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02 元奴隷の心境
私のご主人様はとっても優しい人です。
復讐鬼だと言いはってますが、その設定を自称するには若干無理があります。
先日も、「くらすめいと」さんと再会されて馬鹿にされたみたいですけど、奴隷として虐げられていた私を助けるために、復讐を我慢してくれました。
獣人の奴隷は高値で売れます。
家族を貧困から魔折る為に、奴隷商人に売られてしまた私を自由にするには、多額のお金が必要でした。
だから、町に新しくできたダンジョンで、お金を工面しようとしていたご主人様は、「くらすめいと」に何もしませんでした。
たぶん、騒ぎをおこして冒険者の資格をはく奪されるのを恐れたのです。
私など放っておいて、目的を遂げて下さればよかったのに。
ご主人様は「くらすめいと」さん達に馬鹿にされながらも、ダンジョンに潜って、苦労して財宝を見つけてくれました。
私の命はご主人様のものです。
「自由になれるのに」って言ってくれましたが、どこまでもついて行きます。
これから一生懸命役に立てるように頑張らないと。