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通信機とお部屋

 ぐちゃぐちゃになってる…。

「何だろうね、これ」

 記録しとこう。

 神がいないんだよね。忙しいのかな。思い出したときにでもこれについて聞いておこう。

 これを表現できない。すべてが入れ替わり置き換わり地獄よりひどく目に悪いおのろどろひい(だっけ?)。

 おのろおのろしいか。

 うーん……これも違う?

「あ、文字だ」

 えっと…。

 見た者は人に伝えよ。三の世界が燃え尽きるとき、玉座に立つのは陰陽併せ持つものにある。自覚せよ、そして傲岸たれ。

 ……記録しとこう。



 なんか、疲れた。

「ぐふぅ」

 机に突っ伏す。

 幽霊も床に沈んでいってるのが机越しに見える。それ以上降りちゃだめだよ。

「疲れているようだな」

 む?顔をあげると、なんか白ひげのおじいさん?おじさん?が同じ目線から除いていた。

「私の名はデック・スィアチ。後でちゃんとした自己紹介をするとしよう。あなたの部屋の用意ができたので参りました」

「うん、わかった行くー」

(「運んで?」)

 鎖で。

(「あいよ」)

 鎖で車椅子風に組まれて運んでもらう。

(「さすがに時空魔法併用しないときついわ」)

(「そっちの制御は私がするね」)

 さすがに無茶があったみたい。かなり複雑に組まれている。鎖を繋ぐように魔法を作ってるようだけど、それが楽なのかもしれない。

「こちらになります」

「わぁお」

 広々とした部屋だった。ホテルの一室かのごとく。多分横にあるのはトイレと風呂場。

 キッチンとリビング、そして寝室。元々下の階で大体のことは済ませられるこの建物で一人に用意されるには過剰な気もする。

「キッチンについてはご利用なさらないのでしたら改築いたしますが、いかがいたしましょう?」

 私専用のキッチンがあるなら料理を本格的に覚えてもいいかもしれない。

(「お兄ちゃんって料理できる?」)

(「ん?まぁ多少は作れるぜ、和食ばっかだが」)

「大丈夫、たまに使おうかな」

「かしこまりました」

 じゃのー。

「ふむ」

 改めてリビングを見ると見慣れないものが一つ。

「あ、通信機か!」

 かなりでかい。テレビ台とテレビぐらいのサイズとスペース占有度合い。

(「いろんなところにつながりそうだね」)

(「だな、倉庫部には普段から世話になりそうだ」)

(「そうなるね」)

「じゃ、とりあえず寝る」

(「おやすみー」)

 ふと疲れがぶり返してきたので寝ます。

 すやぁー。



 はて、どうしたもんか。

(「叢那ー?」)

(はいはい何でしょう)

(「暇」)

(おまえも寝たらどうよ)

(「今はもう眠れないんだよ」)

(へー、私と同じか)

(「おめーもか」)

(うむ)

 本当に暇だ。なんせ寝てから10時間ほどだ。

(シャリアちゃんに伝言。そろそろ自分のことだけ考えてる余裕ないかもよ。敵のこと、神のこと、クラウスのこと。たくさん理解して、って伝えといて)

(「おう」)



 朝が来た。え、朝!?

(「夜は過ぎてるぞ、おはようさん」)

「まじか…」

 寝過ぎた。

「あれ……?バックの中に血が…?」

(「血がついてたものでもあったか?」)

 やばい、何も思い出せない。

(「そもそもいつの血だよこれ」)

「わかんない……あ、あった。このパン焼いてハムエッグ乗せて食べるんだー」

(「うまそうだな」)

 ふふーん。

「あ、これ魔力ある?」

(「切り替え、魔力……いや自分でできたよね」)

「ちょっと寝ぼけてて自分で見るのは…」

 目のピントが合わせられない。そもそもお兄ちゃんが合わせてる左目の情報も頭にちゃんと入らない。

(「あるな。じゃあこの前見た下のは…?」)

 何か特殊なことをされたのかもしれない。

「食べてから続き考えよう」

(「だな」)

 キッチンに向かう。


 食べながら通信機を起動する。ヒピッ、と音が鳴り起動する。

「ごめんなさい、寝てました。今の間に何かありましたか?」

『気にしなくて大丈夫ですよ。それと、その身体的に不安定な面は部隊内に報告済みですよ』

 クラシェさんが対応してくれた。あれ、なんか話がおかしいような。

「不安定?」

『そもそも戦争中の治療の仕事、ともにしていたではありませんか』

「……あ」

 いたわ、確かに。

「今はお兄ちゃんも戻ってきたから大丈夫ですよ」

『ああ、そうだったのですか。それは失礼しました』

 さて、うまく焼けたハムがかみ切れない。

『ところで、ちょっとした問題が一つ』

「はいはい?」

 引っ張ってようやくちぎれた。

『の前に今の音なんですか』

「ハムがかみ切れなくて引っ張った」

『な、なるほど?えっと、話を戻します』

 ごめんね、空気読まなくて。

 それにしてもトーストの上にのせるのはだめだったかなぁ。落としかけた。

『烈熱帝国アイスボルケーノにて氷子が暴れてると抗熱部より応援要請が来てまして』

「う、うん…?」

『誰もどこにあるか知らなくて転移できないそうです、知ってる人がいたら聞き出してほしいとのことです』

「は、はぁ……」

『では』

 きられた。

 それにしても、なんか久しぶりに聞いたな。その国名は煉獄の神の話の時にしか聞いたことがありませんよ。

(「そういや、伝言がある」)

 おや?

(「自分のことだけ考えてる余裕なくなるかもしれない。敵のこと、神のこと、クラウスのこと。それらをたくさん理解しておけ、とさ」)

 ふむ。敵のこと、クラウスのこと、か。神はともかくとしてそれらはとっかかりを探しに行かないと。

(「俺としては、あれだ。難しいこともたくさんあるが、楽しめるようにも過ごしてくれとも思う。無理しすぎるなよ」)

「うん、わかった」

 ちょっと重い。でも確かに仕事することしか考えてなかったな。

 また鎖で実験してみよう。

「あ、この前のこと怒るの忘れてた」

(「ん?」)

「魔龍が魔力ばらまいてたときムラナがなかなか制御返してくれなかったんだよねー、ちょっと怒ってる」

(「なるほどな」)

 しばらく会わなかったらこっちから乗り込んでやろう。やること多いね!

 ……んー。あ、そうだ。やることきーめた!

ところでバックを汚した原因であるいつかに血まみれたものを描写したはずなんですが忘れました(仮にも物書きとしてはあってはならない最悪な発言)。

「()内がすべてを物語っている」

「うーん、なんかあった?」

適当に突っ込んだから何も覚えてないんですね、そりゃそうか。

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