緊急解呪ダッシュ
作者も忘れてた後始末。全員、忘れてはいけなかったのですが。
投稿があいた理由はスマホが危うく壊れかけたからです。一安心なところで投稿です。
とりあえず見つけた人を解呪しつつ、探知手段をお兄ちゃんに用意してもらう。
(「よし、とりあえず近くにいたら教えられる」)
おー!手際いい!
すたこらさっさ。解呪は言葉も発さず近づきもせずぱっと終わるので。
「とりあえず終わり」
(「次は左だな」)
地域が概ねわかっているので、簡単?
そんなこともないか。
「前に私がパンを配ってたあたりに近いね」
そのときに予兆があったなら申し訳ないなぁ。
ん?路地裏に人が倒れてる。
「大丈夫ですか?」
「大丈夫だ、軽く酔っただけだ」
っと、この人もか。
(「あ、まずいかな?」)
(「だな」)
解呪!バックステップ!
「っちぃ!」
む?奥に骨が。え、何を食べたの?
………人間?
「食べるの?」
「ったりめぇだ」
当たり前では困る。
そもそも心魔法が効かないから対応に困る。あぶな、かすった。
とりあえず邪滅で無理矢理押さえ込むか。
えっと…。
「聖女とターゲットを視認!総員、急げ!」
なんかぞろぞろ来たー!?
「ターゲット?殺すの?」
「殺霊の任務である」
「ならやろう!」
せっかくなら任せよう。はい!
「……おうよ。闇よ、疾く刃となれ」
一瞬だけいつもの曲刀を作り出した。
「おぉ?見知った気配だ」
誰?
「長かったわ。久しぶりだな」
「そうだな。それに……その様子じゃあこっちにゃ引き込めねぇか、なるほどな」
知り合いですか。そうですか。私の知らない知り合いとはね。もやもやするなぁ。
「悪事が基本だからとっつき辛いことこの上ない、許容できないことを忘れるのが聖人だ」
「はえー」
「知らんのか。何か不自然な忘却に心当たりはないのか?」
「なんか知らんが、シャリアは都合悪かろうが認識してるし割ととっつきやすいと思うぞ?」
直前の問題とかも許容してなかった気がする。
深く考える暇なかったけど。
「そうなら多分お前のせいだろうな」
「だろうな」
それにしても肌が茶色い。
「じゃあな、ギャラル」
「おう、少年……じゃなかったわ」
「どっちでもいいよ、俺は一応男だったし」
「そうか。少年、何かあったら来い」
「わかった」
さて、そろそろ事情を聞くか。あ、でもその前に今やってたこと済ませないと。
「後でお話ね」
(「あいよ、あいつのことだろ?」)
「うん」
本当にいつの話よ?
長かったが、こいつで終わりか。
仕事中か。鳶職…?
「……結局、あんたは何だったんだ?」
「愛するということに詳しくなかったということだよ。女への愛し方と、家族への愛し方の違いが分からなかったのさ」
「………」
なるほど?
それは、なんというか、うーん……。
「貴様の誤解を解く必要はなかったが、さすがに手に余るから好きにしていたのさ、殺されそうなら割って入るつもりだった」
空飛んでんだよな。こいつ。
「まじかよ」
「実のところ店に入るまでは尾行していた」
「ほぉ…」
全く気づかなかった。
(「とりあえず、終わったよ」)
「あぁ、魔法解けたってよ」
「の、ようだな。ありがとう、シャリア」
「うん」
さて、帰るか。
「実際のところシャリアは、どこででも生きられたのだろう。俺の下でもあいつの下でも、生きること自体には困らなかったのだろう」
「あいつのほうは全く状況がわからん」
「そうか、どうでもいい。貴様は、せいぜい頑張れよ」
「……おう。誤解して悪かったな」
この話からも考えると、やばいのは母親の方だったのかな。
「ふん。その生き方に成れたのなら、誤解してかれてよかったがな。…シャリア、暇ならたまに顔を出してくれれば嬉しいぞ」
「うん、わかった。またね、お父さん」
なんか気持ち悪くにやけてるぞ。デレデレじゃねぇの。
……………。なんか、重いな。……………………。
「落ち込んでもしょうがないよ。そんな気になるなら私の暇を出すためにキリキリ働け」
え、えぇ…。
(「おお、おおおう、わかった。そうするわ…」)
(「あはは、どうしたのよ」)
(「びっくりしたんだよ!ってかどこで覚えた!?」)
(「お兄ちゃんから学んだ!」)
(「当然だったわ」)
それならよし。何もよくないけどよし。




