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幻影の花の蕾

短くなってしまいましたが詰め込まれてもしまいました。

 魔界法:幻影の花とは、空翻に伝わる秘技であるが、時空の才能ではなく風圧の才能によって制御される技である。一応相性いい属性だけど。

 魔界法とか大層なこといっても完璧レベルで体系化された数少ない普通の魔法である、というだけのことでして。

 効果は極大範囲の精密な探知。

「おいおい、あるじさんよ、おまえきょくちもつかえないのか」(主さん、極致も使え)

 舌足らずな声を発する人形。

「あなた直接来て話しなさいよ」

「いまはむり、てがはなせないんだ」(今は無理、手離せ)

 妙にわかりにくいので断片的に言い直してみた。こう見てるとオカマさんはすごいんだなぁって。

 私と互角の戦闘能力のやつでもこの稚拙さだからね。手が離せないったって今このとき何かしているわけでもなし。

 むしろオカマさんの方が片手間なんだよ、確か。あの人ほんとすごい。

「幻影の花を使います。潜入を」

「なんかいかたのむぜ、いちどではむり」(何回頼む、一度無理)

「それは難しいでしょうね」

 起動準備を整えた様子。

「さて、準備だけで何日かかるのかしら」

 艶やかに笑うその顔の裏に、どれだけの感情を隠し持っているのやら。

 ところで最近かなりの頻度で私視点入れてから本題なんだけど。多分、私が主役でもなければあの子が主役でもないはずなんだけど。

 そろそろコーキ起きてー。



 神の極致。それが、最高位の魔法の名前らしい。発動条件は秘匿されている、とからしい。

 今は難しい話はおいておこう。体を動かす時間だもの。

「転移先は?」

「壁の外、雷光の荒天(こうてん)国ライティングバート。ちなみにここの国名は秘匿義法国バニシュクリッド、だそうです。…正直長くて嫌いですね」

 長いね。でもそんなものでは?お兄ちゃんの故郷すごく短いけどね!

「とりあえず皆でいきましょう。シャリア、お願いできる?」

「うん、正義よ、身に刻まれし死を否定する命の結界(まもり)を解き放て!!」

 光り輝く玉を作り、それを大きく広くしていく。

 私の魂の色を込めて、変えていく。

 どう変わったところで灰色なんだね。なんかうれしいかも。

「下に降りよう?」

 セイントキャンプ全域の人を対象にする転移、その範囲に入るため地下へ。

「気をつけてね?」

 転びそうになったシェーラの手を取ってそう話しかける。

 ブレイザは風圧の魔法を準備している様子。難しい魔法を試みて失敗したのも分かったけど、気にしないであげよう。

 私のこれも練習みたいなものだけど。何でそうなるのか私にはわからないけど、ブレイザには多少感じるところがあるらしかった。

「あ、懐かしい。いつの間にか刺さってた剣だ」

 あの無駄に重い剣も、そこに残っていた。

 あれそのうち持てるようになったりしたら……なったところでどうするんだろうか。錆びてるし。それ抜きにしたところで使い道がない。

 護身用の武器なら魔法ですぐ作れるからそれで済むし。

「やばい!」

 変なこと考えてたら何か起こった様子。

「結界貫通してる…!」

 はい?やばいじゃん!?!??

[カタカタカタカタ」

 声なのか音なのかわからない、なんかいやなもの。

[カタカタカタカタ」

「風よ、祈りを守りに変え包み込め」

 思考を続けるまもなく、次々に来ては、一部だけ入ってくる。

[カタカタカタカタ」

「私もやらなきゃね…えっーと…」

 アリカはこういうとき小声なんだよね、聞こえない。

[カタカタカタカタカタカタ」

 近い!?

「強敵だらけです、交戦しましょう!シャリア、解除してもいいわ!守る準備を!シェーラとリブをお願い!ソルト、来なさい!」

 まずいまずいまずい!?

「エリエリ!?チューンと一緒にいて!セリ姉、アリカは任せて!」

「正義よ、守りの渦となれ」

 シェーラだけでも守れるように結界のような違う何かを貼り付ける。

 リブの分がないけど、かなりけがに強いからあまり奇襲の心配はしないでおく。

「っ!」

 チューンが例の重い錆びた剣を盾にして骨たちを砕く。

 というか何でぶつかるだけで全部が粉砕されるんだろう…?しかも持ってる棒みたいなやら布きれやらは残ってるし…。

「リブ!」

 危なかった!

 投げてくるとは思わなかった。ほっぺた痛いー!

「血…出てるよ…?」

「だいじょーぶ、後で直すよ」

「ひゃっ!?」

 あ、また骨いた!?後ろにも!?

「っ!」

 血が出ている場所を狙ってきた骨の腕を右手で受け止める。

 力比べは得意な方だけど、子供だから勝てません!

 すこーしずつ押し込まれてく。

「あわわわ」

「そろそろアリカがやってくれるはず…」

 なんかやばいのできてる気がする。

「魔を穿つが光、死を奪うが聖、混じり一つとなるがいい!レッサー・ゴッデスサンクチュアリ!」

 アリカの魔法が発動したらしい。

「19!」

 何の数字!?

「祝福を!」

 あ、何が起こってたか説明し損ねた。

 消えました、骨たちがみんな。ぜーんぶ。きれいさっぱり。

 私がさっきやってた結界より広い範囲らしく、音も聞こえないし気配もわからない。

『転移を起動します』

「はーい」

 反射で答えてしまったがこの場にいる人が発した言葉ではない。

 消えてしまった。



 幻影の花の効果を受け取ったところかな?

 プルプル震えてる。面白ーい。

「ありえない……」

 そりゃ誰もいないなんて思ってるはずないものね。

「なぜだ!なぜいない!」

 転移に気づけない辺りの馬鹿さ加減。

 というか、探知仕込むの簡単なんだからやっとけよ。

「はぁ……でもいいわ、いないのなら楽にクロ坊が侵入してのけるでしょうし」

 あれどうすっかね。コーキに帰ってきてもらわないと困るんですが。

 もしかして仕込み不発してるんじゃ……そんなはずないと思うけどこのおばさんみたいに滑稽なのかもしれないと思うと検討しちゃうなぁ。

 おっと、心の中でもこの魔女さんのことおばさんって言わないように気をつけてたのに。

「また起動しますか…」

 ……あ、これ売ればいいじゃん。幻影の花なら買ってくれるでしょ。


「荒天国に幻影の花売ってくる」

「あ、はい。なぜ?」

「私の眷属に直接会って話してみたくて」

「なるほど?」

 目を開けると、そこには幼女の顔があった。

「えっ」

「あっ…」

 えっ、まじで何してんの……?

「……てへ?」

 かわいいから許す。

「まぁいいや、行ってくる!」

「無事での帰還、お待ちしています」

「お土産期待しとく」

「はいはーい」

 妙な言い回しだったりしてよくわからないや。

 ―――雉鍋叢那の肉体を探して。会いに来て。そしたら助けてあげる。

 さて、どうやって助けようね、考えてなかったわ。

コーキ離脱前あたりにあるちょこちょこ書けてる文字にひらがなで当てはめてみれば完成したりしなたり。それを聞いて判別できる人は多分変な人。シャリアはかわいい子。よって判別できてない。だめですね。


追記。ところで訂正はしませんが[カタカタ」って声なんでしょうか…?とりあえず魔物から発されてるので[」と表記しておきます(ただの自分ルール語り失礼しました)。

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