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色々と、色々な魔法

連日投稿二日目/四日

 生まれた夜が明けて。


 魔法が気になる。

 せっかくだし使おう。

 ちなみに今もベビーベッドの上なのだが、毛布が掛かってて暑い。そもそも今親が居ない。育児放棄すな。ってか飢えたり暑かったりで死ぬぞ。本当に。

 暑い。氷の魔法。えいやー!

 えいやー!

 えい、やっ、さー!

「うぅ」

 でたー、ちっこい氷。

 あれ、自分の一部がびっくりしてる。

「うゃぁうゃぁ」

 とりま泣く。

 何だろうね、この感じ。自分が自分でないような感じ。…って、そうか、シャリアの方か。

 どうも本来の(?)人格とは別の人格として俺はいるようだ。

「……」

 いつの間にかいた父親がこっちを見て、無言で毛布をよける。ありがと。

 ってかこの暑さって、今夏なのか?

 だとすれば、もとの俺とは真逆かな。俺は12/18生まれの射手座だったし。

 あの花火大会は8月の何日だったかな?

 んー、そんなことよりおなかすいた。

「う゛ぇーーん」

 泣くよ泣くよ。泣くよウグイス平安京。

 さもしい一人芝居しててもいいよね、ひまだし。

 そう、俺は暇なのだ。

 考えることも特にない。

「うぇーーー…」

 これ以上泣いても無駄にエネルギーもってかれるだけだろ。

 やめとけやめとけ。

「あー、うー」

 うーん、本能的なものなのか?この体の本来の持ち主がいるのだと思うけどなぁ。止めろで止められるはずない。


 その後、夜になってやっとか母乳がもらえましたとさ。ミルクは貰えていたが、この子はお好きでないようで。



 それからまた、何度目かの朝が来た。


 朝食も食べず出て行く父親。昼も出るのか。

「あー」

 親は相当貧しいようだ。

 そのためか共働き。ちなみに子供を産んだ理由だが、堕ろす手段が浸透していないようである。

「うー」

 とりあえず、この世界について。

 ここがどうも地球とは違うのは確かだ。

 なんせギリシャもなければプロイセンもソビエトもない。ついでにいいやぁ魔法以外で火をつける手段さえ確立していないように見受けられる。

 これは元いた地球ではない証明だろう?

 魔法は昔の魔女狩りとかもあるから百歩譲っても、ここは世界有数の都市のスラム街。地球なのならギリシャとかが知られてないわけは無い。

 確かなのだが、何だろう。変な感じ。

 それはもう置いておいて、「私」はどんな容姿になるのだろうか?気になる。

 父親の髪は黒、目は紫色で、ガリガリの長身に右腕だけ不自然な筋肉のひげぼうぼうのおっさん。

 えーっと…母親は、髪が白か。目が青色で、顔はやけどだらけで判別不能、胸はぺったんこ。今も母乳吸いにくいったらありゃしない。比較的体はふくよか。ただ栄養足りてなさそう。

 うーん、髪は灰色、目は紺、肉付きは胸のぞきそこそこ。予想できるのはそんなくらいかなぁ。

 鏡があればいいのに。そしたら髪色と目の色は分かるのにさ?

 母親はキッチンへと向かう。

「むぅ、この包丁、ろくに切れないわ。もう△のかしら」

 なんて言った?否定形の言葉が入った位しかわからないぞ?

 分からないときはとことん分からない。

 というか、その鈍な包丁でタマネギ切るなよ。目がやばいことになるだろ!?

「うぅ、目がいたぁい…!氷よ、冷却の領域をその場に表したまえ!」

 ほらいわんこっちゃない!そして冷やした。便利だな。

「ふぅ…」

 タマネギは冷えて青くなっている。

 …え?何これ?青くなってる!?

「あー、冷やしたからなぁ」

 不思議なタマネギだ。

「水で洗って…落ちないよねぇ」

 火種を取り出して火をつけたようで、めらめらと燃えている音が聞こえる。

「火を通せば赤くなるか」

 暖めれば赤くなるのか…。

「ってか、これだけじゃだめじゃない!?」

 もう…この人、料理慣れてないのかな?

 あれは頭の中にタイマー並べないとだめだよ。なれないうちは幾つかそばに置いてたなぁ。


 その日はおいしそうな何かができました。何ができたのかは見えなかったけど、父親がおいしそうに食べていたことだけが分かった。

 ……なんか怖いなぁ、その食べ物(?)は。

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