5/6
05 護衛の少女の心境
私の役目は彼女を守る事。
聖女の護衛をしっかりと行わなければならない。
異世界に転移した私達は、しばらくの間は調子にのっていた。
強力な力で敵をなぎ倒してばかりだったから、出来ない事などないと思い上がっていた。
けれど、ある日突然仲間割れが起きて、私達の心はバラバラになってしまった。
無事でいるのは、私を含めた数名だけだ。
他の者達は、もう。
だけど、嘆いてはいられない。
たとえ無理やり連れて来られたのだとしても、この世界の人達全てを見捨てるなんてことはできなかった。
決意した私達は、戦いの腕を磨いて、とうとう聖女様の護衛を任されるまでになった。
だから、この大事な戦いで、彼女をしっかり守り通すつもだった。
それなのに、魔王軍の勢いが予想以上に強い。
もしかしたら、私達は勝てるはずのない戦いをしていたのかもしれない。
押し寄せる敵の姿をみて、絶望感に打ちひしがれる私達だったが、そんな私達を庇うように一人の少年が現れた。
ああ、彼は生きていたのだ。