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ヒロインは早々にシナリオから離脱したい  作者: 朔島 涼
二章.浄化の旅、ゲームスタート

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16.ダークホールは浄化できるのか

その後もヴェノムスパイダーの群れやヘルハウンドまで群れで出てきた。極め付けはダークホール目前のバジリスク。


「街のすぐ近くの森でこんな強い魔物が!しかも群れで!そして、この森には毒属性の魔物が多かったですね!」


ダークホール前まで傷ひとつなく全員を連れてこられた事でいつもよりテンションの高いシルヴィア。


「…。」

「…。」

「…。」


呆然と立ち尽くす3名の男。


「いやあ、そうだったのか。そんな事を考える時間もないくらい、気がついたら皆粉々だったな。はははは。」

「あははは、さすがヴィアだね。」

「何にも見えなかったけど、すごいわヴィア!」


笑い続けるエミリオとアーノルド、シルヴィア並みにテンションの高いイレーネで、現場は混乱している。


「いや、そんな事ないです。流石にバジリスクが群れで出てきたら、私1人ではどうにも…。」

「「ねえよ!」」

「ないかな。」

「ないと思うわ。」

「…。」

「あははは。」


総ツッコミをくらい、ノエルまで大きく頷いている。アーノルドはまだ笑い続ける。


「ははは。本当に空気のようだったでしょ?」


アーノルドが背後からシルヴィアの両肩にぽんっと手を乗せ、他のメンバーに向かってにこりと微笑む。


「「「「「魔物がね。」」」」」

「あははは。」


全員の声がそろう。


「ひとつ目の森クリア寸前で、やっとチームに団結力が生まれましたね。」


その光景にシルヴィアは目を輝かせる。まるで前世でプレイしたロールプレイングゲームのような展開だ。


「「違う!」」


ランドルフとオズワルドから思いっきり否定された。まあともかく、これくらいの魔物であれば瞬殺で突破できることが分かったので良かったと思う。戦闘要員が後4人もいるから、相当強い魔物が出てきても、イレーネを守れるだろう。


「【浄化】!」


イレーネがダークホールの浄化を試みる。中から、黒い泡のような物が溢れ出し、誰かの声のような音が聞こえてきた。


「何だか苦しそうですね…。」

「ああ。」


真っ黒だった玉は徐々に色が薄くなり、最後は真っ白になって砕け散った。その欠片は一度集まり、北東の方に飛んでいった。


「声も消えましたね。」

「そうだね。」

「一瞬だったな。色々と。」

「とにかく戻ろう。置いてきた従者や馬車も気になる。」

「日が落ちたらさすがに危険だしな。」

「…。」


ダークホールのなくなった森は、魔物もほとんど倒してしまったせいもあり、ものすごく静かだ。


「静かすぎて怖いですね。」

「お前が殲滅したからな。」


オズワルドだ。本当に人聞きが悪い。


「でも、ほっといたら襲って来てましたよ。」

「そうだな。」

「!」


同意の返事が返ってきた事にも、会話が成り立った事にも驚き、シルヴィアは目を丸くする。


「何だその、鳩が豆鉄砲を食ったような顔は。」

「そのままの意味ですよ。驚きを隠せない表情です。」

「俺はお前が足手纏いだと思っていた。訂正する。」

「え?」

「お前はバケモノだ。」


ちょっとでも喜んだ自分がバカだった。


「いや、いい意味で。」

「いい意味のバケモノって何ですか!聞いた事ないですよ。」


そう言いながらもシルヴィアは嬉しかった。『か、会話になっている。あのオズワルド様と…。』

しかし同時に、これ以上は決して好感度を上げてはいけないとも思う。オズワルド、この距離感が最適だ。

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