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ヒロインは早々にシナリオから離脱したい  作者: 朔島 涼
二章.浄化の旅、ゲームスタート

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11.優しい空間

「ダメだよ、オズワルド。女の子には優しくしないと。」


アーノルドが優しく救い出してくれて、旅のメンバー用の馬車にエスコートしてくれる。薬草の採取などで辻馬車に乗る事もあるため、王宮の馬車であれば使用人用のものでもかなり乗り心地は良さそうだ。シルヴィア的には別にどちらでも構わなかったが、アーノルドの優しさは素直に嬉しい。


「…すみません。」


オズワルドが素直に謝ったのには驚いたが、シルヴィアの方には見向きもせず、もう一台用意されているメンバー用の馬車に乗り込んだ。アーノルドは苦笑いをしている。


「すまない。悪気はないと信じたいが、彼なりに殿下たちに配慮したんだと思う。」


そう言いながら、アーノルドもシルヴィアと同じ馬車に乗り込み隣に座る。


「いえ、私の身分を考えれば当然の事です。殿下たちと同じ馬車に乗る事は本来許されません。」


シルヴィアは眉を下げて笑う。


「そんな事はないわ。わたくしはヴィアと一緒がいいもの。」

「私もこちらに乗らせてもらおう。」


イレーネと、エミリオが続けて馬車に乗り込み、シルヴィアの向かいの席に座る。


結局、シルヴィア、アーノルド、イレーネ、エミリオの4人で一台、オズワルド、ランドルフ、ノエルの3人でもう一台に乗り込み、馬車は無事に出発した。


ノエルに至っては声を聞く事も叶わなかった。彼は公式の隠れキャラであり、他のキャラを全攻略した後に現れる人物である。銀糸の髪にアイスブルーの瞳を持つ彼は氷の皇子様の異名を持ち、その容姿は『ロズ恋』イチの美形と評されている。ランドルフを攻略しなかった私にとっては、ゲーム内で出会うことさえ叶わなかった伝説の人だ。立ち絵は公表されていたが、声は全攻略した人だけの特典となっており、前世ではその声を聞く事もできなかった。前世で好きだった声優さんがCVを担当していたため、今世では是非ともその御声を拝聴したい。


『メインミッションは全てのダークホールの浄化。

サブミッションはノエル殿下の御声を聞く事。』


シルヴィアはこの旅に別の意味を持たせる事にした。


「うん、これでいこう。」

「どれでいくの?」


気がつくと隣に座っているアーノルドの顔が目の前にあり、シュパパパッと後ずさる。しかし、馬車内では悲しい事にそれほど距離を取れなかった。急にそんな至近距離で話しかけられたら、心臓が推し潰される。そして、こちらも声が良い。


「ん?」

「…すみません、考え事をしていて。声に出てしまいました。」

「そうなんだ。それで、何を考えていたの?」


笑顔で詰めてくるアーノルド、ちょっと怖い。心臓が経験したこともないほど物凄い速さで鼓動を打つ。


「いえ、ノエル殿下のお声を聞くことが出来なかったので、旅が終わるまでにはお話できるかな?と思いまして。」


変に思われない程度に、何とか推し心を隠して説明する。


「ああ、ノエルは無口だからね。仲良くなれば、そのうち話に入ってくるんじゃないかな?」

「ふふ、ヴィアは可愛いわね。そんな事を気にしていたの?きっと大丈夫。みんなすぐに仲良くなれるわ。」

「はい、ありがとうございます!」


エミリオとイレーネも優し過ぎる。優しい馬車内に感動しながら、シルヴィアは冒険への一歩を踏み出したのであった。

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