表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/6

プロローグ

 わたしが小学二年生のころ、両親が死んだ。

 駆け落ちして一緒になった両親には親戚などなく、三人ぽっちの家族はあっという間に一人ぼっちになった。

 お葬式の後、祖父だという人が来て「行きたいところを選べ」と言った。後になって、その人も選択肢の一つだったことを知ったけど、その頃は他にどこも、他の誰も知らなかったわたしの行き先は先生のところ以外になかった。自発的に選んだというよりは、わたしにほかの答えなど用意されていなかった。

 先生は、わたしが三歳のころからわたしのピアノの先生だった。

 先生はわたしに言った。

「私は君の親になるつもりはないよ」

「わかってる」

 たとえ誰に育てられても、わたしの両親はわたしのパパとママ以外に戸籍上あり得ないし、元よりわたしは先生にそんなこと望んでなかった。

 わたしにとって、必要なのは「家」であって、「家族」ではなかったから。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