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ヒロインは早々にシナリオから離脱したい  作者: 朔島 涼
二章.浄化の旅、ゲームスタート

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13.はちゃめちゃ会議

「ヴィアの役割は?白魔術であれば、イレーネで十分じゃないのか?」


ランドルフがシルヴィアの存在に異議を申し立てる。シルヴィアもその通りだ!今からでも帯同キャンセルにしてくれ!という思いで、今までで1番大きく頷いた。


「ヴィアの役割は、言葉で説明するのは難しいが、絶対に役に立つ。それだけは約束できる。」


エミリオの力説に、シルヴィアは遠い目をしている。ああ、ダメだ…。


「分かった。」


ランドルフは渋い顔をしながらも頷いた。


「しかし、何を得意とするかによってこちらも動き方が変わる。使う武器と魔術くらい教えてもらっても?」


今度はオズワルドだ。彼の武器と魔術は攻撃範囲が広いため、味方の動き方は把握しておきたいのであろう。エミリオがシルヴィアに向かって頷いたのを確認してから口を開く。


「今回はバトルアックスとメインに、念のため弓とファルシオンも持ってきています。得意な攻撃魔術は…分類するのであれば土魔術かと。」

「「は?」」


ランドルフとオズワルドは目を見開いてシルヴィアを見た。


「あはははは。」


重たい空気の中、アーノルドの愉快そうな笑い声が響いた。


「ふふ、面白いね。言葉にすると本当に厄介だ。まあ、メインの武器だけでも分かったからいいんじゃない。とりあえず接近戦するって事かな?」


エミリオは笑いながらシルヴィアに確認する。


「それは、戦況に応じて何とでも。あ、でも私の事は本当にお気になさらず。躊躇なく攻撃していただいて大丈夫です。」

「どういう事だ。」

「囮にしていいって事か?」

「囮になれるようならしていただいても大丈夫です。」


シルヴィアが話せば話すほど2人の頭の中にはハテナが広がっていく。


「さっぱり意味がわらないな。」

「エミリオとアーノルドは何故疑問に思わない?」


オズワルドはもっともな疑問を投げかけた。


「私たちはヴィアが戦うところを実際に見た事があるからね。」

「「え?」」


ランドルフとオズワルドは驚きを隠せない。


「私が見た時はファルシオンを使っていたよ。」

「私が一緒に戦った時はバトルアックスと弓だった。」


アーノルドとエミリオは楽しそうに会話を続ける。


「実に爽快な戦いっぷりだったよ。」

「流石、アーノルドだな。私は目で追うのがやっとだった。」

「…。」


最早誰も口を挟まない。シルヴィアは笑顔であるが、冷や汗が止まらない。プロフェッショナルたちの前でそんな事は言わないで欲しい。コロコロ武器を変えているなんて恥ずかし過ぎる。


「何故、武器を変えるの?」


ついに触れてはいけない質問が来てしまった。ちなみに発言者はノエルである。記念すべき初の会話だ。出発早々にサブミッションをクリア。そして、念願の『ノエル殿下の御声』は高めのハスキーボイスで耳が幸せすぎてゾクゾクする。『何故、武器を変えるの?』この台詞だけでもいいから、何かにダウンロードさせて欲しい。頭の中では歓喜の雄叫びを上げているが、必死に平静を装う。


「採取目的の素材に合わせて変えています。木の皮が必要であればバトルアックス、木の実が必要であれば弓、動物性のものが欲しければファルシオンという風に。あ、ファルシオンであればそのまま捌きやすいので。」


シルヴィアはノエルの声に操られるように口を開いた。ちなみに当たり前のことなので言及しなかったが、対人と薬草の採取用にダガーは必ず持ち歩いている。オズワルドとランドルフはドン引きである。ノエルも聞かなきゃよかったという顔をしている。エミリオとアーノルドは笑い続けており、イレーネまで笑いを堪え始め収拾がつかなくなったので、初のミーティングはここでお開きとなった。

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