幸せ者と不仕合わせ
今日補足したところはしょうも無いところですが、以前のそこの訂正後を見てない人は確認していただけると幸いです。
15 裏の婆さん
お盆頃の私用に備えて少しペースを落とします。課題も多いですし。ただし課題やるとは言っていない。
みんなはちゃんとやろーね♡何ちゃって。
それは、唐突に訪れた。
「あうぅ、くあいったあー」
メルシャンが唐突にでもなかったが苦しみだした。
「あわわ、ふわわ」
「どわわ、のわわ」
年少組が慌てる。とゆうか典型的なパニックで走り回っている。(余談だが、シャリアはコーキ(今更だが前世の名である晃樹より)の言うことが聞こえていない(元々耳で聞いてはいないが)状態である、まぁそもそも寝てるのだが)
ソルトはシャリアに引っ張られてるのだろうか、時々落ち着いては慌て出す。
お母さんはいろいろ物を持ってきてはあたふた処置をしている。予想外すぎて慌てまくってる。まぁ、そりゃあそうか。
そしてこの現状、シャリアもソルトも分からなくて当然である。
そんなわけでエリシアは慌てず騒がす落ち着いて、加えてそう念じて、氷水を用意する。彼女は氷魔法の制御がとても上手く、自然と同様の性質を持つ氷を作り出すことができる。この氷だが、チューンの熱が一日たってもまだ落ちないのであるそうな、ということである。
おっと、今日は合唱から一日たってのことである。
ところで、チューンの熱が落ちてないのは何でか理解していないようだが、いろんな意味でお熱なだけである。
恋愛的な意味ではなくとも、年頃の男女である以上どうしてもそうならざるを得ないのであるし。
ことは概ね済んだところで、ようやく二人は落ち着いた。
「結局なんだったの?」
「お尻から血が出てたよぉー」
ソルトよりシャリアの方がよく見ていたらしい。あんなに慌てていたのにも関わらず。もしくは見たから慌てたのか?
「あれだ、大人に近づいたんだよ」
「「……よくわかんない」」
チューンが降りてきてざっくり説明しても理解されないらしい。
「チューン!何で降りてきたの!?」
「下がうるさいし、もう元気だって言ってるじゃないか」
そうやって、ギャーギャーもめて(?)いる。
(「なんだか、いいなぁ、あーゆーの」)
コーキはふとそうもらした。
(「え?何で?喧嘩してるだけじゃないの?」)
(「シャリアには分からんだろうよ」)
前世ぼっち気味だったとか悲しくていえない。
ただそれだけではあるが、逆にシャリアの方は孤独とはほど遠いのである。なんかそのせいで余計悲しいのである。
(人はこの羨むべきものを青春というのだ。謳歌したかったわぁ)
とか思ってるとか思ってないとか。まぁどうでもいいです。ならなぜ語ったのか?そこは自分が一番気になっている。
まぁいいです。
「魔法を使えない……」
「何をしようとしたの?」
チューンがエリシアの手を取ってそんなやりとりをしていた。
「ああ、魔力を渡す魔法があっただろ?あれのアレンジ版。たまに使えるんだよ」
「ほぇー」
「……」
「いや、なんか反応してよ」
「急に反応できなくなった」
「そっか」
じーっとシャリアはそっちを見ている。
コーキの方はその後ろから女の子が来ていることに気づいたが、それを伝える前に話しかけてきた。
「だぁれー?」
「ふぇ?……私~?私はシャリア。よろしくー。リブちゃんだよね?」
自分より背の低い子供は初めてなので若干慌てるシャリア。
コーキはとりあえず外の方に意識を向けている。
「うん。よろしくシャリねえ」
シャリ姉とかって呼ばれても違和感を感じず応えるシャリアは図太いとか慣れてるとかではなくてむしろそういうものなのだなと今知ったかのごとく考えている。そしてそれには誰も突っ込まない。幾年かあとこれが微妙な影響を与えることとなる。
「うん、よろしく」
ところで、シャリアとリブが会っていない理由だが。
「あ、まただ」
「え?」
ヒュン、と音を立て消えた。
「またかぁ」
魔法がしょっちゅう暴発するため、基本隔離していたのである。
今回は転移魔法らしい。彼女の適正ではあまり遠くに飛べないらしく、大体すぐ見つかるのだが。
(「チェンジ」)
(「おけ!」)
とはいえ転移魔法の暴走というとこうなる。
「光よ、揺り籠となり彼女を守れ!」
コーキの魔法により高度知らない(角度45度身長90cmが目測12cmということにしよう、高度どれだけだか知らないけど)から落ちたリブを包み、ゆっくり下ろす。
「あっぶねぇ、暇持て余して見てなかったら真っ逆さまだぜ」
「あ、コーキ?」
エリシアとメルシャンはコーキとの会話も多く(主な話題は、前者は雑談、後者は魔法談義)、ソルトもよく知っている。
「ところでさ」
生理痛をおさえたメルシャンが問いかける。
「シャリアにさ、ここに来たときの記憶ってあるのかな?」
「あるんじゃないか?」
「なら……あの子は私の治療法知ってるかもしれないね…」
そのとき、一つの記憶が電流のごとく走った。
――――――
私は――人。―か―、こう――てし―――の。
わた―の名――はメル―ン。
―――――も――嫌―――――。だ――、―――――わ――――の。多――、あ―――――て――――か――。
―――――ず――や―――法――つ――。―れ――、―の――く――――わ――。―――は――を――――い。
――ら――た―た――。―の―う―う―。
わ――を―――――――――。
――――――
えーと?
「虫食いの記憶だわ。ちょっと頑張ってもらってみる」
これからは記憶の旅が始まる。
「ふぅ、ちょっとは、ましになってきた」
ましになったコーキの副作用を感じながら、また日常が始まる。
3年後から始めた理由について。
順当に進めるとフラグ処理など面倒な展開になりそうだったので後付けで進めたかったこと、予定からすると長くて4、5話で変化の説明が概ねできそうなこと、それに補足で順当に進めてもほぼ同様のスケールの変化が起こること、これらからによります。
それらに関係して、どうしても話の中で出すのが困難な補足をしておきますと、『始まりは図書館の中で』の最初ですが、セリーナ・アンノン視点の描写だ、と断言しておきます。
これで分かることもあるでしょうか?
そんなわけで長々と失礼いたしました。
p.s. 生理痛ってどんな感じなんでしょうね?感じたことないので分かりません。調べたり聞いた限りではどうも個人差がひどいようですが。




