珠玉を贄の如く
引き続き注意。(前回)
「というわけだ」
……何を言っている、などと聞けるならよかったのだが。
「よかろう。貴様を案内できるだろう聖女がちょうどいる」
「ほぅ?」
「ここに連れてくる、しばし待て」
「うむ、拝見する」
席を出る。
「セリーナとつなげ」
「はっ」
すまんな、シャリア。
この時はまだ最悪でも貞操がどうとかとしか思っていなかった。
改めて、とてもきついシーンに注意してください。
ソルトとお昼寝中。おととい図書館に行ってほぼ調査終えたけど今日も行く予定。
なんですけど変な様子ですね。まぁ私は理由知ってるけど。
シャリアいつ起きるかなー。
「ですから……」
「いいだろ、別に。しかしいい子たちだなぁ。ずかずかと入ってすまんね」
「問題ないよ、神に祈りたい人たちをいつも入れてる」
ブレイザが例のあいつと話している。
『ブレイザ、原因』
「敵か?」
『不明』
なるほど、こいつか?
「シャリア君はいるかね?」
「いるぜ、今つないでるが…寝室だ、勝手に入るなよ」
「そこまでの無作法はしないとも」
あれ?シャリアは…。あれ?ってか…うーん?
「シャリアです」
「おお、君がか」
「……(いい女だ)」
間違いない!あのロリコン側近じゃない!?
好みが違う!!!!!!
そこかよとか自分でも思うけどそんなことより!これは真面目にまずいよ!!!
「緊急!緊急!誰も壁の中にはいれてないんだよね!?」
「えぇ、そうですね。彼も何かあって負傷したようです」
「中に、何かいる……!外部の、人間が……!!」
私の発言を聞いて、珍しく焦った様子を見せる道化。
「ふむ、かなり至急の処理が必要ですね、対神戦力を動かしますか?」
「お願い」
……ごめん道化君、まとめて失うのは、さすがに…………戦略的にきついものがある。
情が生まれてるのも否定しないけど。
「誰だろう?」
そう、何の意味もなくつぶやいた。
「うん?」
これは、なんだろうね。
「何かおかしいなぁって」
異様に何かを感じる。
「わからない、わからない…」
「何がそんなに疑問なのか…」
知らない何かがある。
「重すぎる…」
痛いものと、見たくないもの。
「ところで本題だが、この都市を案内してもらいたい」
「みんなにそういうこと言わないでよ」
「……む、そうか。これでもか。すまない、気をつける」
案内はさせる気だこれ。
ずーずーしい、ってやつ?
「まぁ、あ」
(叢那です、そいつマジで危険だから監視してくれる?あなた自身は私が守るから)
「……うん、わかった」
「どうした?」
「今案内してやれって、お告げが」
「なるほど。よろしく頼む」
周りは、私が守らないと。
それにしても何が起こってるんだろう…?
とりあえず市場の案内から。品揃えは相当気になるだろうし、私の話を聞ける場所は概ね北に限られてるから、中央は通っていないとみた。
「ふむ…野菜が案外多いな」
そうだね、この辺は食料系多いかも。
「外周は畑だらけだから」
「そうだったか?」
「あ、ごめん、北はわかんない」
「なるほどな」
あの辺はいろいろ例外そう。後北から来たんだね。
(サンクス)
いいってもんよー。
「お、魚屋?」
「西側に川と池があるんだ」
「ほぉー、後で見てみたいな」
「わかった」
にしても…。
「やめて?」
「何のことかな?」
たまにほっぺた触ってくる。気持ち悪い…。
「にしても…。お、服屋だ。そういえば、川では泳げるのかね?」
「泳ぐ……ごめん、わからないや」
「……どっちの意味かね」
「概念はわかるよ」
それとずっと魔法展開しっぱなしなんだよねこの人、怖すぎて笑顔が引きつりそう…!
「ふむ…服屋、試着室…ないか、残念だ」
うわぁ。
(大丈夫か、あれこれわかってるか)
それそのものは全くわかんない。それを指す言葉自体は多分大体わかってる、日本語はだけど。
(あー、確かに知らんな私も)
今朝の聖女シアの夢の最後も、あの後あれこれがあったんだろうね。
こいつを見て想像すると吐き気する。気持ち悪。
「ふむ……うん、まぁいい。さて何か…」
あきらめた。
(所詮ただの欲望だからね)
こいつそれ以外に何かあるの?
(欲望だけでわざわざ外から来ないって。しかも私たちにばれない形で)
でもばれてるよね。問題そこじゃないけど。
とにかく、経緯は大体わかったよ。望むもの、あげちゃっていいの?
(さぁ?物による)
適当な…。
「ここは、中心か」
「そうだね」
ど真ん中ついた。このまま南東…はあれか。なら西か北東に。うーん…。
「地下に空間は…あるな」
あ、とびきりのいやな予感する。
「降りるか、行くぞ」
(…!)
ムラナが何かを企んだ。
「えっ」
無理矢理転移された。
「暗いな、明かりをともすか」
ランタンを持っていたらしい。
「ふむ、元はここにあったのか…よしも……音だ、戻ろう」
転移で無理矢理戻らされるー…。
危なかった…。当たり前のように服を脱がされかけた…。
「何にせよ気持ち悪い…」
なんか乗り物酔いしたようなあれ。
「……帰るか、仕方あるまい」
「ん」
(…………………………………………………………………………………………………………………………)
どうしたのー?
(………何で、耐えた?)
何に?
(後でね、お休みー)
えっ?あっ?眠気?嘘…今、だめ………。
(やっぱり、寝ないか)
???
(いや、何でもないよ。それよりあいつ戻ってったから、帰ろうね)
ほんとだ。いつの間にかいなくなってる。
「なんなの…?」
振り回されっぱなしは珍しいかも。自分で言うのもだけど、振り回すことの方が多かったから。
「ほれ、……おぶってやろうか?」
戻ってくんなし。
「いい……転移で帰る。空よ、眠りの地へ」
家のベッドの中へ直行。
「よいしょ」
かぶる。お休みしまーす。
うぅ……。あの流れのままさらに何かされてたら頭の中ぐちゃぐちゃになってたかも。
それくらい気分が悪い。こういうのかなぁ、メル姉が感じてたのは。
はぁー、一旦のところは忘れよ。それがいい。そして寝る。ふん!
お兄ちゃんなら……いや、何でもない。なんか衝動的に殺してそうって察しつく。
あ、でもそれ私側の話だよね。あっち側の立場ならどうするんだろうね、私に。……考えるだけ無駄か。
ちなみに、メタ時空バージョンとはいえ私自身が言うのも何ですけど、本文中で改めて注意言ってるのはあの世界観の私ですから。他意はないですが本来受け取るべき意味合い以外に主張してますよ。




