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国の始まり

初投稿です。

文章に拙いところがあると存じますがそこは指摘していただけるとありがたいです。

楽しんでいただければ幸いです。


アナスタシアは急いで詠唱をした。

光の精霊王召喚だ。

指先が強く発光する。

「間に合えっ…………!」






かつてこの星を創った、火、水、氷、土、風、雷、結界、光、闇の九つの精霊王がいる。九つのうち、七つは「人間」を作る際、生がより豊かになりますようにと願いを込め、祝福__魔術を授けた。祝福は世代間で継承され今の今まで受け継がれてきている。

やがて魔術を携えた人々は王となり貴族となり、王国を築いた。

その最初の王国が……ルビールカルト王国である。


『水廉の魔術師 アナスタシア・ラ・モニーク』

世界で唯一の光魔法の使い手で最大魔力量が世界一の天才である。

その素顔は妖術に隠されていて、限られたものにしか素顔を見せることがないという。



時は現代。国の権力者の多くが生まれてきたグリーンレイト家の庭に1人の美少女が隠れていた。

シルバーブルーの髪に、アクアオーラを連想させる美しい瞳。

髪にはグリーントルマリンが埋め込まれた緑のリボンを結付けた、桃色の薔薇の髪留めが飾られている。

ご令嬢が好んで着るレヴィーナ・トルフェリーシェのスカイブルーのドレスの上に、ライトベージュを基調とし、肩にはアイスブルーのリボンが編み込まれたローブを羽織っている。

彼女が動く度にローブの裾にされた最高魔術師の紋の刺繍が陽の光に照らされてきらきらと輝いていた。

このローブは最高魔術師しか身につけられない長い丈のものだ。

彼女はアナスタシア・ラ・モニーク。

この国の魔術師の最たる最高魔術師団の第一最高魔術師である。

アナスタシアはガサガサと草をかき分け庭のいつもの場所に着いた。

彼女の視線の先には土魔術の実験をしているライル・グリーンレイトがいた。

彼はアナスタシアの婚約者であり最高魔術師団の第二最高魔術師だ。

ライルの歌う様な詠唱と共に魔力の込められた土が宙に浮かぶ。浮かんだ土は線を描きグリーンレイト邸を包んだ。

この魔力を込めた土を広範囲に広げ音を拾い、情報収集をする魔術だ。

その魔術を、まじまじと見ていたアナスタシアは耐えきれなくなったように頬を紅潮させ早口で喋りだした。

「ぐぁっ………まじ、とうとい。ライルやばい……。あたしの婚約者スパダリすぎ?愛してる……。優しい性格だけでも大優勝なのに最高魔術師とかハイスペックがすぎるよ?!はぁ、今日もすき……。」

第一最高魔術師である彼女はただの婚約者のストーカーであった。

世ではファンも多くミステリアスな魔術師として定評があるが微塵もミステリアスでは無い。ミステリアスの欠片も無い。

横に控えていた侍女が顔を顰めてアナスタシアに声をかけた。

「アナスタシア様、口調が崩れていますよ。あとローブは引きずらない。あと2時間で陛下に謁見するんですよ?そんな格好じゃ陛下の前に出るだなんてとてもできません。」

彼女はアナスタシアの専属侍女、ラシア・リナツァ。金髪にコバルトブルーの瞳を持つ、侍女にしておくにはもったいないくらいの美しい女性だ。

「陛下もお人が悪い!あたしの至福の時間を奪うだなんて!ライルを眺める時間があってこそ最高魔術師の仕事が頑張れるって言うのに。」

アナスタシアは白い頬を膨らませて不満そうに呟いた。

アナスタシア曰く自分にとって朝、夜のライルとの食事とストーキングが唯一の癒しであるらしい。

「せっかくストーキングしやすいように光の屈折の角度変えて顔見えなくしたのに。頻繁に呼び出されるようじゃ意味ないよー。」

世間では顔を隠してるのは本当は女では無いからだの、顔に大きな火傷があるからだの、色々言われているが全てはストーキングしやすくするためである。真相は実に呆気ない。

「さあさ、アナスタシア様。王宮へ行きましょう。早く出発しないと間に合いませんよ。」

ラシアはしゃがんで茂みに隠れるようにアナスタシアの手を引いて馬車へと向かっていった。

その後ろ姿はまるで花の精のように美しく見とれるほどだったと言う。(庭師談)


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