死神と白い部屋
登場人物
男(後、名前記入)
現世で自殺をした人間。
女(後、名前記入)
女曰く“死神”。
白い部屋と死神 1
白い、正方形の部屋。
広くもない。狭くもない。
明かりなんてないのに、明るい。
白が俺の目を刺激した。
────ここは・・・?
瞼を綴じていたせいで白が目を刺激して痛い
─何で俺は此処に居る・・・?
見覚えなのない部屋だった。
俺は体を起こした。
家具も何も置かれていなかった。
『目が覚メた?』
背後から声がした。
俺は驚き後ろを振り替える。
・・
何も居なかった
「何だってんだよ…」
頭がおかしくなっちまったのか、はたまた耳がおかしくなっちまったのか。
どっちにしろ如何だって良い
そう考えた瞬間、思い出した。
後ろを振り替えったまま此の部屋に居る前の事を思い出した。
そうだ俺は…
そうか。ここは──
『''死後ノ世界,,なンかじゃナいヨ?』
今度は前から声がした。
俺はすぐ前を向いた
「っ?!」
振り向いた瞬間目があった。
片目を隠した瞳の大きい目と。
余りの近さに体をのけぞった。
『人間の想像力ッて凄イね。』
少し声調がおかしい女だった。
ピンク色の髪にエメラルドグリーンのグラデーションにツインテールをして、右側の前髪が長い。
服装はピンクと所々にやはりエメラルドグリーンが入ったロリータ服だった。ぶっちゃけ目が痛い。
『貴方ガ何故ここニ居るカ解ル?』
女は問うた。
「俺が、自殺したからじゃないのか。」
『半分正解、カな?』
「…?」
俺は眉をひそめた。
此の女、頭大丈夫か。否、俺も大概か。
『此処ハ自ら命ヲ絶ッた者ガ来るとコ、此処まデはあってルよ。』
一つ間をあけて可笑しそうに嗤う。
『でモ、其れデは満点ハ貰えナいなァ...
人間っテ、想像力ハ凄いノに答エ方に捻りガナいヨね?ナんで?』
いや知るか。何なんだよ此の頭おかしい女は。
「俺は死んだんじゃねぇのか。」
『さァ?其れハ神ノみゾ知るっテ、ね』
「何だ其れ。意味違うぞ其れ絶対」
『否々。合ってイるヨ?』
「は....?」
何言ってんだマジでコイツ。
袖で口許を隠し嗤いこう言った。
『僕ハ死神だカら』
*
は?マジでコイツ頭大丈夫か。精神科行った方が良いんじゃねぇの。厨二病のごっこ遊びには付き合いたくねぇんだけど。
『貴方、さっキかラ、失礼。別ニ僕頭おかシくないヨ。』
女は頬を膨らませ俺に顔を近づける。
いやいや如何考えても頭おかしいだろ、口調と云い、声調と云い、服装だっ………
今、こいつ…
『云ったデしョウ?僕ハ死神、死ンだ人間ノ心グらい読めルんダよ?』
神だからねと嗤った。
背筋が凍る思いだった。冷や汗が止まらない。
神だ?ふざけんなよ…つか、俺、本当に死んだんだな……良かった
『良かっタ?何故?生きルの愉しクなイ?』
「楽しくねぇ。楽しくなんかねぇよ、辛ぇ事ばっかだった。」
『そっカ』
死神とやらは哀しそうな顔をした。
その顔が妙に誰かに似ていた気がした。誰かに。思い出そうとすると霧が掛かったみてぇに邪魔する。
『如何しテ愉しクなかッた?』
「何でも良いだろ。つか何なんだよここ。」
ぶっきらぼうに答える俺に残念そうな顔をした。
『…此処ハ君が地獄行きカ、天国行きか奈落行きカ決めルるとコだヨ。』
『僕はそノ審査員みたイな者。』
「死神にも色々種類あるんだな。命狩るだけだって思ってた」
もしかしてこいつ死神の中で一番下っぱか?
『なッ?!失礼!貴方トても失礼!』
顔を真っ赤にして怒った。
もしかして図星?
『図星ジゃナい!僕死神の中でモ幹部ノ一人!』
「じゃあなんで俺みたいな落ちこぼれの審査員なんて任されてんだ?幹部サンよ。」
『色々事情ガあるンだよ。』
素っ気なく答える死神。押し付けられたんかこいつ。
『さっキかラ貴方本当ニ失礼ダし、煩イよ。もっト頭のナか静カに出来ナいの』
呆れながらそう言う死神にイラッとする
「うるせぇよ、なら読むんじゃねぇよ勝手に人の心ん中をよ」
『仕方無いンだ。此れハ決マり事。』
「気持ち悪い決まり事だな。趣味のわりぃ」
『何トでも言っテくれテ構ワないヨ。』
冷たい目だった。
『貴方ハもウ少シ眠っテいタ方が良イ』
そう言って死神の手が俺の顔を覆う。
『─''おやすみ。君が目覚める時地獄の始まりだ,,』
俺は、強い眠気に意識を暗闇の中に引き摺り混まれた。
『ごめんネ。***君』
死神の姿は落ちる涙と共に地面に消えたのだった。
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