追体験の始まり
それはそれは暗い、暗い夜。
(「あっちと違って明かりなんて大して無いしな」)
とある教会で怪しい儀式が行われようとしていた。
まぁ、催眠術なんて端から見たら怪しいことこの上ない。その中心が子供であるからなおさらだ。
しかし自分で催眠をかけるとなるともはや困惑するほか無い。まぁ、エリシアもよく考えたものだ、が。
すでにアリカが考えついてやってみたんだよなぁ。しかも今めっちゃやる気なシャリアもアリカもそれ、知ってるよな…。
とは言え、解除のことは考えなくていい、ってのはびっくりだ。確かに解除するときだけ外へつれてって、他の人に解除する手があった。しかもそれが出来るか確認してもらってたりまでもしているらしい。
これだけでも、やっぱりすごいなとは思い直したが、エリシアの作戦がこれだけか?まぁ、何でそんなに信頼しているのかは覚えてない、ってゆうか思い出すための追体験なのだが。
「だめかぁ」
しかし、あっさりと失敗した。
「ねぇ、コーキ」
(「どうした?メルシャン?」)
「あんたが自分寝かせられない?」
(「え?無理だろ?」)
とはいえ試してみるが。やってみてないことは全部やる。まぁやったか覚えてないんですけど。
(「何を考えてそんなこと思った?」)
「あなたの適性知らないから?」
小首をかしげて考え始めた。あれ、何でだったっけね、とでも言いたいのだろうか。
とりあえず、やってみるか。
と考えてみた。でも、声が出せませんねぇ。
心よ、其を休めよ。
……やっぱり無駄か。
「なぁ、お前が表で魔法を使ったことあるのか?」
(「あるよ。日光と闇夜と聖癒と邪滅と空間」)
「精心使えよぉ!!」
しょうがねぇだろ!!発情させる意外の発想はあの時無かったんだよ!!そんなことしてもなぁ!正気の人間に意味あるのかぁ!?
落ち着こう。冷静になっても無駄だ。
…………ん?
あれ?やっぱり冷静じゃあないね。冷静にならないと駄目だ。
「でぇ!?むーりーなーのー!?」
(「うーるーせーえーよー!!ってか、さっきの話の続きしてくれねぇ?とっかかりくれないとさぁ?」)
くれさい。まじで。
「えっとさぁ、魔法って神様の力を借りる技なんだってさ」
ふぅん。目的の所まで戻ってくれたらしいですね。あんがと。
「んで、まぁ使ったなら分かるよね?ようはどこだか知らないけどどっかにいる神様に届けばいいわけだ」
ほへぇ。で?どうしろと?
「いいじゃあん!もーはじめてよぉ!!」
(「落ち着け」)
まぁ、いいや。おいごら神様ァ!聞こえてんだろォ!
ガチン、と何かが響いた。なんだか分からんがちょうどいい。
(「心よ、其を休めよ」)
その言葉の答えとして帰ってくる眠気。
成功したよ……。
(「おやすみ」)
「うん、おやすみ。コーキ、シャリア」
「おやすみー」
さて、始めようか。
8/27 申し訳ありませんが宿題に追われて制作できておりません。未提出のペナ後、9月中旬には再開できるかと。申し訳ありません。