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ヒロインは早々にシナリオから離脱したい  作者: 朔島 涼
四章.海を越えたダークホール、恋愛パート

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31.スッドの小島上陸

翌朝、スッド海岸に到着した一行は、用意されていたボートに乗り込み、目撃情報のあった小島に向かった。


「海岸沿いではなく、沖の小島にダークホールがあったから港町にはあまり影響が少なかったんですね。」


ポンテの港町からスッド海岸は比較的近い位置にある。しかし、住民たちの様子からダークホールの被害はあまり受けていなさそうだったので不思議に思っていた。確かに以前よりは強い魔物が出現しているが、その数自体は比較的少ない。


「不幸中の幸いだな。しかし、これから被害が拡大しないとは言い切れない。しっかり浄化してこよう。」


エミリオの言葉に全員が頷く。


ボートは魔術式が組み込まれた魔道具で、魔力を流すだけで動くため、シルヴィアたちは簡単に小島に辿り着くことができた。途中、魔物が出てきたが、ダークホールの影響の少ない個体であれば、シルヴィアたちの敵では無い。魔術は使うことなく物理攻撃だけで簡単に斬り伏せた。まあ、魔道具のボートの上で魔術を使用するのはなかなかにリスクがあるため、使えかったとも言える。魔道具の魔術式を誤って書き換えてしまったり、ボートを燃やしたり壊したりする可能性もなくは無いのだ。


「さて、どうやって回ろうか…。」


小島に降り立ったエミリオはキョロキョロを周りを見回して立ち尽くす。今まで浄化してきた2か所は、討伐依頼の冒険者や騎士団からの情報で、ダークホールの位置はおおよそ分かっていたのだが、今回は船でたまたま通りかかった漁師の目撃情報のみのため、その位置情報は曖昧だ。


「魔物の数が多い方、魔物の強さが強い方に行けばいいですかね。」


船から降りたシルヴィアは先に降りたエミリオの隣に並び、話しかける。


「簡単に言ってくれるね。」


エミリオはシルヴィアの方をチラッと見て苦笑いを浮かべる。


「…私が先頭を行っても?」


数秒だけ考え込んでいたシルヴィアが提案する。


「頼む。」

「了解しました。」


シルヴィアは一歩前に出ると、しゃがみ込み地面に手のひらをつける。瞬間、白いローブがフワリと浮き上がり、手をついた地面が青く光る。


「【土魔術 測量】」


そう唱えると、光は瞬く間に広がっていき小島の地面を覆い尽くす。その光は数秒で徐々に弱くなっていき、シルヴィアが立ち上がると完全に消える。そして皆の方に振り返るとシルヴィアはニコリと笑った。


「島の南西に強い反応があります。北側から上陸したので、あっちですね。着いてきてください。」


そう言うなり、走り出す。一同は驚く暇も与えられず、シルヴィアの後を追う。


「ちょうど反対側なので、急ぎましょう。」


陣形はラヴィア火山の時と変わらず、エミリオが一歩ほど遅れて先頭に、その後ろにオズワルド、イレーネ、ランドルフが並び、最後尾はアーノルドとノエルが続く。


「土魔術便利すぎじゃ…。」


ランドルフはまた新しい魔術が出てきた事に驚愕する。


「まあ、ヴィアだしね。」

「さすがヴィアだね。」


エミリオとアーノルドはシルヴィアの魔術について深く考える事はない。


「もはや土魔術かどうかも怪しい…。」


オズワルドは疑い始める。


「でも闇雲に歩き回らなくてよかったわ。」

「うん、助かった。」


イレーネとノエルはその魔術による恩恵を素直に喜んでいる。皆がボソボソと小声で話しているのが耳に届き、シルヴィア苦笑いを浮かべながら先頭を走った。

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