表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
131/182

大人と子供のその間

ひどいやりとりにちゅうい。

 私たちは、その生き方を求められているのか。


 それは、唐突だった。

「よろしく頼む、シャリア」

 知らない少年に、ベタベタと触られる。それ自体は不快なようなそうでもないような。

 それだけならそれでいいけど、どうもこの少年を連れてきた夫婦がきな臭い。

「どうしたの?お腹痛い?」

「えっと……、神様がうるさくて頭痛い」

 いう言葉に困ったのでムラナを言い訳に使う。便利。

 …?

(「ムラナー?」)

(え、あ、今のツッコミ待ち?ごめんごめん)

(「こっちこそごめんね?それよりこの人の加護は?」)

(……コーキの力を使えば見えるよ。何の神かはそれ見てから判断する)

 少し考えてた?まぁいいや。視界を魂限定にセット!

 見えた。

(うんんんん?あぁ、銀川の神イヒカ。問題はさほどないけど、ただなぁ…)

(「どうした?」)

(シャリアが聖女になった瞬間に何かが起きて、何が起きてその対処を私がしたことになってた)

(「やべぇだろ!?シャリア、大丈夫そうか?」)

 大分前の話だから心配しなくてもとかも思うけど、実際そうとも限らないのが悲しいところ。

(「平気だよ」)

(「そうか、よかったよかった」)

「……」

 今ふと思いついた。こっちからべたついてみるか。

 太ももの内側のほうさすられてさすがになんか困ってきたし。

「……」

 うなじの方に指を這わせる。

「えっ?」

 手をほおに添えさせ、その感触を味わうようにさする。まぁむしろ感覚切ってるんですけど。どちらからも外せるようになったのは便利。思い出すとはこうはいかないんなんだけど。体は覚えてるというやつ。

「どうしたの~?」

 耳元で(さえず)るように口にする。

「え、あ……」

 あっ、やばいこれ。そーゆーことかよ!?

(「これセクハラだったのか!」)

(「????????????????」)

(……へ、変なところでにぶかったりするよね、シャリアちゃん)

 やばいレベルで刺激したかも。

「っ!」

「あっ――」

 押し倒され、無理矢理キスされかける。

「や、め、て…!」

 片手を回されてて逃げられず、もう片手でズボンを脱いでる。待てそれはセッ(規制)

(「どうしよう?割と私のせいだよねこれ」)

(そうだね……うん、逃げようか。魔法で)

 なるほどね!

「空よ、私は逃げるぞ!」

 逃げるついでにズボンとパンツ没収ね。

 代わりに私のパンツとスカートはベッドの中の方に転送されました。

 はい、あの子の親とセリーナさんに言いつけます。

「ちょっといい?」

 がちゃっと。

「ディブロはどうした?」

「お母さん、わたし部屋はいるのはちょっと……」

「聞いているのだ!答えろ!」

 ちょい引っ張るな!?ってあ!

(「下半身はだかなう!」)

「なう?ってちょい待って!?マジ!?」

「投げつけられたコレとって逃げてきた」

 あいつのパンツとズボンです。返すね。

「………」

「どう弁明するおつもりですか?」

「うわみられた…」

 適当なこといっておく。とはいえガン見するなし。

「この雌豚が!ふざけやがって!」

 どんな経緯ならこの逆ギレから陵辱行為に走ろうとするのか聞きたいわ。多分どうでもいい理由だろうけど。

「これ以上は審判を下します」

「どの神が見ているというのかね!儀式もなく!」

「シャリアは神に唯一の眷属として寵愛を受けています」

 あれ、体の制御ほしいの?……じゃあ抜けよう。

「故に我は見ているぞ、愚か者めが。全くどう慣れたらこの生娘がおふざけで逆に色仕掛けを仕掛けたり何の動揺もなく半裸のまま大人にけんかを売りに行くように育つのやらなぁ」

 え、ムラナさん!??!?なんで!?

 しかも私がボロクソ言われてる!なんでだよー!おかし……そこは普通にわからないや。

「赤黒い髪?どの神だ?」

 何でもいいや。

「何でも良い。朕のことは教皇とやらが知っている。この生娘の主神と伝えればすべて解するだろう」

 あれ、後始末してないからこうなってる?

(「もしかして」)

(「解除忘れてたな、うん」)

「ふざけるな!そうなるなら皆殺しだ!殺せ!殺せ!」

「雷よ、悪よ、解呪せよ」

「……」

 あっさり?

「術者が放置していたからだろう。雷電を不得手とする生娘でも容易か……あ、もうこの口調じゃなくていいや。じゃ、無駄にうるさいだけの神は帰りますね、ばいばーい」

「あいつかよ!?」

 ……。

 気絶してる?

「あ、ありがと」

 お兄ちゃんが回収してくれた。いそいそとはく。

(「ところで、どれぐらい知ってる?」)

(「知識だけならお兄ちゃんがいなくなる前からある」)

(「あったんかい」)

 知ってただけだけど。それに伴うあれこれはよくわかってなかったし。

 なんというか、でも私には理解できないんだと思う。恐怖や嫌悪感をいまいちかんじなかった。

「怖くなかったの?」

 ソルトが心配してくれた。手をさすってる。うん、やっぱりなんか感じるものが違うよね。

「大丈夫だよ」

 大丈夫だった点において大丈夫ではない気がするけど。

(「ところでお兄ちゃん」)

(「なんだー?」)

(「ふと思ったんだけど、私チート異世界転生といっても過言ではないのでは?」)

(「んなこと言われても知らねぇよ、つか転生したの俺の方…」)

 うん、ほかの誰にいうのもだからお兄ちゃんに言ったけど。

(自由ね、あんたら)

(「確かにそうだね」)(「そんなもんじゃね?」)

(……ぶっちゃけ、魔力が少なすぎて強さには難があるよ。でも、弱くはない)

(「お兄ちゃんのおかげである程度克服できてるからね」)

 鎖が結構たまってきてる。これを使う実験もしてみるかな?

 とりあえずげしっげしっと蹴っとく。

「こえーよ」

 ブレイザいつから見てた?

「我は許さぬ」

「誰だよそれ」

「あはは、わかんなーい」

 適当にふざけてるだけだし。とりあえず裸足になって踏みつけておく。直接触れないと浄化しづらいからねー。蹴るのはそろそろやめとくべきだし。

(そういや私も混じってた頃だけど似たようなことあったの知ってる?)

(「んー………と、あー、はっきりとは分かんない。でもこんな感じのことを大きくなったときに聞こうとしてた記憶がある」)

 結局記憶が混ざって理解できちゃったわけだけど。

 とりあえず、除染完了。

「いったん部屋戻るか」

 そうして戻り、扉を開ける。

「えっ?」

 それはあった。

「………危なかった」

 透明な膜で防御された中は、血みどろ。

 深く確かめる限り、内側から何かが爆発した様子。

「えっ、と…」

「呪いね、これ」

 ……急ごう。

「……行ってくる、これ任せていい?」

「問題ないわ、早く洗脳の呪いを解いてきて」

「うん」

 急ごう。

彼女は人間が普通持っているものを失っているのは相変わらずなようです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