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幻影の花を避けた先

 転移中。あれだ、え~っと。


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 こんな感じのやつ。なんかそんな感じ。わかる?わかるでしょ?できればわかってほしいんだ!

 あ、なんか来た?来た気がする。何が何だか訳のわからない空間だけど、なんか来た気がする。周りをふよふよしてる。

 何だろこれー。面白ーい。

 …あ、景色がはっきりしてきた。


「何だろう…ここ?」

 ざばしゃーん、とか音がする。

「水だ…」

「あ、海かこれ」

 ほぇー………あ、すごい。

 遠くまでずーっと同じものが広がってる。キラキラしてるし、たぷたぷゆれてるし、きれい。

「すごいなぁ…」

 ふと疲れを感じた。お昼食べて割とすぐだからおなかすいてるはずない…あぁ、そういえばシェーラに魔法使いっぱなし…。

「よいしょ」

 回収して、ストン!

 変なのを飲み込んでる感じがして少し気分が悪いけど、聖女の力かすぐ直る。

「この感じじゃ治療できない…」

 無理に魔法を使いたくない感じ。

 と、そこにおばあさんが。あ、前に会ってる人だ。正直私の記憶にはほとんどないけど…。

「とてつもないことをする…」

 あはは…。

「邪滅の魂よ、聖人の癒やしを引き出したもれ」

 なんか傷が治った。ところでさっきの魔法の唱え方からするに、何もしなくてもこの傷わりとすぐ治った?

「ありがとうございます」

「気にするな。放っておいても治るものとはいえ、子供の柔肌がきずついているのはよくないじゃろうと思ったまでじゃ」

 あ、やっぱり……そうなの、かな?どっちにしろ放っておけば治るのは当然だからこの言葉だけではなんとも…。

「邪滅の治療は普通は痛いからあまりやれないのが心苦しいものだ」

 あれ?……あ、いや、私は痛み止めに使ったんだっけ。

「治療できるの?」

「うむ、一応な」

「痛み止めにしかできないと思ってた…」

「それはまた…まぁ併用できるものでもなかろうな」

 きょうみしんしん?だっけ?そんな感じだけど、ちょうど誰かに呼ばれた。

「ふむ、ではの」

「うん、ばいばい」

 誰が呼んだのかはさっぱり。

「ところで……」

 さすがにこれは独り言を言いたくなる。

「みんなどこ?」

 シェーラとリブしかいないんですけど。

「……探さないとだめ?」

「うん!」

 大変じゃぁ!


 巡ってみて思ったのは、なんとなく窮屈さのない町だなぁ、ってことだった。

 市場は広々としたところに悠々と広げられた品物がきれいに並んでる様を見ながら歩けた。

 海が見える港はたくさんの船がいたが、見えない道があるかのように規則的にきれいに誘導され、舞うかのように水を進んでいた。

 住宅街はどの家にも広々とした庭があり、家庭菜園をしているところもあった。

 どこをとっても広々しすぎ。

「ひとだらけ」

「たくさーん」

 それだけ歩いても町並みがわからない。道が直角ばかりで中心がわからない。

「雷手の力よ!」

 広場……。もしかしてここが中心?あ、そもそもこの町は円形じゃないのか。

 だからか。

「祈り、知らせ給え!われら光導に神聖なる骸と不滅たる霊の在りかを!さらなる集まりを!集合たる地はここにあり!」

「「「「ヒーロー・サモン・ザ・セイントカース」」」」

 これまた転移するや


 つ。

「えぇ?どゆこと…?」

「やはりおぬし何も考えておらんか」

 あらおばあさん、さっきぶりですね?……じゃなくてさ、なんか知ってるよね。

「ここへの転移は仕組み上さっさと抜け出してももう一度転移するのだ」

 はぇー。

「私には抜け出せないので…ご迷惑をおかけしました」

「かまわんよ…それよりかのリビングボーンは処理を急がんとな…」

 周りに見られてる事実に直視したくないので目をそらしておく。

「ねむ……い……」

「あ、チューンお願い」

「ああ」

 シェーラちゃんねちゃった。

「お休みー」

 ……あれ、周りの視線がなんか変わった。

 柔らかい笑顔が増えたというか。

「シェーラちゃんが可愛いからかな?」

「何が…?」

 ソルトに聞かれてた。

「笑顔になってくれた」

「どぅいぅことぅ」

 わからなすぎてイントネーションとてもおかしいよ?

「二人ともこっちー!」

「「え?」」

 はっ、みんな降りてる!!

「わわ、待って待って!?」

「私も急げー!」

「急げー!?」

 ちなみに、このドジはとてもとても広まったそうです。何でなのちょっとやーめーてーよー!!


 おまけ。昨日のメロンパン。


 換気のためといい窓が開いていて少し冷気の入った部屋で。

「おいひい」

 とてもおいしい。とってもおいしい。

 そんなこと思ってメロンパン食べてたんですよ。

「ふふ」

 なぜか楽しそうにメルシャンに見られて。

(「どうしたの…?」)

「おいしそうに食べてるの、見てて楽しい」

「はうほろ」(「なるほど」)

「あ、珍しい。両方で同じこと言ってる」

 片方だけだもの、いつも。

「……なんかさ、いいことあった?」

「特にないよ?どうして急に?」

 本当に急すぎて、気になってしまった。

 少し、震えてた。

「いいんだ、いいの、いいんだよ。それなら、うん……」

「様子おかしいよ?大丈夫!?」

 寒がってる訳でははなさそう。

「……少し休む。チューン、少し上まで」

「うん?ああ、そうか。分かった」

 メロンパンはやっぱりおいしかった。何でだろう、そのときだけ不思議な気分がした。

(「おいしいね」)

 当然何も返ってこないのに言う。

 つい昨日なのだ。

珍しいパターンの回想です。後多分そろそろ答え合わせです。

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