二度目の初戦
迷子。来。隠。。
食。。獣。人。。
奴。平仮名。読。。
気。。
訳 迷子が来たら隠れて。
食べられる。獣も、人も。
予 奴は平仮名だけは読める。
測 気をつけて。
に
なるのが翻訳というものです。
本文での出番が来るか分からないので供養。
相変わらず、図書館にこもっているらしい。
前々から知識欲の高い子だったが、さすがに驚いた。
聖女に例外なんてあるはずがないと思っていたが。しかし…あるいは、私同様、壁の外の楽園…「学校」に行くのだろうか?
まぁ、あそこはあそこで問題だらけな印象だが。
そんな風に感じてるのは私だけでしょうけど。
「アンノン女史」
「ええ、戦場の処理ね」
私は私のやることを。そのために生まれ、生きる。
きっとそれでいい。
見つからない。何故?わからない。
「名前がわからないと、どうしても無理が出るなぁ…」
ソルトの主神の詳細がわからない。
「それに何これ?神も知らない次元の壁を超えてきたとか」
これはブレイザの加護を知れると浮足立って開いた神の調査書。
「俺のことはいいだろ」
「むぅ~」
でも知ろうとせずにはいられない。この状況なら、きっとお兄ちゃんもそう考える。
「ソルトの原因は書いてなさそう…」
「そういえばソルトの魔法って…使える属性何だっけ?」
「大体全部」
「その大体ってとこ重要だろ…?あいつの主神の属性、日光か聖癒なんじゃねぇか?」
確かに。じゃあ風圧属性のこの神様のことはおいておこう。
「闇夜に弱い神様でも探してみた?」
「ああ、でも題名だけじゃわかんな」「ありますよ!」
「「わわぁ!?」」
急に入ってきたのはー、えっと、オーカ、だっけ?
「これですね、神殺し秘伝闇夜編、後でお貸しします、今は危険な上時間も足りないので」
「危険は後で聞くとして、時間ってどういうことなんだ?」
「聞くがよい、小僧」
「いきなりどうした」
うーん、なんかアリカみたいな人。
「……とりあえず真面目に考えると、シャリアちゃんに話すことだったね」
「あ、私?」
何かあるらしい。
「戦争の後始末中に襲撃発生。各自壁の外へ向かい、襲撃者をゲリラ戦法で返り討ちにする、敵味方の判別のため、基本殺霊、可能なら聖人や聖女を含め構成。一号部隊救出班として活動せよ、リーダーはシャリアとする」
「最初に襲われた人を助けて、ってこと?」
「正解!」
長いよ。短く済ませてよ。
「追加でいうと、アンノンさん何だ、そのうち一人」
「あ、セリーナさ…お母さんか」
「言い直さなくていいだろ…とりあえず急ぐぞ」
「ううん、今すぐ行くからだいじょーぶ、空よ!記憶にあるは天へそびえる壁の上、道憂い示す羊の眠り場、見据えるその光景の元へ…我を移せ!」
レッツゴー!
「いた!……あ、そういえば服戻してたね」
いつもの修道服、破けたら困るのだけれど。うーん、でも私服なら私服で破けたら悲しいからどっちもどっちか。
「急ごう」
下に降りる。
「なんか怪しい人たちだね?」
「……聖女、なのか?なぜここに来た?」
わぁ、すっごいでかい鎧がしゃべってる!
