狂いまくる視点のハイパーラッシュ
1シャリア、復活
2リブの感性
3不機嫌な龍姫
4コーキ、思い出す
5魔女の最期
……。
(やぁーっと消えたー!)
(「はあっ!?叢那!?」)
(いやー壁の中に入るとは思ってなくて説教してた)
(「何の話だよ……とりあえず、眷属なんだっけ?」)
(あんまり気にしなくていいよ、もうそろそろ現人神って呼べるし)
うゆ。
(「ふぅん」)
(シャリアちゃんとコーキくん合わせたらもう使えるでしょうからね、神の魔法を)
(「なるほどなぁ」)
……うー!
(「にしても」)
(「うるさーい!!!」)
(あ、ごめん)
(「すまんすまん、起こしちゃったな」)
眠いわけでもないけども、さすがに。
「……お兄ちゃん、おかえり」
(「おう、ただいま」)
長すぎるんだよなぁ…!全く。
「ところで、実験しない?お兄ちゃんの新しい力」
(「いや、せめて確認と言ってくれね?」)
「あ、ごめん…」
また忙しくなるぞー!
うぅ…。うなされた。
「リブ、起きてるか?」
「うん、今起きたところだよ」
「大分雰囲気変わったね、おはよう」
そうかも。
とりあえず、シャリ姉には後で謝っておかないと。
「頭がすっごい冴えてるや」
「まぁその手の種族じゃ、ちゃんと取らないと駄目だしな。定期的に血でももらっておけ」
「うん、そうする」
申し訳ない。ほかに手立てがないんだよね。
「とりあえず、掃除するよ」
「大して暴れられてないから、そんな荒れてねぇぞ」
「だからだよ、結構私じゃん」
「………否定できないな」
今までよりは、眠れなさそう。
つーん。
「寝ているのか」
「何かあったんだろうね、鼓動がすごく早い」
「神も、人のように鼓動するのか」
「肉体はあくまで大体は人間のそれだもの」
あくまで大体、ね。人間は鼓動が秒間5回なんて起こるかなぁ…?
魔龍は焦れば十回ぐらいになるかな。
「にしても魔龍の本能が、その血と性に飢える様とはな」
珍しいねほんと、そこまで踏み込むの。
「そうね。まぁ失望するほどのものもないでしょうけど」
「いや、そんなこともないぞ」
「あら珍しい」
ま、いっか。ここからは利害を超えた利害による繋がりでやっていくでしょうし。
ただ、怖いんだよねー。
「ねぇ重い、持って」
「断る」
ですよねー。
どうやら俺の力は、鎖の生成と分解、そして貯蓄。
それと視界を魔力のみ、物理のみ、それと魂を見るなど色々変えることもできる。
ちなみに、義眼の色が赤固定。俺が出てるときは別だが、普段はオッドアイに見える。
区別するのにはそれより髪色の方がでかいが。白と黒だし。灰色から分かれてらぁ……。
俺の方については完全に「ムラナ」といたときの姿よな。
(「これ、同じとは思えないね」)
「確かにそうだな」
「あ、……と、ごめん、名前なんだっけ?」
「うん?あ…」
さっきの羽生えてたやつ……ってか、おまえ、リブか?
「リブか、ずいぶんと雰囲気が変わったな…」
「うん、久しぶり。わかりやすくなってるね」
「だなー。あ、俺はコーキな?」
「あー、そうだった」
こっちもずいぶんと大きくなった。
シャリアもそうだけど、大分時間経っちゃったからな。
「さて、もうお昼か?」
「うん」
じゃあ戻るか。
[ふぅー、ふぅー」
死んだはず。私は、死んだはず。
「はっはっはっはっは……」
目の前の存在はなんだ。
[炎よ、空よ、等しく混じり焼き尽くせ!」
恐怖、恐怖だ。なるほど、これが恐怖か!
事態を把握した!
[ふん、せいっ!」
魂が砕けていく。……これで、よし。私はなり損ないの用意した筋書き通り、消滅しよう。
でも目の前の神、下したかったな。
今日はいい日だ。
「昼寝日和というやつだな」
「いつまで寝てるのかしらね?」
妻にはこのいわれようだが。
「ネジェルが帰ってきましたよ」
「おや珍しい、よいしょ」
今日は特にいい日のようだ。
「相変わらず原形とどめないね、この部屋」
「ひどい皮肉だ」
理由が理由だというのに。
いつも吹き飛ばしてしまうからな。
「ただいま、父さん」
「うむ、おかえりだ」
老い先短いからな、家族の時間を大事にしないとな。
お昼ご飯は、完全にお祝いでした。
まぁ無理もなく。
(ほんっと、ようやくだよね、お目覚め)
(「大分お世話になりました」)
(「申し訳ないわ、俺がふがいないばかりに」)
(まぁ割とどうにもならない話だったけどさ、後で情報、すりあわせてもらうよ)
何を抱えてるのか、楽しみだ。
というかそもそも事態の推移が全体的に変なんだよなぁ。何か今までにない存在が一枚かんでるよね。
さぁーて誰なんだか。味方っぽいのが余計意味不明でさぁ…。コーキがそれ知ってるといいけど。
ってかソルトは?いつ部屋に戻った?
これ、何も考えられなくなってくるね。難しいなぁ。
『いたい』
「どうしたの?」
『おなか、けられた』
「いたそう…」
『くるしい、やめっ』
「どうしたの?」
『………かえる、じゃあね』
「またねー」
『うん』
……帰ってった。
神様の言葉、こういう風に聞こえてるんだね。……ようやく知れて、うれしいかも。
そしてまた痛む。また、傷つけられてるんだ。ひどいよ。
どうせ理由なんていらない。傷つける存在には、いらない。そんな諦めが、よくわかる。
その姿には俺の諦めが、よく見えた。神は、屑だ。
神は言った。身に服をまとうのは己を恥じているからだ。一糸まとわず踊れ、と。
俺の姉は、神に仕えるものとして美しく舞った。言われたとおり。ほかの女たちも、同様に。
神は言った。醜い女の裸を見せるな、と。
そして全て殺した。醜いといったその女は魂ごとすべてを漂白し、他は記憶を漂白し己の従者とした。俺の姉もだな。
「ノア、だったか?まるで始まりの聖女になぞらえたみたいな名前だな?」
「よく、わかりません」
「そーかい。で、それいつまでとか言われてるか?」
とりあえず自然に行われている淫行について言及しておく。
「ルーク様が、戻るまでです」
「そーかい」
本名名乗ったわけじゃねーのかよフォルダー。
魔女、おまえもそろそろ終わりだろ。ゆっくり休め。そしてこいつに休みをやれ…。なんて、な。
殺人鬼。人は俺をそう呼ぶ。
「さて………と、そういうことか?」
「その通りだ、兄者」
「嫁と娘はこぼれ、俺は一人と思ったが、な」
それも前世の話である。
「破滅の神リュウセイ、我が弟よ。おまえも頑張りな」
「兄者の方こそ」
はて、鍵を握るは…、フランベルジュ・ノーフェイス。アリア・フリー。エリシア・アンノン。そして、魔龍の轟吞。
お前ら、うまく頑張れよ。
7男教皇のおかえり
8ムラナ、考える
9ソルトの交信
10服を着た大男
11その神の名は
3回ごとにというやつです。
さすがに過剰。
どうでもいいですけど、天使って最高と最悪兼ね備えてるんですよね。どうしましょう、と。
今のところ、ここでは神は出ているけど天使はいないのも悩ましいところ。




