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s 魂に刻まれていく

 次の日の朝早くのことである。

 目が覚めてしまった。

「あっ」

 ブレイザが部屋の前にいた。

「今起きたところか?」

「うん」

「ならいいや、また来るかも」

「うん」

 正直眠いです。

 少ししたら戻って来た。

「他に誰も起きてなかった。悪いが、リブを風呂に入れてやってくれ」

「あー、あれ私一人じゃ無理だよ?」

「そうか、じゃあ俺もやるかぁ…」

 どうやらリブがまた事故った様子。

「大丈夫なの?」

「今回は風圧だから、服とか吹き飛んだだけで済んだよ」

「よかったぁ」

 安心して、階段を降りるとやはりいた。

「あ、シャリ姉」

 私はリブを見上げた。

 そうそう。リブはごくたまに大人モードになる。

 普段からも意識してできるらしいんだけど、ごくたまに暴走した結果こうなることもあるらしく、ときどきお母さんが頑張っていた。

「さ、お風呂入るよー」

「ごめんね、うまく動けたらよかったのだけど」

 意識は大人っぽくなってるけれど、どうも体がうまく動かせないらしい。

 感覚もないらしいので、ケガがないかは先に確かめておかなくてはならない。

「大丈夫そう」

「そうか、二人で運ぶぞ」

 担架を持ってきて運んでゆく。

「湯船なんて本当にあるんだなぁ…」

「一応ってやつだね」

 ここは孤児院みたいな面もある。ココ大事!

「それじゃ私も……っと、タオルたくさん用意しないと」

「そうだな」

 とりあえず服を脱いで、蛇口をひねる。冷たーい。

「火入れたぞー」

「ありがとー」

 じゃあすぐ暖かくなるね。

「じゃあ流すよー」


 ぼへーっとしながら石けんを泡立てる。

 たのしいです。

「ねむぅ…」

「悪いな、起こしちまって」

「いいよー、一大事だし」

 石けんでリブの体を洗う。ゴシゴシー。

「痛い!?」

 急に痛みを感じた。

「……くっ!」

 ブレイザが歯を食いしばる。こそーっとブレイザに手を伸ばしていたリブはビクッと反応した。

「これ…は?」

 左腕が奇妙なことになっていた。

 何というか、光ってる?痛くて、禍々しく感じる。

 とにかく、すごくなんかすごい。あれ、同じようなこと前にも言った気がする…?

「案外すぐ慣れるなこれ。ソルトはどんだけやばいんだ?」

「由来から違うと思うけど」

 なんだっけかなこれー。

「私はこれを感じたことがあるはずなんだよね」

 何だったやら。

「とりあえず、続けるよ」

「ああ、そうする」

 ゴシゴシー。


 zzz


 朝です。

「あ、やっと起きたー!」

「うるさいって…」

 あー。あぁ、そうだ、リブの体洗って服着せて寝かせたから寝たんだっけ。二階への階段の裏にリブの部屋への入り口があり、とても運びやすかった。

「ありがと、ブレイザ」

「こっちの台詞だろ、ありがとよ」

「何があったんダー?」

 アリカが変なことをいってる…。

「じゃ、ご飯食べるー」

 とりあえずお腹が空いているので先にてってこ降りていく。

「はぁ~…全く何をしていたのか」

「気にしすぎだよ、セリ姉」

 お母さんがしゅーんとしていた。

「お母さん?」

「あら、シャリア…その呼び方も大分なれたわね」

「まぁね」

 シェーラの教育的な事情もあり、お母さんと呼んでいた方がいいのではとブレイザとメル姉に言われて呼び出したのだが、案外なれるのが早かった。

「さ、朝ご飯どうぞー」

「わーい!」

 いただきます!


 zzz(昼寝)


 はっ!お昼ご飯だ!

「シャリアちゃん、起きてる?」

 あ、エリシアちゃん!

「うん、今行く」

 とてとて。

「お昼は…オムレツ?」

「ドラゴンの卵だって」

 ドラゴン……!?なんか、なんか、あれだ。ファンタジーってやつだ。

 うわぉ!

「やばい魔物じゃなくてただの生物の方だろう」

「どういうこと?」

「ドラゴン族の魔物って区分もあって、それと生物のドラゴンって同じ呼び方してるんだ」

 はぇー。かっこいいから細かいことはよし!

 そしてブレイザは物知り!

「確か…危険な外の魔物の情報を伏せるための処置だったはずです」

「危険な?」

 外の魔物、隠蔽、ドラゴン…。あー。分かった。

「もしかして…壁の上を飛ぶ?」

「はい、しかも特別な種らしく、儀式を行い討伐したとのことです」

 儀式?聞けば聞くほど謎が掘り出せるよ?