冗談はさておき、鈍く光る巨大な鎧を来ている人に話しかけられた。手のところからするに、そんなにがたいがよくなさそう。
「伝言もらった。一号部隊救出班、だって」
「にわかには信じがたいな…」
「私もあんまり信じてないけど、いかなきゃいけない理由はちゃんとあるんでしょうし」
「うーむ……」
「だから詳細早く教えて?」
「……ああ」
押し切れー。実際訳わからないし。
「戦場処理部隊ロ-8隊長、イ-1副隊長が包囲し襲われた」
「ん…?…………」
あれ、それどっかで聞いたことあるような。
「こちらはほとんど殺霊で構成されている」
確か、鎧がなんか。
思い出せー思い出せー。
「ところで思い出せたかね」
「今頑張ってるとこ!もーちょいかかっちゃいそう!」
「普通に言おうか…君がいる教会の管理人が襲われたんだよ」
「お母さんが!?って今そう呼ぶとややこしいか。セリーナさんが!?」
「言い直すのはいいけど驚き直さなくてもいいんだよ?」
とにかく、私がリーダーな理由はわかった。
「間違えて攻撃しないでね!!」
「そのために呼んだのさ」
知ってる。まぁわかったの今なんだけどね。
「突撃するー!」
始まっていたゲリラ戦に突撃した。
「実際久しぶりなんだよねぇ…」
魔法で戦闘を行うのは久しぶりだ。聖女になってむしろ吹っ切れたのと、皆が皆心から好戦的なため、私は例の直剣と曲剣で敵を切り伏せている。
とどめまで刺すのは正直ためらいがあるけど、やらないと誰かしらやられるからやる。
「難しいね」
不意打ちも限界なので最前を突っ切る手段が欲しくなってきた。
「風よ、手を取って!」
風が導くままに人の隙間を駆け抜ける。ついでにさくさくっと。
「はぁ………っ!!」
奥まで突撃して、お母さんの元へ。そして傷つくその瞬間に割り込む。
「……っ、あは」
傷ついて笑ってるとかやばいよこの子痛い子だよ!!いや、私のことだけどさ。
「闇よ、天の翼を喰らい陽を悪の蠢く地の獄へ堕とせ、其れが名はアビス・ザ・ケイオス!」
ちりっ、と頭に火花が走ったような気がした。
まるで暗い闇の底から声がするように…なんか今の私やばい、痛い子全開だよ。
「光よ、火よ、聖なる太陽となり地を薙げ!」
「容赦ないなぁ…」
「そうですね、私も驚かされています」
うん、容赦しないよ!せずにいられるよ!
「さぁ、踊ろう!」
目の前の人たちがおびえる。
皆がゲリラ戦法から包囲殲滅にシフトし、目の前の部隊を全滅させた。
一方この襲撃した部隊の親玉は。
「クソが!!あの雌餓鬼!後で殺してやる!!!」
魔女さんがぶち切れる。
「あーあー落ち着く、俺様が潜入してぶっ殺してやっから。ついでに聖女になる方法とやらも聞き出しますよー」
隣にいるのはその側近、隠密のロワロワタ!ワロタっていいたくなるよねこれ。
「頼む」
「可能な限りは急ぐよ、個人的にはもっと…4、5年くらい育てば好みなんだけどな」
シャリアは6才なので4、5年後でも十分ロリっこである。要はこいつは少女趣味である。なんかやべぇ。
よく聞くロリコンとかとは違う感じのやばいやつ。
「最近奴隷をやっただろうに」
「壊しちゃった。泣きっぱなし」
「……おまえが手早く済ませればあの炎帝を好きにやれるぞ」
「エルフは年増…まぁいいか。めちゃくちゃかわいいし、あいつの方は精神は見た目相応らしいし」
何というか。何気に私、今代の炎帝がエルフとか初耳。
まぁいいや。大人しくこっちに交渉するのね。
まぁ計画のためにはあの子を殺すか私がコーキの肉体を工面するかは必要。殺してくれてもいいけど…面倒な気しかしないなぁ。
「私が空翻として神と戦うには必要なことなのよ」
…魔女さんが一番戦闘狂なのマジでおかしい。
人を攻撃から守る魔法のイメージが、私にないからか、防護の試みをしていなかった。
「ふぅ…」
お母さんがその辺めっちゃ頑張ってたらしく、疲れきっていた。
「大丈夫?」
「ええ、ありがとう」
「あ、いた!助けてくれてありがとうございます!」
「うん、どういたしまして!」
もう一人の、副隊長って聞いてた人がお礼を言いに来てくれた。……私よりは年上だけど、子供なの…かな?わかんにゃい。メル姉以上はよくわからん。
「すごいっすね」
「そうかな?」
なんとなく、長い付き合いになる予感もする。
でも互いに名乗ることもなく別れた。
戻って来てブレイザに話した。
「そんな感じ」
「なんつーか…すごいことするな」
そうかな?
なんやかんやあって、進展したようで進展してない。
お兄ちゃんの戦闘知識を完全に生かせた。それくらいかな。




