幕間 赤い宴
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「…あー、うー」
おとう、さん。おかあ、さん。ぱぱ、まま。
おにいちゃん。
「おはよう、ぱぱ」
「!?…あ、ああ、おはよう」
?
なにかもんだい
あった?
「しゃべった?」
「まま、おはよう」
「う、うん、おはよう」
おなかすいた。
「離乳食食べるようになったけど本格的なのは早いか」
「まぁ確かにそうよね」
りにゅうしょく?
「あの、おいしくないの?」
「おいしくなくても食えよ?」
「もちろん」
おいしくなくてもごはんはたべる。
にんげんのかぞく。
わたしはシャリア。
「ぱぱのなまえってなんだろう」
「え゛」
え?え?
「あー、ベルセルクだ」
ベルセルク。ぱぱのなまえ。
「おぼえた」
わたし、まだ、こども。いっぱいまなぶ。いろいろみる。
おにいちゃん、またおきないかな?
たくさんおしえてくれるおにいちゃん。
(「何でばれてるんだよ…」)
おきた。
おはよう。
(「おはよう」)
なにかんがえてるかばればれ?
(「バレバレだ」)
うわぁ。
かくしたい。ふくでおはだかくすみたいに。
(「がんばれよ」)
がんばる。もくひょうのしばらく。
(「目標のしばらくじゃなくてしばらくの目標」)
わかった。しばらくのもくひょう。
(「おにいちゃんがまじってない?」)
きのせい?
(「ああ、そうだ。だから俺が表に出るのはやめておきたい。だから頑張れよ、助けてはやるから」)
(「わかった」)
じゃあたべるか。
(「そうしな」)
かくせてなぁーいー!
(「簡単にはできないなぁ」)
うー!
がんばるもん!!
このおいしくないあかいのも!がんばってたべるもん!
あ、このあかいのあかみげんまいっていうらしいね。
しぶくてにがいけどやわらかくてしょうかにいいらしい。
さて、と。
思ったより理性があるな、シャリア。
そして。
――――結局俺、今誰なんだろう?今何なのだろう?
まぁ、何するかは決まってるから良いんだけど。こいつを守る。こいつの支えになる。それだけなんだろう。
よくある異世界転移の物語。いや、これは転生の方か?
にしても、癖の強いやつだ。下手をすれば、この少女は本当に物語のように強くなれるのかもしれない。
いや、そんな余計ことは考えなくてもいいな。それより大事なことがある。
俺は何をすればいい?それを今は考えてなくては。
つうか、この赤実玄米。なんなんだこいつ。
異世界風赤飯作れそうだけどこれ、超まずい。うん、まずい。
だから味覚共有しようとするな、シャリア!!
(ところで、みんなはかくせるの?)
(「いや、普通は俺みたいなのがいないからわからない」)
(そうなんだ)