「あ、儀式については知りませんよ?……なんか、この話し方が普段の口調になってきたかもね」

「あはは、いいじゃん、セリ姉」

 儀式…儀式…。

 あれ、なんか前にそんな感じのことしなかった?儀式的な何かと称して。

 気のせい?

「出来たぞ!」

 おおー!

「やっぱでけぇよな、これ」

「いいじゃんいいじゃん!みんなで食べよう!」

 いつも通り仲がいいですね。

「卵がでかかったし、これでもおかしくはないが…」

「いやー、私が腕を目一杯伸ばして対面を押さえてたからね…」

 でかいでかいでかいでかい!?

 いや、このオムレツも一人分の(縦横高さがそれぞれ)10倍ぐらいだからね。それぐらいのサイズはないと無理か。

「………一ついいかしら?」

「気づいた?」

「一割も使えてないでしょう?」

「おう」


   え  ?


 フリーズしちゃった。

「焼いてはいないし、パンにでもして配ろう。配給ができてないし」

「そうね」

 大量すぎない?

「……シャリアちゃん、今日はやめようか?」

「何の話だ?」

 ところでさっきからソルトが静か。

「いやー、ネルフに会いにいこうかなって」

「誰だか知らないが、こっちに呼んでついでに手伝ってもらえれば」

「おー、名案!!」

 なんだろう、この光景に見覚えがある。

「ソルト?どうしたの?」

「……ん」

 正直全くわからない。だが差し迫った問題はないと思う。

 差し迫ってないだけで問題しかないけどね。

「部屋で休む?」

「うん、ごめん」

「こっちでねてな」

 シエスタルームの方がいいか。

 よいしょと。

「おんぶ」

 シェーラちゃん!?

「ちー、もち!」

 力持ちといいたいのだろう。

「はっ!お、おきゃくしゃ、さま!」

「ちょ、危なかった……!」

 見逃しちゃってた様子。

「ま、全くだよ?気をつけなさい、メル」

「そうですね」

 明らかに空気が軋む。よし、まずソルトを運ぼう。


 なんだかんだ戻る頃には解決したようで、みんなでパン作りの準備をしていた。

 私はネルフさんから目をそらせなかった。

「あれ、きらきら、もぐもぐ?」

「もぐもぐに見えるね」

 シェーラちゃんの意見に同意。

 ……嘘です。見えないです。現在進行形でもぐもぐされてるだけです。

 何か大事なものを犠牲にしている気がする。でも、目をそらせないし、見つけなきゃいけない。

 さて、種明かしをしてもらおうか。

「がんばれー」

「うん、頑張る!」

 じぃ~~~~~~~~。

「は、はい!私に何かご用でしょうか?」

「もぐもぐされにきた」

 多分それでわかると思うけど。私のどこが、彼女のどこに食べられているのか……はすぐわかったんだけどさ。

 私の魂から彼女の魂から出ているキラキラが何かを消していっている。たしかその何かって、汚れとか言われたりしたものでしょう?

 汚れ、って何を指してる?

「白、きれい?黒、きれい?」

「黒は、嫌いだったなぁ…。あ、ああっ!?忘れてた!?い、今どこまで言ってました!?教えて!?ってぇ順番逆ぅ!?」

 混乱していると力が減っている?ある程度は意図的に、出してる?

「は、までだよ。次はの」

「の、のぅ!ありがとねメル」

 この力は結局よくわからないけれど、魂から直接出ているイメージ。そしてある意味当たり前だけど、聖癒の力。

「わかんないけど…なんとなく、イメージはわかった。やってみないと!!でも明日かな」

「ね、年が変わっちゃうよ。大丈夫?」

「多分!というか、多分今日は無理!」

 というわけでパン作りに私も入る。前からやりたかったんだー、これ!

 こねこねー。

「うーん、何だろうな、あれ」

「かわいいからいいや」

 ブレイザとアリカが何か言っているが、気にしないでおく。

「……やばそう」

「そんなに?」

 メル姉とエリ姉が不安そう。そんなにやばそうかなぁ?

「ふんふふーん」

 お届けの時が楽しみだなー。

次回でようやく一年ほど前の走り書きを消化できるという。

「すっかり遅くなりまして」

「まぁ…そりゃあな?」

 そりゃあなじゃないよ?

「皆さまごめんなさい」

「次だろ、さっさとしろよ」

 まだ肝心の所しか書いてないのでいつになるか。


 書きかけでしたので追加


「うん、……うん?」

「間が抜けてる?」

 馬鹿だね。次回はそのうち!その次の方ができあがりそうなので二本立て確定だよ!またね!

「ハイになってるのは中の人の方だからな?」

「そんなわけだからすぐ会えると思うよー、またねー!」

 これ何の番組なんですか?


 最後にしっくりくる言葉をかけない症状に襲われています。

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