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ちりとり日記  作者: よしだ やそう
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ガゴンガゴン!

どうぞお付き合いください。という傲慢さに乗っかってくださることを感謝します。

わかんない。わかんない。書かないといけない。

学校で楽しくおしゃべりして、おいしいもの食べて、たまにきゅんとなんかして、もっとたまにお勉強して、バイトして寝たり寝なかったりしているうちに、自分がどこかへ行ってしまった。目の前の結果が愛おしくて、結果が欲しくて欲しくて欲しくてたまらない自分がずっといるから、それがこびりついてはがれなくなってしまった。結果ばかりを愛するようになってしまった。書いたらどうなるなんてないんだろうけど、きっかけにつまづかされてしまったから、結末を自分につくってもらうしかない。あ、だめなんだった。結末だとかオチ、は結果だ。結果ばっかり追いかけるのに疲れた。落とし前は自分でつけろってお父さんはいつも言っていた。でも今日くらいはいいの。


頭のいい彼と違って私はプロットが書けない。だから私の書く文字はいつもあっちへ行ったりこっちへ行ったりして立ち消える。芯なんてないし目的もメッセージもない、だけど書き留めておかないといけない自家製の満足。

書かないととどうしようもないと思うときが人にはある。でも人は見たり聞いたりしたことのある範疇でしか物事を考えられない。だから私はばれたくなくて、自分の浅さを他に知られたくなくて、一生懸命書くことから逃げてきた。字書きにロクなやつなんていないと思う。特に私みたいな自分を偏屈と思い込んだような一般人の場合は。口をへの字にして雨降りの空気にのしかかられながら書く私は、はたから見たらどんなに残念だろう。と思って生きてきた。私はほかの目がどうやったって気になる凡人だから、凡人の自分を満足させるために字を書かない、自分にとって都合のいい、いい子でいてきた。


どうしてこんなに字を書くことを嫌がるんだろう。痛いからか。後でよみかえしたときはずかしいからか。どうもわたしは他人の評価が気になる。いっぱい、いーっぱい他からも自分からも期待をかけられて生きてきたから、実力以上に期待されて、それを実力通りの結果で失望させてきたから、私がポンコツだから本当はもっとできますよって、本気出したらおまえらなんか比じゃないよって虚勢をはることしかできない。身の程をしられたくなくて、表現から逃げた。逃げて逃げて逃げて重いものは全部捨ててきた。それで、結局何も得なかったので何も残らなかった。いまちょっとわかった。今更、疲れ切った今更に、字を書くエネルギーがどこから来ているのか。これは多分、後悔。

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