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第一話

あの日、多くの人が死んだ。

ボクの家族も…

そして、ボク自身も死にかけた。

紅蓮の業火は人や建物を焼やいた。、

ボクは腐敗臭と人が焼ける臭いに胃の中の物を吐き出した。


「誰も…いないの?」

ボクは地獄に一人取り残された気分だった…

だから…


探して歩いた。


生存者を…


生きている人を…

けれど居なかった。

深い絶望にさいなまれ、暗黒に呑まれていった…






気がつくと、テントの中だった。

「やあ、気分はどうかな?」

「………」

迷彩柄の服を着た、金髪の女の人がテントに入ってきて、ボクのいるベッドの隣に置かれた丸椅子に腰をかけた。

「私の名前は、アメリアよ。よろしくね。」

そう言って、右手を出してきた。

「………」

「どうしたの!?ドコか痛いの?」

ボクは、知らず知らずの内に泣いていた。

止めようとしても止まらない。涙がふれ出てくる。

ボクは、声を上げて泣いた。冷静になってやっと理解した。ボクは、この世界に一人なんだと…


「大丈夫…大丈夫だから。今はゆっくり休むのよ」

アメリアは、ボクを抱き寄せて泣き止むまで抱き締めてくれていた。

「ひさ…」

「え、なに?」

「武内…喜孝…ボクの名前」

「喜久か!

いい名前だな、凛々しい男の子にピッタリだ。」

「へへ…」

それから色々な事を話した。

家族のこと、友達のこと、好きなこと…

大抵たわいもない話だがアメリアは真剣に聞いてくれた。

アメリアと初めて合ってから、三週間の時がたった。

その頃には、ケガも完全に治っていた。

「さて、よい子はもう寝る時間だ。お休み喜孝」

「うん」

何時ものようにテントから出て行ったアメリアを見送りランプを消した。





真夜中に目が覚めたボクは外に出た。

勿論、トイレのために。


テントに戻る途中に話し声が聞こえてきた。

物陰からそっと覗くとアメリアともう一人女の人が居た。


「そろそろ、施設に送ってもいい頃なんじゃないかアメリア?」

「………」

「何時までもこうしては居られないんだ…わかるだろ?」

「………」

「まあ、早めの決断をお勧めするよ。それじゃあ」

「………」

微かにアメリアの肩が震えていた。





「あのさ…アメリア…」

「なあに喜孝?」

次の日の夜、アメリアがいつものようにやって来た。

ボクは考えたすえ単刀直入に

「施設ってどんなとこなの?」

っときいた。

アメリアは凄く驚いた顔をしていた。

「なっ…なにを言っているの喜孝?」

「昨日、施設に入れるって話を聞いたんだ…

本当なの?」

「えぇ…本当よ。

でもね、それは身寄りがなかった場合の話。

それでね。

今日、君を引き取りたいと言ってきた人が1人居たの…

誰だと思う?」

「………」

「…君の叔母さん、斎藤有香さんよ」


…………

………

……

やけに懐かしい夢を見たな…


「ほら、起きなさい喜孝。」

ドアを三回ノックし、メイド服姿のアメリアが入ってくる。

「返事してから入って来てって言っているだろ、アメリア!」

「まったく、男のくせにケツの穴がちっちゃいんだから…」

「いや、ケツの穴関係ないし!

当然のことだからね!!」

「わかったわよ…

それより、朝食の準備が出来たから呼びに来たのよ。

あ、それとも食べないの?」

「食べるって!着替えるから出て行ってくれよ!」「手伝うわよ、私気にしないし。

一緒にお風呂に入った仲じゃないの!」

「人様が聞いたらびっくりするようなこと言うな!

たく、恥ずかしい事言ってないで、早くメリサを手伝って来たらいいじゃないか!

おわ!!」

いきなり突き飛ばされ、よろめきベットに倒れた。

アメリアはすかさず腹の上に乗てくる。

「はーい、ぬぎぬぎましょうね〜」

手をわきわきしながら脱がす気満々のアメリア。

「うわぁー犯される!!」

「ふふふ、良いではないか良いではないか…」

「いや、なんか色々間違ってる!

てか、そんな台詞ドコで覚えたんだよ!」

「ジャパニーズ時代劇よ♪」

「あのな…」

「ぬほほ…ぬしも悪よのお…

いえいえ、お代官様ほどでは…

ふほほほ…

Ha-ha-Ha-ha-!!!!!」

「いや、Ha-ha-なんて言わないからね!」

「堅いこと言うなよ。」

「そんな事より、俺の上から下りてくれないか、いらん誤解を招きそうだ。」

「別に、私はおおいに結構だが?」

「なにが結構だよ。

って!?

どさくさに紛れてなに脱がしてんだよ!」

「大丈夫、優しくしてやるから。」

「なにが優しくなんだよ!」

「失礼しま…」

「………」

「………」

「…お邪魔しました。」

「わー!誤解だメリサ!!」

「はははは!」




「遅い!

いつまで待たせるつもりだ喜孝」

「すみません、有香さん遅くなりました。」

「まあ、仲がいいに越したことはないが時間は守るように!」

「はい…」

「それと、明日から学校だから…

今日中に教材を取りに来ること。」

「それはいったいどういう…」

「だから、私の学校に君が合格したの」

「いや、受けた覚えがないんだけど…」

「1ヶ月前に渡したマークシートがあっただろ?あれだよ。

まあ、まさか満点で通過するとは思わなかったけどな。」


確かにやった覚えがあるけど…それより。

「それより、1ヶ月前の約束はどうしたんだよ。」

「…何の話?」

「それ!それだよ有香さんの今くわえている物だよ!

先月で止めるって言ってたよねタバコ止めるって!」

「…記憶に、誤差居ません。」

「下手な議員みたいな事言ってんじゃねぇよ!」

「たく、ケツの穴の小さい男だね…」

不機嫌な顔で吐き捨てる。

「また、また言われたよ!

今日二回目だよ!!」

「このぶんじゃ…

まだあっちの毛が生え揃ってないか、もしくは…○○○か○○か○○だろ?」

「朝から、下責めは止めてくれ…」

「失礼します。朝食をお持ちしました。」

そうこうしているた内に、ドアがノックされアメリアとメリサの二人が朝食を持って現れた。




朝食を終えると、車に押し込まれ学校に連れて行かれた。

先程、豪華な門をくぐって30分が経っている。

目に映るものといったら、青々と茂った森だけ

「まだ、着かないんですか?」

「もう少しだ。

そう言えば、喜孝お前は剣階もしくは魔階は幾つぐらいなんだ?」

「…何ですかそれ?」

「もしかして、計ったことがないのか?」

「えぇ…」

「そうか、なら今日計ておこう。どうせこっちに帰ってきて暇だろ?」

「まあ暇ですね。」

「なら決まりだな。」

懐から、携帯を取り出す。

「私だ、今日計る事は可能か?

…わかった、じゃあ一時。」

「」


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