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ヒロインは早々にシナリオから離脱したい  作者: 朔島 涼
五章.滅びた街、進化

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42.新技完成、ただしシルヴィア

アンティカの街の入り口が見えてくると、馬車を停めて7人は外に出た。


「人が住んでいたとは思えないですね。」


遠くからでも建物が崩壊しているが分かる。


「街の周辺にもコボルトやゴブリンがウロウロしているな。」

「旅人や弱い冒険者を狙っているのだろう。」

「全部相手にしている暇はない。飛び掛かってきた個体だけ斬ろう。」

「分かりました!」


アンティカの街に真っ直ぐ走りながら、魔力を温存して武器だけで切り伏せていく。この7人を前にコボルトとゴブリン。スタンピードが起こったとしてもおそらく一瞬で鎮圧できるだろう。単純に走るのとほぼ変わらぬスピードでアンティカの入り口に到着した。



街の中は思ったほどの惨状ではなかった。街が乗っ取られたのが一年も前のためだろう。亡骸は既に白骨化されていて、血の跡なども風化しているようだった。人骨と思われる骨があちこちに散らばっているが、それも人の形をとどめていない。おそらく彼らにとっては食後のゴミなのだ。街を乗っ取ったのはそう、人喰いのオーガ。人がいなくなってから1年近く経っているが、魔物の肉片なども見られるため、ゴブリンやコボルトなどを捕まえて食べているのかもしれない。街に足を踏み入れた瞬間、視界に入るオーガ全てがシルヴィアたちの周りに集まり始めた。


「囲まれたな。」

「イレーネは中に。」

「焦らず目の前の敵に集中しましょう。」


一体一体の強さはそれほどでもないが、数が多いためなかなか前に進めない。久しぶりの人間が現れたとあっては、向こうも必死だ。ラヴィア火山と同じ陣形でゆっくりと押していく。今回シルヴィアは魔術に専念している。シルヴィアの力ではオーガの硬い皮膚を斬ることができなかった。エミリオとアーノルドだけが首を落としている。


「【風魔術 疾風乱刃】」


どしゅっ、どしゅ、どしゅっ、どしゅ…。一度に数体の首を落とすアーノルド。


「うん、後はアーノルド様に任せるとして。前は私も首を落とせたら……。」


ゴブリンやコボルトと違い、オーガがこの個体数で他の街に行けばまた同じことが起こる。ダークホールを浄化する前に、できるだけ数を減らしておきたい。


「そうだ!【土魔術 重力減少】」


シルヴィアは自身の身体に魔術をかけると、その場で高く飛び上がった。


「え?」

「は?」


ランドルフとオズワルドが驚いてシルヴィアを見上げる。


「【土魔術 重力増大】」


次は手にしていたバトルアックスに魔術をかける。


どっしーん。


「落ちた。」

「大丈夫なのか、あれ。」


土埃の中から現れたのは、オーガの首を見事に落とし、地面に突き刺さったバトルアックスを引き抜くシルヴィアの姿だった。


「1匹……か。次は回転してみましょう。【土魔術 重力増大】」


続けて正面のオーガの群れに魔術をかけて膝と手を地面に付かせる。


「【土魔術 重力減少】」


飛び上がる。


「【土魔術 重力増大】」


次は自分の身体ごと縦に回転し始めてから武器の重さを上げる。シルヴィアとバトルアックスが猛スピードで回転しながら落ちてくる…


どっかーん。


次に土埃の中から出てきたのは、膝をついていなかった個体も含む縦に5体ほど絶命したオーガ。


「だめだ。コレは……酔う。」


そして、地面に突き刺さったバトルアックスに倒れ込むシルヴィアの姿であった。シルヴィアの三半規管がダメージを受けた。


「……ああやって新技が出来上がるんだな。」

「そうだな。」


ランドルフとオズワルドは周囲に警戒を向けながらもシルヴィアの観察を続けた。

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