体 重
体が重いので運動します。
「……訳わからねぇなぁ」
準備運動してて思ったんだけど、私の体柔らかくない?
あいじばらんすー。よゆー。これできる人すごーいって感じだったような。
あ、パンツ見えないようにしましょう。ブレイザが鼻血出しそうです。
「というか興奮するもんなの?」
「するだろそりゃよ…」
ふぅん。そうかぁ。
「縄跳び」
ひゅーんひゅーんひゅーん。
「何が楽しいんだろう?」
「やり出して自分でそれを言うのか…?」
そー。何というか。あ、二重跳びやろ。
「てい!」
引っかかってこけた。やっぱ無理か。
「無茶すんなよ、よいしょ」
「ありがとー」
起こしてくれた。
「やる?」
「やる」
あ、やるの!?やらないだろうなーと思いつつだったよ。
「よいしょ」
ひゅーん、ひゅーん、ひゅーん。
「慣れねぇ」
そんなもんでしょ。
「途切れなくやるのむずくね?」
ひゅーんひゅーん、ひゅーんひゅーん。
「引っかからないだけ上手だと思うよ」
「いや、ゆっくりめにやってんだし余裕だろこれ自体は」
うん…?そうか。
ひゅーんひゅーんひゅーん。そろそろこの擬音もくどいかな。
「あでっ」
あ、こけた!
「だいじょーぶ?」
「おう、一応できた、でいいのか?」
「まぁ、うん、そうだね」
よいしょ、起こす。
「何してたのー?」
「縄跳び」
「なんだそれ」
「あぁ、やったことあるわ、懐かしい……シャリア、貸してくれないかしら」
「いいよー、はい!」
お母さんに渡す。
「てい、てい、てい」
後ろ飛び…どころじゃないね、後ろ二重跳び。すご。
「ふぅ…やっぱり三重跳びは無理そうですね」
なにそれ。あ、紙が落ちた。
「落としたよ!」
言ってからじゃないと危ない。
「あら、これ捨てておかないと」
「これ手紙じゃないの?」
「見ない方がいいわ」
えー。気になるー!
「気にしない方がいいよ?」
「エリも内容知ってるのか」
「うん」
エリ姉になつきすぎでは。
「なるほどなぁ…」
「どうしたの?」
何がなるほどな、なのやら。
「いや、俺は察しがついた気がする」
「えー!?」
まさかの回答!嘘でしょ!?何で!?
本当にびっくりした。何で私だけ全くわからないのさ。
…あ。
「ところで本読んでばかりな気がして体重が気になったの」
「……」
「うぅ」
お腹押さえてる。確かに前よりちょっと出てるね。
「だからなんかして動こうと思って始めたんだけど…」
「なるほど、なら北区に訓練場があります。いろいろな競技も遊具もありますよ」
ふむふむ。
「もしかして魔法の練習もできる?」
「ええ、おそらく」
おー!
「行きますか?」
「うん!」
「俺も気になる」
「じゃ私お留守番しとくね」
「わかったわ。よろしくね」
出発進行!
で、運動場に来た。
「あれ何?」
ハードル走ってやつだろうけど。
「あれはかけっこのようなものですね。あれを飛び越えながら走ります」
やっぱりか。
「やりてぇ」
「私と競争しよう!」
「おう!」
でもあのクッション飛び越えずらそう。
でかいし。
「いくよー!」
「おー!」
よーい、どん!
結果ダイジェスト。
「ふあっ」
「わちゃっ!?」
「あぶっ」
「ぎゃふん!」
「うー」
「ぽんっ!」
「あい」
「どーん」
「わつーっ?」
私は6回中2回、ソルトは1回飛び越えられました。はい、引っかかり倒してゴールですとも。
「大丈夫そう…?」
「怪我なんざしてない。それにしても、むずいなこれ」
「ほんとだよね」
なんか視線を感じるけどほんわかしてるから気にしないでおく。
「あ、ボールだ。使っていいですかー?」
「好きに使いなー、ほれグローブだ」
キャッチボールしよう!
ちなみに、そこらにすっ飛ばしまくったのは内緒。
内緒…内緒?うん、まぁ、うん?
「気にしてもしょうがないか」
「何がだ」
「何も意味はないよ」
「ないんかい!」
ないよ。意味ないよ。
「ま、明日は魔法の練習か?」
「うん、お兄ちゃんの使い方参考にして実現してみないと」
明日からも頑張るぞー!




