追憶 教会の少年(たち)
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私はその出会いは印象深かったが、チューンとかとの出会いは覚えていなかった。
これなら、当然だよね。
気がついたら、目の前に居るんだもんね…。
「えっと、おはよーございます?」
目の前の男の子に聞く。
「そーだな」
お兄ちゃんぐらい?
「それで、誰ですか?」
「ん?ああ、そうか、別人なんだったか?」
その人はそう前置きしたから、お兄ちゃんとは会っているらしかった。
「僕はチューン。チューン・アルコルだ。よろしく、シャリアちゃん」
「はい、よろしくお願いします」
そうしてチューンとあったのである。
少し遡った頃の話。
メルシャンとエリシアは仕事のため表へ出て、アリカと昼寝をしていたとき。
相変わらずというか、アリカはすぐに寝ていたが。
(「この体眠れない…ふぁ」)
(「じゃあ代われ」)
なんとなく代わるべきな気がした。
(今更だが、無いんだよなぁ)
この体は、やはり女の子なんだとふと思うときがある。
どうしても、かすかに違和感を感じるのである。
「して、どうなるやら」
ふと、扉に向かって一人つぶやく。
「…何だ、起きているのか?」
しかしその部屋の外には人が居たらしい。
「ああ、入っていいぜ」
「なぜ男口調だ…?」
そう苦言を呈しながら入ってきたのは、青白い髪の男。いや、男の子、だな。その顔は幼さが少しある。しかし、凛々しく美しい。
「桔梗色の瞳」
少し思ったことがある。その色。まるで裏返しのようだ。
「ああ、この目か?少し嫌われていてな。魔力の神の目の逆、らしい」
少しさみしそうな表情で語る。
しかし、魔力の神?
「それって何だ?」
「それが何を指しているのか図りかねるな」
ああ、済まない。
「魔力の神。あと、補色で何が悪いの?」
「補色はその神に嫌われる傾向にある。魔力の神はそのいい一例。正確に色を計ったとき、おれは56、54、α2だった。神はa0、a2、54らしい」
2の8乗で示される見慣れた16進数表記の半分、か。
ってゆうか16進数なのが変わってないのはおかしくないか?
まぁいいでしょう。
「そんなわけで捨てられたんだ。ところで、お前が『お兄ちゃん』だろ?その口調」
あれ、その話聞いていたのか?
「そうだな」
あっさりと認めておく。
「起きてていいのか?」
「この体、昼寝がしにくいらしい。寝た方がいいんだが……」
実際寝れないから代わったのだし。でも寝ないと育たない思なぁ。これでも2才だぜ?
「ああ、それは仕方が無いの、か?」
「わからん」
少なくとも、今すぐの問題ではないから分からないのは確かだと思う。まぁ、それは言うまでもないか。
「でも、一応寝る。お休み」
「おう、ここに居るわ。ああ、後俺はチューン・アルコル。よろしく」
そう彼は名乗った。
「えっと、『私』はシャリア。ってな訳でよろしく」
「お前の方の名前は?」
「……一応、はあるが、今の俺の名前じゃない」
しかしこちらには持ち合わせがなかった。
「それを名乗るならば、俺は金平晃樹だ。一応いうと、晃樹の方が名前な?」
一応昔の名前を名乗っておく。家族の名前をついでに言ってみた。父の名は金平龍樹、母は金平虎奈。言ってはいないが、妹の金平聖奈もいるな。
「コウキ、タツキ、トラナ、かぁ」
「そ。ふわぁ……おやすみ」
「おう、お休み」
じゃぁ、あとは寝る。
お休みなさい。
9/22 進数とかごっちゃになったんでうまく戻しておきました。




