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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

逆ハーレムヒロイン♡共有問題解決法

よろしくお願いします!!(´∀`*)

「公爵令嬢!貴様との婚約を破棄する!

 私はこのラナリアを我が妃とするのだ!!」


 学園の卒業パーティー、王子は叫んだ。

 王子の後ろには仲間の男子たち。

 そして隣にはピンク頭のラナリア・ピンクヘッドがへばりついている。


 お約束通り平民上がりの男爵令嬢ラナリアは学園で王子に出会い、側近含めて多くの男子に「公爵令嬢さまにいびられてるんですぅ〜」と泣きつきたらしこんだのだった。見事な手腕であった。


 その結果が卒業パーティーでの婚約破棄である。


「はあ…。婚約破棄ですか。構いませんけどずっと疑問に思っていたことがありまして…お尋ねしても?」

 ざわめく観客をよそに公爵令嬢は静かに答えた。

 取り巻きたちは騒いだ。

「何を!ラナリアをいじめておいて!」

「いけ図々しい!」

「や、やめてみんな…!わたし、謝ってくれたらそれで…」

 騒ぐ側近とラナリア。対して王子はー…

「ふむ。なんだ」

 普通に聞いた。

「はい、ラナリア様は多くの男性を虜にしておりますわね。殿下お一人のものとなって皆様納得されますの?」

「そんなっ…!私、そんなつもりじゃっ…!!」

「ラナリアを悪く言うな!」

「我々はラナリアが幸せならよいのだ!」

 再び騒ぐヒロインと取り巻き。しかし王子は…


「いや安心せよ。皆で愛せばよいのだ」

「えっ!?」

「なんと…よろしいので?」

「殿下のお心の広さよ…」


 公爵令嬢は首を傾げた。

「あらでもそれでは生まれてくる子が誰の種かわかりませんでしょ。それにラナリア様お一人で全員のお相手をされますの?お身体が心配になりますわ」


「だから安心せよと言っている。見よ」


 王子が一振りの剣を掲げた。


「神宝〈ビスケットの剣〉である。いざ!!」


 バシュッ!!


「ぎゃーーーーーーー!!!!!」


 王子がラナリアを一刀両断!ラナリアは上半身と下半身がおさらばした!!そして!!


 むくむくむくむくーーーーーっ!!!


 ラナリアの断片がむくむくともりあがり…


 そこには二人のラナリアが!!


「再生した!?」

「ていうか増えた!!?」

「「わ、私がいるーーー!!??」」


「神宝〈ビスケットの剣〉。

 これは切った物を増やす力がある。

 伝承にいわく、ポケットをたたくものあり。ポケットにはビスケットあり。たたけば二つとなりもひとつ叩けば三つとなるー…。

 これでラナリアを増やせばいいのだ。一人(ひとり)(いち)ラナリアである。安心せよ」


「なるほど」

 公爵令嬢はうなずいた。


「「なるほどじゃないわよ!!」」


 怒るラナリア。それはそうである。

「何か問題が?」

 尋ねる王子。

「「問題しかないわよ!!」」

「そうですよ!!」

「何が?」

 何がじゃないが。ケンケンする中宰相子息がわりこんだ。

「希少価値が損なわれます!!」


「「「「は?」」」」


「希少価値です!皆が欲しがる物を一人で持ってるからいいんです!!増えたらそこらの石ころとかわりません!!」


 熱弁を振るうのは取り巻きの宰相子息である。

 皆はそらそうかもしんないけどなんか違くねえかと思っていた。王子を除いて。

 王子は怒っていた!!


「なに!!?貴様は増えたラナリアに価値がないと申すか!!ラナリアの本質は何ら変わらぬ!!

 貴様は新たな鉱山が見つかれば己の持つ鉱山の価値が損なわれるとでも!?収穫が増えれば貯蔵した食物の価値が損なわれるとでも!?

 国力の増加より国民の生活向上よりも己が利を是とするか!!」


「そ、そういうことでは…っ。いや食物といわれると相場とか…

 いやちがくて!そう!貴重な宝石などは違うではないですか!!そうだ国宝のルーデシアダイアモンドはどうです!

 あの大きさ、あの品質、ただ一つしかないからこそ貴重なのでしょう!!」

「なんだお前あんなものが欲しいのか。増やすか?」

「えっ」

「殿下は宝石興味ないですものねえ」と、公爵令嬢。

「うむ。石だし。ラナリアは人間だからな。素晴らしい。良いものは広く世に知らしめたいのだ。なんなら一家に一人配るか」

「わかりますわ。私も友人に好きな本を読んで欲しくてお送りしましたもの。感想言い合うのが楽しくて」

「そうであろう、そうであろう」

 うなずく公爵令嬢に満足げな王子。

 しかし宰相子息諦めない!


