追記 前哨戦 戦況の記憶
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次は数分後であります
確か出撃してから、ほとんどこちらが押していたのだったか。どちらも若干腰が引けていたが、指令系統が複雑だろう相手の方が影響が大きいようで、予想されていたほどの怪我人はいなかったのだと思う。暇を持て余す部隊員が戦ってたし。
そう。そいつは伝言を伝えてくれた人だった。本部への通信が切れる前なので、ほとんどの肉体制御を交代して加勢した。
「ごめんなさい」
会話を二人で分け合うように制御し合う。じゃないと呼吸と動きが合わないので。
「むしろ助かるが、どうした?」
「一応私連絡係なんだけど、通信の仕方がわからなくて」
そう。一度も聞いてないのだ。なんで?
あ、わざわざ思考にあげるまでもないかもしれんが久しぶりに魔法で邪滅の曲剣を作った。
「そうか…じゃあこいつをやるよ」
といって受け取ったのは黒い、黄色に光る石。
「こいつに念じれば本部につながるんだとよ。予備が一つしかないからそれしか渡せないけど、よろしく」
その直後、それが反応した気がした。
シャリアには言えなかったが、かすかに聞こえた声は謎の嫌悪感を招いた。
それに頼りながら戦場をかいくぐる。その間もかすかな嫌悪感は拭えない。
そして一つの指示。
「以降は貴君らに任せる。死ぬなよ」
という投げやりなもの。ふざけてる。なんせ…声だ。場所だ。
まるで奴のようだ。
叢那。やつを思い出した。
(「…不審だ」)
(「もっと警戒する」)
(「できる限りやれ。できる限りでいいから」)
「意味不明なのですが?」
ちょっと混乱してたなこの時。
このときも、敵は殲滅されていっていた。まぁ、味方同士で殺し合ってたりはしたが。
この金のバリアは、未だ維持されている。この機能なのか、敵味方はなんとなく判別できる。
これを生かして治療を続けていた。




