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狂え愛の歌、未来の前徴と常識の破棄

 祭りにおいて私たちがやる仕事は、夜だけ。

 ということなのでリブと昼寝。

「ねぇ、シャリア?ん、と寝てるのか」

「それ何回目…?どうしたのさシェーラ」

「いや、夜が楽しみで寝れないの…」

「一緒に寝る?」

「……うん」

 というわけで、夜ご飯まで三人で寝ましたとさ。

 いや、本当は寝てる間にメル姉がきて寝て起きてったらしいんだけど。



 メルシャンも寝てらぁ。あ、ムラナでーす。

「ってゆうか今更だけど何で私より先に把握してきたんだろうね、声届ける方法」

「話を聞く限りだと、あちらの方が魂でのやりとりに慣れてるだろう、それなのではないか?」

「なるほどね…」

 難しいな。今のところシャリアちゃんはほとんど変化なし。伸び悩んでる。

 最近は神の魔力の動きも過剰に少ないし不穏なんだけど。

「仮想的が極致普通に使ってる以上、コーキなしだと怖いよなぁ」

神卸(かみおろし)の備えをするべきではないか?」

「何それ?」

 知らないなぁ。

「眷属に己を憑依する技だ、眷属は己の魔力すべて神の魔力に変えなければその命を引き換えにする必要があるがな」

「あ、もしかして娘さん…」

「その通り、それを介して魂を剥ぎ取り奴隷としたのだろうよ……あの魔力の神は!」

 あ、魔力の神は敵確定だなこれ。シャリアちゃんも多分好みだわ。娘さんの写真からするに、あの子の成長体とシャリアの成長体と輝神、結構似てるだろうし……って、やっべ写真で思い出した。

「あのさ、娘さんの写真って出回ってた?」

「む?いや、別にそんなことはないと思うぞ?盗撮されたものについてまではさすがに知らんが」

「そっか」

 うーん………。じゃあ情報の出所どこだろ。

「さすがに」

「ん?」

「あいつ眷属一人しかいないってのが嘘の可能性はないよね?」

「ないな。正確には眷属に封印されているのだ。その眷属はほかでもない魔龍、轟呑王の娘よ」

 あぁ、なるほど。にしても轟呑王については触れてなさ過ぎたな。

「あっち行くなってそういうことね」

「その通り、さすがにやつに悟られると問題だ」

「あいつ強すぎだろ」

 破壊神かなんかか?あ、そうそう。

「あ、夜に祭りのイベントやるって。一緒に見る?」

「………ふむ、行こう。龍姫も連れて行くか?」

「だね」

 メンマちゃんも楽しんでくれ。


 というわけで夜です。

「ひどい話もあったもんだよね」

 ごめんて。



 本当にひどい。めちゃくちゃなことするよ。

 でも嬉しいし楽しみだけどね。

「行こうか!メル姉、アリカ!」

「うん」

「おぅけぇーい!」

 拡声器使ってぶちまける。

「じゃ、花火いきまーす!火よ、舞い踊れ!」

 花火とかいう割とここではマイナーなものを壁の上付近から打ち上げる。

 どーん!まぁこれは全体へのお仕事。

 そして!本題!人(?)力のイルミネーションだ!

 いくぜ!

「光よ、舞い踊れ!」


 


 ばたん。

「お疲れー」

 ぶっ倒れてます。案内だけきっちりした。

「お疲れ様だよ、ほんと」

「見事だったな。あのようなものは初めて見た。あれも異界の演出か?」

 後なぜか二人がいました。居てもいいのか?

「そうだね、再現できるなんて思わなかったよ。機械で大量の電気明かりを操作してやってたものを、数人が頭の中でこなすなんて」

 なんでメル姉に憑依してるの…。

「じゃ、この子も疲れたみたいだから戻るね、お水いる?」

「もらう!」

 二人はどうするー?

「恵んでください」

「頂こう」

「じゃあコップ持ってくるねー」

「えちょ大丈夫?」

「うん」

 アリカは元気ね。

 そして持ってきてくれたコップに、エリ姉が水を注ぐ。もらってくねー。

「にしても、シャリアちゃんは魔力常にため込んで疲れないの?」

「え、何のこと?」

「左腕よ」

 左腕に、魔力?じーっ………。ああ、なるほど?

 これお兄ちゃんの周りに集まってるんだ。

「私は何もしてないね。お兄ちゃんだよ、これ」

「あぁ、なるほどね?そろそろ、動けそうなのかな?ムラナの権能のせいで時期がわからない分、余計楽しみだよ、覚醒の時」

「普通ならあるかどうかからわからないものだが、な」

「これでも魔龍ではあるのだから当然わかるわよ」

 なんかすごいんだねぇ。あんまり触れないでおこう。ムラナが黙ってるのが不穏すぎるから。

 黙って「いる」。見てるのに無言なのがとても不穏。

 どこが問題?少なくともムラナの話はしないでおこう。

「さて、シャリアちゃん。ちょっと手を貸して」

 左手を取られメンマちゃんの胸の上に置かれる。

「んー……前じゃだめだな、えいしょ」

 そして、服をぬ…がなかった。背中をさらす。

「背中に手の甲を当てて?」

「はい」

 背中からなのに心臓の鼓動がすごい感じられる。

 そして、決定的に変わった。

「うん、おっけー。これなら出力も十分そう」

 お兄ちゃんがいるのが、はっきりと感じられる。

「解放前にやるの普通はやめておいた方がいいけど、今更だよね。しかもその感じ、元々その状態だったでしょ?」

 服を下ろしたらなんか据わりが悪くなったようでがさごそしてる。

「お兄ちゃんが動いていた分、もっとはっきりしてたよ」

「なるほどね、すごい話だ。さて、もう少しざっくりしたお話でもしようかー」

「うん!」

 落ち着いたので後はお話タイム。


「だから、毎日楽しいんだ!」

「ふふ、平和だね。とてもいいね」

「そうだな」

 とても自然な笑顔でいてくれて嬉しい。

 何かしら思うところがあって戦争やらなんやらやってるんだろうけど、二人とも優しいよね。

「ああ、もう帰ろうかな」

「そうだな、空間魔法を使わせてもらう」

「問題ないよー」

 といいつつ何となくメル姉の方を見る。

「いいよ、割と日常だしね」

「そんな日常はさすがにどうなのだかな?」

 苦笑されたが、私それ知らない。

「リブが最近本格的に魔法を使えるようになったみたいでね、よく空間魔法使ってるの……まぁ使えてないんだけど」

「危なくない?大丈夫?」

「うん、かなり小規模だから」

 そういう問題なんだろうか。なんだろう、リブはよくわからない所多いんだよなぁ。

 決めた。今夜は起きてよう。

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