「し、しかしですね!王子妃があちこちにいるのはどうかと!!王室の権威が失われるのではありませんか!!」

「何を言う。貴様はあちこちの神殿に置かれた神像に敬意を払わんのか」

「いやなんかそーいうこっちゃなくってですね…!!」

「極論皆が欲しい物を手にしていれば争いなどおこらんのだ。

 ラナリアが多くいればその素晴らしさにみんなにこにこ、心ほっこり、国民の幸福度は爆上がりであろう。また王子妃がそこら中にいれば治安の向上も見込めよう」

「あら殿下、学園はラナリア様のために男女で揉めまくりでしたわよ。みんなにこにこになりますかしら」

「ふむ。では他国に撒くのもよいかもしれぬ。ラナリアの人心掌握術はすごいからな。いくらか不和を起こしてくれるやも」

「そらまあ同じ顔の人間が大量に流入すれば不和というかなんかわかんない問題にはなりましょうけど」

「まあ国内に限って言えば王子妃を無下に扱うものなどいまい。学園が揉めたのはラナリアの身分の低さゆえである」

 

 ちげえよと皆思った。公爵令嬢以外。

「なるほど。ですが殿下、一家に一人と申しましてもそれぞれ家庭もありましょう?

 側近の方々にも婚約者がいるではないですか。そちらはどうしますの?」

 女たちはうんうんと首を縦振りした。

 婚約者を奪われ、かねてより腹に据えかねていた彼女たちだが、ここに至ってあれっそしたら私らどうなんの!?集団であぶれんの!?となっていたのだ。


「婚約は家と家との繋がりもあろう。そのままでよいのではないか。大体皆が皆ラナリアの子供となれば次代の婚姻が困難となる。ラナリアを愛すのはそれはそれとして別に嫡子たりうる子を作るべきであろう」


 皆勘弁してくれと思っていた。

 女たちは勿論だが、男たちももうなんかやだった。

 公爵令嬢以外は。


「なるほど…。殿下のご深慮、感服いたしました」

「はっはっは。そうであろそうであろう」

 ご満悦の王子。

「では殿下、私にも三人ほどいただけます?殿下からの婚約破棄ですので慰謝料として」


 もうなんだこれとなっていた側近たちもこれには反応した。

「なっ!更にラナリアをいじめるつもりか!」

「一家に一人と言っておられただろう!」

「慰謝料とは図々しい!婚約破棄されるのは貴様がいじめなどと悪事を働くからであろう!」


 しかし王子は

「おお、お前もラナリアが好きか?」

「ええ、とても。

 ちょっといじめると泣いたり怒ったり楽しくて。

 私たちの周囲にいるものは使用人にいたるまで教育を受けておりますから、何をしても耐えるばかりで。ラナリア様は素晴らしいですわ」

「そうであろうそうであろう!!」


 にこにこの王子。さっきからこの二人仲良しである。もう付き合っちゃえよ。付き合ってたんだけど。ていうか婚約してたんだけど。ラナリアはそう思った。そして私を逃がしてくれ!


「しかしやはりあの嫌がらせは私を愛するゆえ嫉妬してということではなかったのだな。皆がそう言うので首を傾げておったのだ」

「そうですわね。だって殿下昔からどうかしてるんですもの」

「はははこいつめ」


 なんだこれであった。

 宰相子息もなんだこれであったがハッとした。


「し、しかし殿下!ではなぜ婚約を…?家と家のつながりというなら公爵令嬢をめとるべきでは?」


「つくづく不敬であるなお前は。婚家に左右される立場か私が。この剣があるのに。収穫も戦力も思いのままだぞ。ああ言ってなかったか、これ名前書いたものしか使えんから私にしか使えんのだ」


 よく見れば神宝にはマジックで名前が書いてあった。ださい。


「婚約の解消はあれだ。最近の研究であまりに血が近い婚姻はよろしくないということがわかってな。いとこ同士だがそれ以前にも血を重ねすぎているのでなあ。ちょっと」

「わりと妥当」「そこだけ」

 ざわざわする皆。

 宰相子息はしかしまだ…

「け、けれど、先ほど婚約の解消ではなく破棄とおっしゃったのは…?」


 王子はふいに不機嫌そうに上を見た。


「……先日の茶会。最後に残った私の好きな菓子を食べられたのでな。つい」

「あら、それはすいません」


 それこそ増やしとけ!!二人を除く全員がそう思ったのであった。



 ——さてずいぶん後のこと、増殖したラナリアの反乱によりこの国はピンクヘッド・トライブに支配され、世界に混乱を撒くのだが——……


 それはまだ見ぬ、未来の話であった。

ありがとうございました!!(´∀`*)

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― 新着の感想 ―
ヒロインちゃんの名前が〇イバインじゃなくてよかった!(よくねーよ!)
このビスケットの剣があれば「お姉さまだけずるいの!」が口癖の欲しがり妹にもドレスや宝石を分け与えることができますね。 道具は正しく使わなきゃだめですよってお話でした(((uдu*)ゥンゥン
プラナリアとビスケット~っ! 混ぜるな危険。 プラナリアも切りすぎると再生すると両方頭、とかあった気がする~。こわい~。双頭のラナリア~。子供泣く~。 でもプラナリアの解剖はやってみたかったなあ。 …
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