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始まる二つ目への歩み

 そもそも、その後も結構な人が残っていた。

 各々の神に祈りを捧げる人達。

「ふむ、こんなところで何だ?」

「気をつけろよ、前にここで魔物に襲われた」

「よく生きとるな…」

 セイントキャンプとか言われていた地下。

 そこで二人で話をしていた。

「まず…若竹色って言ったところで伝わらんか?」

「文学語で……わかたろ?」

「ちげぇ、若い竹の色だ、イロ」

「あぁ…それがどうかしたか?」

「ただ風、で片づけるのも怖ぇからな。どんな性質を表す?」

 まずここであった男の子の話を持ちかける。

「森羅系統…か。その色単体ならばそれだが、いくつかの特徴が混ざっただけではないか?ちょうどお主らが、無才能の灰色ではなく聖と邪が同じだけ混ざったがための灰色であるように」

 灰色が魔法の才能がないときの色というのは初耳だ。そう考えると、やはりチューンは魔力がないだけなんだなと感じる。それだけだが。

「ふむふむ」

「まぁ、詳しくは私のこれで見てやろう」

 そう言ってモノクルを身につける。

「はぁ…怖いねぇ怖いねぇ、頼まれただけじゃないか、頼まれたことしかしませんよ」

「何と話しているんだ…?」

「私にもわからんよ」

 そんなこともあったが、とりあえず知りたいことは確認できる様子。

「聖人、怨念、混沌、煉獄、断罪、母子系統とあとは…もう一つかねぇ?」

「ほう?」

「なんかありそうだが何ができるかは分からん、色々試すといい」

「ああ、分かったぜ」

 そうしてやはりか、魔物は現れる。

「動け業火!」

「暗闇よ、魂亡きを縛れ」

 二人の魔法ですぐに殺されたが。

「というか、なんで魂がないと魔物になる?なぜ暴れる?」

「む?知らんのか?魔力は、魂亡き者からするとおぞましいものだからな、心を壊し、血と快楽と惰眠だけを救いにしなければ存在できないのだよ」

「うわぁ…?」

 思ったよりやばいわ。野生に堕ちることを強いられているらしいな。

 そう考えると、ゴブリンとか知性を持つ魔物は本当に恐ろしいのだな。

「こちらから伝えることだが…お主、殺霊になる気か?」

 前振りであるようだが、なにを訪ねたいのかわからない。

「ああ、まぁ、聖女ほど計画的にではないが。それさ、組織に所属しなくてもなれるよな?」

「うむ、だが情報を求めるなら認知してもらわねばならん…だからだよ、手引きをしてやろうか?」

 ふむ…乗ろうか。

(「お願いした方ががいいよね?」)

(「そうだろうな。そう思って持ちかけようとしたところだ。いいか?」)

(「うん。でも悪いことはダメだよ、お兄ちゃん」)

 賛同はしてくれたが、思ったより話がややこしくなってきたかもしれない。

「そりゃあ良いけど、ここの少女だとは晒すなよ?一番大事なのは少女ってとこだ…この年なら、それなりに誤魔化せば少年で通せるだろう?」

 それより、大事な確認は済ませておく。そんなに大事ではないが大事に思ったらしい。

 何というか、いちいち大げさである。

「……うむ、男装は後でセリーナにしてもらえばよいわ」

 セリーナは男装ができる。

 それはそれで驚くべきことではあるが、軽い偽装ではばれるだろうな。

「魔法で性別の判定とかあるのか?」

 一応ないだろうが聞いておこう。

「心配はない、そもそもそれは強いていうなら聖癒属性の領分だ」

 ふむふむ。あるのか。使えたら…いや、使い道ないな。

「そうだな…」

 分身すればそもそも男になれるのかもしれないが、あの魔法、あまり遠くに行けないという制約がある。

 あの体はあくまで分身。魂はここにあるまま遠隔操作しているに過ぎない。

 しかもあの遠隔操作、難しいなんてもんじゃないし、最悪魂がないために魔物扱いされかねない。

 難しいな。

「しかしなぁ…」

 もう本当に面倒だ。やらなくてはいけないのかも考えてしまう。

「無駄に考えるくらいならすぐには動かん方がいいな。後で悪化したらそのときはそのときか」

「はは、まぁ、あちらもすぐに来るとは思わんよ。あの馬鹿なら四、五年は待つさ……ああそうだ、これをやろう」

 渡されたのは紺のかんざし。

 闇としか形容できない何かを感じ、おしゃれという感じとは違うような…。

「それを見れば私らと縁のある人間だとわかるさ…あと男装するのにその髪を結ぶものに困るだろうからね」

「助かるよ」

「じゃ、いい加減あたしは帰るよ…全く、不甲斐ないねぇ…ネメシス、起動しな」

『御意』

 機械的な男の声とともに、消えてしまった。

「代わるぞ、だがその前に…空よ、舞い戻れ」

 自分もこの場から消えることにする。

 ところで、セリーナさんですが…女好き、男装…要はそういうことなんですかね?

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