何故ならば、バトルアックスが尋常じゃなく重かったから。シルヴィアは意外とおっちょこちょいである事が判明した。






「【聖魔術 聖火】」


シュポッ。


暗闇の中で光が灯り視界が開ける。


「巻き込んでしまって、申し訳ございません!」


目の前にいたシルヴィアが地面におでこをつける勢いで頭を下げていた。エミリオは驚くとともに笑い始める。


「あははは。いいよ、ふたりとも無事だったんだし。ヴィアが魔術で衝撃を抑えてくれたんでしょ?」


バトルアックスが重い事に気がついてすぐに魔術を解除したが、それはもう落ちた後だった。次の瞬間には逆に周囲の瓦礫もまとめて【重力減少】して、床に叩きつけられる衝撃を和らげ、瓦礫の下敷きになるのも回避したのだ。


「でもまあ、みんな心配してるだろうね。特にアーノルド。ふふふ…。」


こんな状況なのに笑ってくれるエミリオ。優しい。


「イレーネ殿下は無事に浄化出来たでしょうか?大分大きな音を立ててしまいましたし。」

「オズワルドが何か声をかけていたから大丈夫だと思うよ。」

「それなら良かったです。」


シルヴィアはホッと胸を撫で下ろす。これで浄化に失敗し、何か良くない事が起きたなら目も当てられない。


「さて、それじゃあ地上に戻る方法を探そうか。」


エミリオが立ち上がり、あたりを見回す。


「はい。」


ふたりが落ちてきたのは、地下室のようなところだった。いくらバトルアックスが重たいといっても何もない場所で地面の崩落は考えにくいので納得である。シルヴィアが瓦礫の下敷きになるのは避けたが、天井は完全に塞がれていて、通ってきた穴を上る事は出来なさそうだ。


「この扉は開くかな?」


エミリオが部屋に唯一ある扉に手をかけた。


ギギギギギィ…。


金属の錆びた音がするが何とか出られそうだ。扉の向こう側には真っ暗な廊下が続いていて、足が震えだしたシルヴィアはぴたりとエミリオにくっつく。


「ははっ、これは役得だな。」

「何言ってるんですか、こんな時に。」


シルヴィアの苦手なもの、水そして暗闇だ。怖い。


「大丈夫、私がついているよ。」


震えるシルヴィアの手をそっと握りしめるエミリオ。シルヴィアはその手を遠慮なく両手でぎゅっと握り締めた。


「なんか嬉しいような嬉しくないような。そしてちょっと痛い。」

「いいから早くここから出ましょう!」


意味の分からないことを言っているエミリオに、シルヴィアは涙目で訴えるのだった。

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